最近、「リモートワーク」という言葉をよく聞くようになりました。
出典:「リモートワーク – Google トレンド」(2010/01/01~2019/12/31、2020/04/15スクリーンショット)に一部加筆
2016年1月には10ptだった検索状況は、2019年10月には、その10倍の100ptになっています。新型コロナウイルスの影響もあり、今ではさらに急上昇しています。
リモートワークはまさに、「大注目の言葉」と言えそうです。
(「テレワーク」という言葉になじみのある方もいるかもしれませんね。)
リモートワークでは、主にメール、チャットワーク、スラックなどのテキストメッセージをコミュニケーションツールとして使います。
会社員だったわたしが、フリーランスのライターになって、コミュニケーションをとるうえで感じた一番大きな違いは、「相手の顔が見えない」ということでした。
環境の変化に戸惑う中で、先輩のライターさんから、こう言われたことがあります。
「リモートワークでは、『信頼できる相手』かどうかは、相手からの『返信』で判断するといいよ。そこに『意志力』が表れるから」
この記事では、リモートワーク時代において、「返信」から「相手の信頼性」を見極める方法について紹介します。
信頼できる人の特徴
みなさんは、どのような人なら信頼できますか?
わたしの経験から言えば、以下の3つが条件です。
・時間を守る
・ミスをした時は謝る、感謝を伝える
・できない理由を探す前に、どうしたらできるかを考える
新卒や若手の頃には、だれもが指導を受けたことのある、ビジネスの基本中の基本ではないでしょうか。
これをリモートワーク、すなわち、テキストメッセージの「返信」という場面に置き換えてみると、以下のようになるでしょう。
会社員時代の対応 |
テキストメッセージの「返信」 |
---|---|
・時間を守る |
・基本は即レス
・納期を見越して遅滞ないタイミングで |
・ミスをした時は謝る
・感謝を伝える |
・ミスをした時は当然、謝る
・いきなり用件をぶつけず、相手がいること自体に感謝する |
・できない理由を探す前に、どうしたらできるかを考える |
・「できません」ではなく、可能な選択肢を挙げつつ状況を説明する |
この記事を執筆するにあたり、改めて「信頼できる相手」からの「返信」を考えてみると、会社員時代よりも、求めるレベルが上っていることに気づきました。
先輩のライターさんは、「返信」に「意志力」が表れると言いました。
「顔が見えないリモートワーク時代」だからこそ、「意志力」が求められるということです。
「返信」から相手の「意志力」がわかる
わたし自身が経験した、「返信」に見る「意志力」について紹介します。
テキストメッセージの「返信」は、以下のように相手の「意志力」を表します。
テキストメッセージの「返信」 |
相手の「意志力」 |
---|---|
・基本は即レス
・納期を見越して遅滞ないタイミングで |
・相手の仕事がスムーズになるようにしたい
・仕事に十分な時間をかけ「いい仕事」をしてもらいたい |
・ミスをした時は当然、謝る
・いきなり用件をぶつけず、相手がいること自体に感謝する |
・顔は見えないが、人間関係を大切にしたい
・仕事は一人ではできず、協力して創り上げるものだと考える |
・「できません」ではなく、可能な選択肢を挙げつつ状況を説明する |
・なんとかして仕事の目的を達成したい
・ムリだとしても、理想に近づけるため、一番いい選択肢をとりたい |
「顔が見えないリモートワーク時代」だからこそ、「意志力」が大事だということがわかります。
意志のないところに、「返信」はありませんし、良い仕事にもならないでしょう。
顔は見えなくてもメッセージの先には「相手」がおり、それぞれが仕事をしているのです。
良い仕事をしたいという「意志力」が、想像力につながり、「返信」になって表れるのではないでしょうか。
「返信」に「意志力」が感じられなかったクライアントさんとは続かない
これまで仕事をする中で、やり取りの途中で連絡がつかなくなってしまった案件が、いくつかあります。
つい先日も、このようなやり取りがありました。
(クラウドソーシングサイト上で、直接メッセージをいただいた場面)
クライアント:お世話になります。〇〇社の××です。弊社では企業の面接対策ライターを募集しています。報酬や仕事内容についてお話したいので、まずはご返信をお願いします。
わたし:ご連絡ありがとうございます。詳しくお話を伺ってもよろしいでしょうか。
クライアント:お世話になります。面接の記事を文字数3000字程度、1文字1円です。チャットワークはお使いでしょうか?
若干ぼかしていますが、空気感はそのままです。
わたしが意志力あるクライアントなら、次のように連絡します。
クライアントさんからいただいたメッセージ |
わたしが意志力あるクライアントだった場合 |
---|---|
お世話になります。 〇〇社の××です。弊社では企業の面接対策ライターを募集しています。報酬や仕事内容についてお話したいので、まずはご返信をお願いします。 |
突然のメッセージをお許しください。 〇〇社の××と申します。 めんおう様のプロフィールをクラウドソーシング上で確認し、Twitter、ブログなども拝見させていただきました。 弊社では企業の面接対策ライターを募集しており、本企画の成功に、ぜひめんおう様のお力を貸していただきたいと思い、ご連絡いたしました。
もしご興味を持っていただけた場合、返信をいただきたく思います。 その際、お仕事の内容、報酬などについて提案させていただければと思います。 |
お世話になります。面接の記事を文字数3000字程度、1文字1円です。チャットワークはお使いでしょうか? |
ご連絡ありがとうございます。 本案件にご興味を持っていただけたことを、とてもうれしく思います。
企業ごとの採用面接対策記事を3000字、文字単価1円で書いていただくお仕事です。 ライバルサイトは……。 |
先ほどのクライアントさんからのメッセージでは、「何としてでも企画を成功させたい」、「メディアニーズに合致するライターを集めたい」という意志が見えない印象を感じてしまうのです。
実際、このクライアントさんとクラウドソーシング上で仕事を進める合意をしたのち、「記事執筆に移りますので、仮入金をいただいてもよろしいでしょうか?」と連絡したのが最後になってしまいました。
正直、最初にいただいたメッセージの時点で、「一方的な感じの方だな」という印象でした。
きっと、何人ものライターにコピペで送った内容なのでしょう。
「意志力」は、このように表れ、相手に伝わるのです。
わたし自身、一挙手一投足に「意志力」を見られている
ここまで、わたし自身のライターとしての経験値から、クライアントさんからの「返信」に見る「意志力」について述べてきました。
しかしながら、当然ですが、これはクライアントさんだけに問われることではありません。
ライター、プログラマー、翻訳家、デザイナーなど、いろいろな受注者さんがいると思いますが、クライアントさんからも、同じような目で見られているのです。
「顔が見えないリモートワーク時代」だからこそ、やり取りにも仕事自体にも、より高いレベルが求められるのです。
「意志力」のないところに、「良い仕事」はありません。
一挙手一投足に「意志力」を見られていると思って、仕事に臨みたいものです。
この記事を書いたのは
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専業ライター。大学卒業後、防衛省にて10年勤め、民間企業を経てフリーランスへ転向。ネット、転職、英語、取材などを中心に書いています。クライアント様の伝えたいことを、万策をもってお伝えします。スマートニュース掲載、上位表示記事多数、寄稿(わたしのネット様、ゼロプラス様、スタープラチナ様など)。
コラムの連載・寄稿のご依頼、気軽にご連絡ください!
ブログ:めんおうCOM(https://mennousan.com/)
Twitter:https://twitter.com/mennousan
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