フリーランスの方、フリーランスという立場を説明するときにリアクションを見ていると
「なんかフリーターと思われてるような…」
ということはありませんか?
ここでは、フリーランスを考えられている方に、フリーランスとフリーターの違いについて解説していきます。
フリーランスとは
フリーランスは、決まった会社などに所属せず、仕事に応じて自由に契約する働き方です。
使われ始めたばかりの言葉ですので、時々によって若干定義が異なる場合もあります。また、その働き方をしている「人」をフリーランサーと呼びますが、そのままフリーランスと呼ぶ場合もあります。
ここでは、「フリーランス=上記の働き方をする人」として続けます。
フリーターとは
フリーターとは、フリーランスアルバイターの略語で、非正規雇用により働いていて生計を立てている人を指します。
ただし、この言葉の定義付けは曖昧で、正社員と同じようにフルタイムで働く契約社員や派遣社員を含まないこともあります。
例えば、厚生労働省が調査のために設けた定義(2002年、2003年)を見ると、
15歳~34歳の卒業者(在学者を除く)で、
(1)現在、パート・アルバイトとして働いている人
(2)現在は働いていないが、パート・アルバイトで働こうとしている人
のようなことが書かれていて、契約社員や派遣社員は含まれていません。
フリーランスとフリーターの共通点
言葉上、近いものがあるように確かに一部においては共通点があります。
・収入を安定させづらい
正社員として働いて毎月決まった給与が振り込まれてくるわけではなく、また賞与もない(一部パートにはあるようです)ため、収入を安定させづらい環境にあります。
・生活が不規則になりがち
出社時間などがまばらになることもあって、生活が不規則になりがちです。ただし、フリーランスであれば契約先、フリーターであれば就業先によっては、出社・退社の時間も決まっている場合もありますので、一概には言えません。
・社会的に守られにくい
正社員であれば、会社を通して仕事をしますので、きちんと働いている中でトラブルがあった時は守ってくれます。しかし、フリーランスやフリーターは、終身で会社に所属するという前提がないため、立場が弱くなることが多く、同様の扱いを受けることはあまりありません。
・周りに心配される
上記のような理由から、フリーランスもフリーターも程度に大きな差があるものの、周りから心配されることがあります。
・副業
フリーランスはもちろんですが、フリーターもたいていは副業可です。これがあるからフリーターになっている人も多いと思います。
フリーランスとフリーターの相違点
・収入
フリーランスは、専門知識をもって他者と取引することで収入を得ます。その技術などの対価として収入を得るため、正社員よりも収入が高くなることも多いです。また、職種や力量次第で、収入に上限はありません。
それに対して、フリーターのほとんどは、時間当たりの収入においても正社員より少なくなります。また、ここには力量次第という要素は少なく、終身雇用を前提としないため、任される仕事も限定的になり、収入の上昇にも限界があります。
・専門知識
フリーランスには、その仕事を外注して対価を支払うだけの価値を求められます。その価値を生み出すための専門知識が必要です。
それに対して、フリーターに求められるのは、正社員の補助としての役割に留まるため、必要とされる専門知識は限定的です。正社員であれば、30歳を超えた中途採用は経験者採用がほとんどになりますが、アルバイトは未経験可の求人も多いです。求められる役割が異なるためです。
・着地点と通過点
フリーランスは、フリーランスとして活躍するために準備してスキルなどを磨いてきた方も多いと思います。
対してフリーターは、フリーターとして活躍するためではなく、音楽など他のことをするために時間に融通が効きやすいフリーターを選んでいることもあるかと思います。
・場所と時間の拘束
フリーランスは、契約に縛られますが、その契約を結ぶかどうかの選択肢があります。請負契約では、定められたものを納期までに納品すればよく、場所も時間も全く拘束されないこともあります。
対して、フリーターは雇用契約に縛られます。同じ会社に勤めている間に、何度も雇用契約を結ぶことはありませんので、最初に決めた働き方の制限を受けます。
・有給
フリーランスに有給はありません。委任契約の顧問報酬のようなものでない限り、働いていないときの報酬は常に0円です。
対してフリーターは、正社員と同じく有給があります。取得の要件が満たされれば、申請することができます。
フリーランスの方が、フリーターとどう違うのかと聞かれたとき
「フリーランスは、専門知識によって報酬を得ている個人事業主のようなもの。フリーアナウンサーもフリーランスだよ。フリーターは、アルバイトとか非正規社員のこと。似通った響きだけど、違うんだ。」というのはどうでしょうか?
フリーターからフリーランスへ
フリーターの方が、より多くの報酬を得ようと思うと、フリーランスを目指すことをおすすめします。
日本の企業はブランクを嫌がるため、フリーターから正社員へというのは、少し間口が狭くなります。その点、フリーランスは、スキルや人間性(信頼)を評価する割合が高いため、正社員より間口は広いです。ただし、実績も同時に評価対象になりますので、その実績を積み上げるために、仕事を段階的に経験していく必要があります。
最初は勉強することも多いですし、うまく受注できなかったり挫折することも多いかと思います。しかし、自分がやりたいことを縛られずにしていくというのは、フリーターの方にとっても魅力的なのではないでしょうか。
※フリーターの方は、「キャリアブランク後はフリーランスで仕事を再開してみては?」も参考にしてみて下さい。
まとめ
親や友人に「フリーランスになったんだ」と言った時にフリーターと混同されて、やたら心配されるのは、フリーランスあるあるの一つかと思います。どちらも最近出てきた言葉ですが、フリーターに比べてフリーランスは認知度が低いです。そのため、どうしてもフリーターに思えるのかと思います。説明しても固定観念が強いとなかなか伝わりません。
面倒なので放っておくと、「その後どうなった?」というようなことを言われたり。。(その後も、この後もありません。フリーランスですけど…)
分かって欲しい人には、フリーアナウンサーを例に出してフリーランスをやっている理由を話せば、だいたい理解してくれると思います。親など状況を説明しておく必要がある場合は、まだ認知度が低いということを前提に話した方がいいと思います。
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