「フリーランスだと、土日はどう過ごしているんですか?仕事と休日のバランスを取るのが難しそうです。」
このような質問をいただくことが増えました。
フリーランスは自由だと思われがちですが、日課は決まっていた方が心身ともに安定して働けるもの。
わたしは数ヶ月前、休みを設定せず働いていたのですが、今思えば到底続けられないやり方だったなと痛感しています。
フリーランスのライターになって半年経ち、土日の過ごし方を決めてから、収入も仕事の仕方も安定するようになりました。
この記事では、わたしが実践している土日の過ごし方について紹介します。
会社員のような「土日休み」があるわけではない
会社員なら「土日休み」というのが一般的だと思いますが、フリーランスの場合は決まった休みはありません。
自分で決めます。
働いた分収入は増え、休めば収入が減るという事実があるだけです。
平日は仕事、土日は趣味という過ごし方をしている会社員の方が多いのではないでしょうか。
わたしも会社員時代には、そのようにしていました。
しかし、フリーランスになってからは、働かなかった分収入が減る、継続的に自力でスキルアップしなければならないということで、会社員時代のような「土日休み」という考え方を変えることにしたのです。
ただし、休みを設定しないのも問題
休みを設定せず、スケジュールを仕事ばかりで埋めてしまうことには、もちろん問題があります。
1〜2ヶ月なら休みがなくても続けられるのでしょうが、4〜5ヶ月も続けるとガタが来ます。人によってはもっと短い方もいるでしょう。
実際わたしは、副業ライター時代には本業を終えてから作業していたので睡眠時間は1日4〜5時間ほどと短かったですし、本業が休みの日には1日中副業をしていました。
フリーランスになってからもスケジュールはすべて仕事で埋め、休みなく働いていましたが、4〜5ヶ月ほど続けたところ、以下のような問題が起きました。
・疲労がたまり、体調を崩した
・納品のクオリティが落ちた
疲労がたまり、体調を崩した
結論から言えば、休みなく働き続けると疲労がたまり、数ヶ月で体調を崩します。
文字にすると当たり前のことと思われるかもしれませんが、その当時のわたしは「働かないと収入が減る」という不安、「早く実績を作りたい」という焦りから、「休むより仕事」という気持ちで動いていたのです。
最初の数ヶ月は「睡眠時間を削っても一晩寝れば回復する」という状態でした。
しかし、そのうち「昼間も眠い、だから昼寝をして眠気を覚ます。寝てしまった分、夜寝ずに作業して取り返す」という状況になりました。
次第に細切れ睡眠のようになり、きちんと休めず仕事も思うように進まなくなり、ストレスや疲労から1日中寝てしまう日も出てきてしまったのです。
納品のクオリティが落ちた
休まず作業することで、当然ながら納品のクオリティは落ちていきました。
・寝不足かつ生活リズムがバラバラな状態を続けたため、日中も集中力が上がらない
・納期に間に合わせるため、作業工程を一部省略
という状態に陥ったのです。
このような納品では、クライアントからの評価が上がるはずはありません。
もちろん継続契約はもらえませんし、単価も上がりませんでした。
さらには、わからないことに関するリサーチや創意工夫に時間をかけられず、スキルアップにもつながりませんでした。
目の前の仕事だけでなく中長期的に見ても、クオリティが上がっていかない仕事の進め方をしていたということです。
休みを設定しなかった理由は、すべて焦りや不安から来るもの
休みなく仕事で予定を埋めた理由としては、多くの仕事をこなすことで「早くスキルアップしたい」という思いがありました。
しかし、それよりも「焦りや不安」の方が大きかったように思います。
繰り返しになりますが、フリーランスは休めば休むほど収入は減り、契約は不安定になりやすいのが現実です。
こういった焦りや不安から、稼げるうちに稼ぎたい、少しでも実績を作ってどんどん営業をかけていきたいと思うようになっていたのです。
ところが、結果として、焦れば焦るほどうまくはいきませんでした。
