「今の時代は名刺はいらない、Twitterをやっておけ」というのを聞いたことはありませんか。
1年半くらい前、Twitterを始めたばかりのころに、このようなツイートを見たのです。
「ホントかなぁ」と疑いましたが、同趣旨、かつ、他の方が書いたブログ記事もあったので「IT業界やネットでの仕事など、『新しい働き方』をしている人はそうらしい」と思うようになりました。
しかし、1年半後の今思うのは「名刺は持っておけ、しかも『とびっきり』のやつ。そして、Twitterもやっておけ」ということです。
これは、わたしがTwitterを名刺代わりにしようとして失敗したことがあったからです。
この記事では、失敗体験に触れつつ、今の時代の名刺の「使い方」について紹介していきます。
目次
「今の時代は名刺はいらない、Twitterをやっておけ」とは
「今の時代は名刺はいらない、Twitterをやっておけ」発言の趣旨をまとめると、以下のようになります。
・名刺なんて交換してもそれで終わり
・あとで読み返すことはない
・その人の転職先や近況がわからない
一方で、Twitterなら名刺にはないメリットがこんなにあります。
・情報が常に更新される
・名刺ではわからない信条がわかる
・さかのぼって発言を見れる
・相互フォローすることで関係が深まる
・友達の友達(交友関係)がわかる
・その人の関心事項や趣味がわかる
・お金がかからない
・必要があればDMも送れる
なるほど、Twitterをしておけば、名刺は持たなくていいのかもしれません。
ところが、そうでもありませんでした。
「名刺は持っておいた方がいいかもですね」と言われて冷や汗をかいた
わたしは数ヶ月前に会社を辞め、今ではフリーランスのライターとして活動しています。
会社を辞める1ヶ月ほど前、ライティングでお世話になっているクラウドソーシング会社が主催するワークショップに出席した時のことです。
これまでは「会社が名刺を作ってくれていた」ので、ライター用の名刺を作ることまで気が回らず、会社用の名刺すらも持参していませんでした。
そのことに、ワークショップへの移動中に気づいたのです。
早めに会場に着くと、すでに5、6人の参加者がテーブルに着いていました。
自分の席に着くと、後ろのテーブルから話し声が聞こえました。
「昨日徹夜で作ったんです……。(笑)こんな会、久しぶりで。ホントに応急で恥ずかしい限りですが、やっぱりあった方がいいなって。」
「正解ですね、それは。名刺は渡すことにいみがありますからね!あー、かわいいじゃないですか、これで十分ですよ。」
まずいかなと頭をよぎりましたが、他の参加者がみんな名刺を持って来るとは限らないし、いざとなればTwitterがあると思い、内心焦りつつもごまかしていました。
オリエンテーションのあと、歓談の時間になると、みんなが一斉に名刺交換を始めました。
本当に一斉に。
名刺がなかったこともあって出遅れていたところ、ある男性の方が「ご挨拶、よろしいでしょうか?」と声をかけてくれました。
「よろしくお願いします。カメラマンをしております、〇〇と申します。」
と名刺を差し出しながら、男性が丁寧に自己紹介してくれました。
名刺は、上質な厚紙に名前とカメラを形どったデザインが彫られ、それは美しいものです。
「丁寧なお仕事をされそうな方」という印象を受けました。
人柄からなのか、名刺からなのかはわかりませんが、確かにそういう印象を受けたのを今でも覚えています。
「すみません、実は、名刺の持ち合わせがなくて……。」
胸がぐっと押さえつけられるような気まずさを感じながら言うと、
「あぁ、全然大丈夫ですよ。」
と仕事の話に移りました。
話の中で
「もうすぐ会社を辞めて、フリーランスになるんです。だから、まだその時の名刺を準備してなかったんですよね。」
とわたしが言ったところ、
「フリーランスになるなら、なおさらですが、名刺は持っておいた方がいいかもですね。」
と返って来ました。
また、名刺交換時にスマホを見せて、アカウント交換をしている人はだれもいませんでした。
Twitterをやっておけばよかったんじゃないのかと勝手に憤慨したり、自らの非常識さが恥ずかしかったりで、冷や汗しか出ませんでした。
とにかく、「今の時代は名刺はいらない」はウソだったのです。
今の時代だからこそ「とびっきりな名刺とTwitterを両方使いこなす」のがいい
では、今の時代にマッチした、一番効果的な名刺の使い方とは何なのでしょうか。
そもそも名刺の目的とは「相手に自分のことを知ってもらうこと、そして、覚えてもらうこと」だと思います。
であれば、「名刺とTwitterを両方使えばいい」のではないでしょうか。
今の時代の名刺の「使い方」として、こういうのはどうでしょう。
・名刺はとびっきり上質なもの、デザイン性のあるもの
・Twitter(SNS)アカウント、ブログURL、メールアドレスを記載
・名刺を写真に撮ってツイート
まず、アナログや形式はいらないよと言う人の増えてきた今の時代だからこそ、あえてとびっきりな名刺を持つといいのではないでしょうか。
上質で分厚い紙質、デザインまで凝ったもの。
そして、Twitterやブログでしっかりと発信し、そのURL、メールアドレスまで載せておく。
さらには、名刺自体を写真に撮ってツイートしてしまう。
ここまでやれば、まだ会ったことのない人にも自分のことを知ってもらい、さらには覚えてもらえるかもしれません。
名刺は、約2,000年前の中国が発祥だそうです。
相手宅に訪問した際、竹木に自らの名前を書いて作った「刺」を入り口前の箱に入れるしきたりがありました。
この後、2,000年かけて竹木が紙になり、墨が印刷になり、写真やデザインが入るようになり、ビジネスマナーとして定着してきたのです。[1]
こんなに古くから続く習慣を、「名刺はいらない」という一言で片づけてしまうのはもったいと思いませんか。
竹木が紙になり、文字だけから写真やデザインを載せるようになってきましたが、時代に合わせて名刺の「使い方」を変えていけばいいのです。
実際にとびっきりの名刺を作って、すぐに写真を撮ってツイートしたところ、反響は上々でした。
【ご挨拶】
改めまして、9月から専業ライターをしております、めんおうと申します。
妻が正社員、わたしが在宅で主夫ライターをしております。主に転職、TOEIC、SEO、取材案件で仕事しています。
デビューということで「名刺」を作ったので、ご挨拶させていただきました。
よろしくお願いします! pic.twitter.com/7REu5FEDwp— めんおう|SNS×主夫ライター (@mennousan) September 6, 2019
インプレッションは3万以上、名刺の写真の閲覧数は約800だったので、相当な認知が得られたのは間違いないでしょう。
お仕事も、Twitter経由で月1件以上いただいています。
「名刺かTwitterか」と、二者択一に迫られる必要はありません。
新しく使えるツールは効果的に使っていけばいいのです。
これまで発展してきた名刺の歴史のように、今の時代だからこそできる「とびっきりな名刺とTwitterを両方使いこなす」という名刺の「使い方」を取り入れてみてはいかがでしょうか。
<参考・参照サイト>
[1] 「名刺の起源(3) 中国大陸で誕生した名刺」(温故知新の名刺物語、野崎工業)
この記事を書いたのは
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専業ライター。大学卒業後、防衛省にて10年勤め、民間企業を経てフリーランスへ転向。ネット、転職、英語、取材などを中心に書いています。クライアント様の伝えたいことを、万策をもってお伝えします。スマートニュース掲載、上位表示記事多数、寄稿(わたしのネット様、ゼロプラス様、スタープラチナ様など)。
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