副業ライターを経験してわかった「好きなことで、生きていく」の条件
「好きなことで、生きていく」というフレーズが長い間流行っています。
このフレーズは、2014年10月に配信されたヒカキンさんの動画がきっかけで使われはじめました。
ですが、働き方改革関連法に関する情報が発信される今でも、あわせて語られることが多いように感じます。
このフレーズには、それだけ人を惹きつける魅力があるのでしょうし、多くの人が生き方や働き方に悩んでいるということではないでしょうか。
「好きなことで、生きていく」というフレーズには、毎日が楽しくて憂鬱になることもなく、それでいて十分に稼げるという華やかなイメージがあります。
わたしはライター業に対しても同じようなイメージを持っていました。
「好きなことを仕事にし、在宅で自由な時間に働くことができる」と、今の時代に合った仕事というワクワクするイメージしかなかったのです。
しかし、副業としてライティングをしてみると、地味ともいえる仕事や作業の連続で、楽しいことばかりではなく、苦しさを感じることもありました。
精神的負担のあるライティングですが、取り組んでいなかった頃に比べれば今の方が間違いなく「好きなことで、生きていく」ことができています。
また、専業ライターになる夢も取り下げるつもりはありません。
これはやはり、「書くこと」がわたしにとって「好きなこと」だからでしょう。
では、「好きなことで、生きていく」とはどのようなことなのでしょうか。
今のわたしと昔のわたしとでは、何が違っているのでしょうか。
この記事では、わたしの経験に基づき、多くの人にとって魅力的な生き方である「好きなことで、生きていく」ための方法について紹介します。
「好きなことで生きていく」のイメージと現実
https://youtu.be/PKcsiiaiDUQ
(YouTube、2014年10月2日公開)
これは、今も流行している「好きなことで、生きていく」というフレーズの発端となった動画です。
語り手のヒカキンさんは、終始笑顔で話しており、ストレスや苦労などはまったく感じさせません。
見ている方まで笑顔になれる本当に素敵な動画ですし、YouTuberという生き方、働き方もおもしろそうだなと純粋にそう思わせてくれますね。
その一方でこちらの動画はいかがでしょうか。
https://youtu.be/-Rf1wE_mmNI
(YouTube、2017年4月29日公開)
これは、ヒカキンさんに24時間密着して、仕事や生活の実情を収めたものです。
最初の動画と同じく、YouTuberの仕事は刺激的で楽しそう、そしてテレビ出演などもあって華やかだなという印象を持つ方が多いのではないでしょうか。
しかしその一方で、一人でカメラに向かう異様な雰囲気、撮影後の孤独な編集作業といった地味ともいえる仕事だけでなく、大量のブラックコーヒーの空き缶、コンビニ飯生活、細切れの仮眠など、「YouTuberの実情」も垣間見れますね。
日本一のYouTuberで「好きなことで、生きていく」スタイルの発端となったヒカキンさんでさえ、決して華やかなことばかりではないというわけです。
やはり華やかに映る仕事でも、実際は地味な一面や、苦しいこともあるのです。
ライター業のイメージと現実
わたしは、冒頭に紹介したように、ライター業に対しても華やかでワクワクするイメージしか持っていませんでした。
●好きな「書くこと」を仕事にできる
●通勤もなく、在宅でサクサク仕事ができる
●自分の好きなときに仕事ができるから、家族との時間を自由に取れる
●短時間で十分に稼げる
ライター業に対して、上記のようなイメージを持っている方が多いのではないでしょうか。
わたしも当初はそうでしたが、実際に副業でライティングをしてみるとこのイメージは半分正解、半分間違いであることがわかりました。
わたしが経験してきた、ライター業の具体的な仕事の内容は次のようなものです。
●クラウドソーシングにて得意な案件を探す
●案件を受注するための提案をする(応募)
●提案が通って受注し、クライアントさんと仕事の進め方などについて調整する
●記事を執筆する
●記事執筆後、入金を待つ
「好きなことを仕事にし、在宅で自由な時間に働くことができる」というイメージとは程遠い、という印象を持つ方が多いのではないでしょうか。
記事の執筆以外については、事務的な作業ともいえるものでとても地味ですよね。
クライアントさんによっては連絡が円滑にいかない場合や、入金が遅いこともあります。
ライターはクライアントさんに命を預けているようなもので、連絡が取れなくなったときは結構焦ります。
仕事の中心である記事の執筆ですら、いつも笑顔でとか、楽しくてワクワクするということばかりではありません。
どのように書いていくかと構成を考えるときは頭を抱えますし、迫る締め切りに慌てたり、単価交渉したりといったストレスももちろんあります。
本業との兼ね合いで思ったよりも時間が取れず、イライラすることも。
予想以上に案件への提案が通ってしまい、仕事が多くなり過ぎて他のことに手が回らなくなることもあります。
一方で、自分の得意な案件がなく、提案すらできずに焦ることだってあるのです。
いつも笑顔でなど、いれるはずがありません。
しかし、どういうわけか、朝起きたときには「記事書くぞ!」とワクワクしながらコーヒーを片手にパソコンに向かいます。
特に休日は、寝食の時間と妻子と過ごす時間以外はずっと記事を書いていますが、まったく苦痛ではありませんし、寝る前の頭の疲れを心地いいとすら感じます。
翌日のライティングの仕事にまたワクワクするといった感じなのです。
まさに今のわたしは、最初の動画で紹介した「好きなことで、生きている」ヒカキンさんのように毎日ワクワクしています。
「好きなことで、生きていく」の条件
では、「好きなことで、生きていく」ための条件とは何なのでしょうか。
わたしは、「やっている目の前のことが好きなこと(最低限嫌いではないこと)」と「理想のライフスタイルがその延長線上にあること」だと確信しています。
まず、「やっている目の前のことが好きなこと」は疑いの余地はありませんよね。
また、やっていることが最低限嫌いなことでなければ、2つ目の条件がクリアできていればいいと思います。
自由な時間に働きたい、好きな場所で働きたい、ぜいたくな暮らしがしたい、家族との時間がほしいなど、理想のライフスタイルは人それぞれ。
ですが、やっていることが嫌いでさえなければ、その目標に向かって努力できるでしょう。
「好きなことで、生きていく」というフレーズにはとても華やかなイメージがありますし、耳にするのも心地よいものです。
しかし、その日常は地味な努力の積み重ねです。
朝は眠いし、時間がなくてイライラもするし、お腹は空くし、腰は痛くなるものです。
ただ、「日常の延長線上には理想のライフスタイルがあり、そのための仕事も好き、もしくは嫌いではない」となれば、日々の地味な努力や悩みすら楽しみに変えていけるのではないでしょうか。
理想のライフタイルとは何なのか。
今の仕事や生活の延長線上にそのライフスタイルがあるのか。
やっている仕事は好きなこと、最低限嫌いではないことなのか。
これらを考え、答えを出し、行動すること。
その先にこそ、あなただけの「好きなことで、生きていく」という生き方や働き方があるのだと、わたしは思います。
この記事を書いたのは
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専業ライター。大学卒業後、防衛省にて10年勤め、民間企業を経てフリーランスへ転向。ネット、転職、英語、取材などを中心に書いています。クライアント様の伝えたいことを、万策をもってお伝えします。スマートニュース掲載、上位表示記事多数、寄稿(わたしのネット様、ゼロプラス様、スタープラチナ様など)。
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