そこで、どうしたらうまくいくのか、安定した仕事ができるのかを考えた末、日曜日は「予備日としてスケジュールを空けておく」というマイルールを設定することにしたのです。
「休んだ分の収入が減るのはどうするの?」と思われるかもしれません。
確かに、働かなかった日の分の収入は減るでしょう。
しかし、以下の観点から、たとえ収入が減ったとしても予備日を設ける必要があると判断しました。
・休みがないと長期的に仕事を続けられない
・休養以外にも予備日を設けるメリットがある
日曜日は「予備日としてスケジュールを空けておく」のがおすすめ
「予備日」を設けるメリットとしては、以下4点があります。
・スキルアップのための勉強に時間を確保できる(フリーランスは自分でスキルアップしていかなければならない)
・月曜日から土曜日までで予定通りに進まなかった仕事の作業時間に、日曜日を充てられる
・家族で過ごす時間や趣味の時間に充てられるので、リフレッシュできる
・予備日の時間を活用し、新規顧客開拓に時間を回すことができる
確かに「予備日」は実質的には仕事をしていないため、直接収入にはつながりません。
しかし、予定外に時間がかかった場合も日曜日があることで余裕をもてるなど、毎日仕事の予定を入れていた時期よりも安定したクオリティを出せています。
働いている日数は減りましたが、納品のクオリティが上がったためクライアントから高評価をいただけるようになり、結果として収入も上がりました。
また、継続的にスキルアップを図れるため、中長期的に見てもクオリティは上がっていきます。
焦りや不安は完全に消えるものではありません。
しかし、焦って仕事をするよりも、「日曜日は予備日」などとして一定のペースで働く方が、総合的に見てメリットは大きいのではないでしょうか。
最低限の収入は確保しつつ、余裕のあるスケジュールを組む方法
下の表は、実際にわたしが使っている2020年4月の業務予定表です。
※青色は構成、黄色は執筆
最低限の収入は確保しつつ余裕をもったスケジュールの組み方、そのポイントは以下2点です。
・日曜日には仕事の予定を入れない
・1日の収入が「目標月商/1ヶ月の営業日数(日曜を除いた日数)」を下回らないようにする
作り方としては、特に2点目『1日あたりの収入が「目標月商/26(月によって変わります)」を下回らないようにする』がコツになります。
例えば「目標月商が月26万円なら、1日1万円以上の作業量になるようにマスを埋める」という意味です。
上の業務予定表で言えば、目標月商が26万円とすると、単価3万円の仕事なら構成(青色)と執筆(黄色)で3マス、単価2万円なら2マスを埋めるイメージです。
こうすることにより、月の収入を確保した上で、1日当たりの作業量をある程度に収め、生活リズムもムリなく保てます。
このような業務予定表を作ると、日曜日を予備日として確保した上でのスケジュールを一目瞭然で組めるようになりますし、予定の組み換えも簡単になるというメリットもあります。
最後に
自分でスケジュールを決められるのは、フリーランスという働き方の大きな魅力のひとつです。
しかし、本記事で紹介したように休みなく仕事の予定を入れてしまうなど、間違ったスケジュールを立ててしまうとフリーランスという働き方自体、続けるのが難しくなります。
「好きな時間に働ける」と言われるフリーランスですが、周りを見ても「規則正しく生活し、休みも設定している」というフリーランスが圧倒的に多いです。
試行錯誤しつつ、ちょうどいいスケジュールの組み方や日課を見つけるのがいいのではないでしょうか。
この記事を書いたのは
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専業ライター。大学卒業後、防衛省にて10年勤め、民間企業を経てフリーランスへ転向。ネット、転職、英語、取材などを中心に書いています。クライアント様の伝えたいことを、万策をもってお伝えします。スマートニュース掲載、上位表示記事多数、寄稿(わたしのネット様、ゼロプラス様、スタープラチナ様など)。
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