自宅のみでライティングの仕事をしていると、名刺を使う機会はほとんどないかもしれません。
しかし、売上げをもっと上げたい、仕事の幅を広げたいと思って外に出るようになると、名刺が必要になる場面はいくつもあります。
その時になって用意していた名刺がもし使えない名刺だとしたら、あなたはどうしますか?
今回は、私が経験した名刺にまつわる失敗をもとに、在宅ライターが用意しておくべき名刺についてご紹介します。
目次
ライターが用意するべき名刺とは?
ライターが用意しておきたい名刺には、2種類あります。
・あなたの仕事を伝える名刺
・あなたが何者なのかを伝える名刺
仕事を伝える名刺とは?
仕事を伝える名刺とは、あなたがどんな事業をしていて、どのような内容の仕事をしているのかを明記したものを指します。
勉強会や交流会などでは、あなたがどういった仕事をしているのか相手に伝わらなければ、仕事を得たり、人脈を広げたりすることはなかなか大変です。
なぜなら、参加者一人ひとりに対してその都度、1から説明しなければならないからです。
ところが、そういった交流の場では、話せる時間に限りがあります。
あっという間にお開きの時間になり、何の成果も得られないといったことにもなりかねません。
その手間を省き、会話のキッカケを掴むためにも、名刺にあなたの仕事について詳細に書かれていると、案外スムーズに繋がりをつくることができるのです。
名刺に記載する内容ついては、こちらの記事も参考にしてみてくださいね。
『私が1年半で5回もの改良を重ねてきた「仕事に繋がる名刺」』
何者なのかを伝える名刺とは?
何者なのかを伝える名刺とは、あなたがどのような職業に就いているかを相手にお知らせするためのもの。
先にご紹介した名刺との違いは、事業内容を詳しく伝える必要がないという点です。
ライターが自分の事業内容を伝えなければならない場面というのは、交流会などでの顧客獲得や人脈づくり、あるいは誰かに対して自己紹介をしたりするときです。
これを仕事の段階で考えると、受注前の状況に当たります。
反対に、あなたの事業を伝えなくていい場面というのは、相手がすでにあなたの仕事に対して予備知識があったり、あなたの存在を知っていたりする場合です。
つまり、あなた自身のブランディングができている場合に限られるということです。
相手がすでに理解しているのに、そこに改めて時間を割くのは、お互いにとって時間の損失です。
そのタイムロスを省き、すぐに本題に入るほうがスムーズに話が運びます。
なぜ、ライターは2種類の名刺を持つ必要があるのか?
ブランディングに関わらず、ライターは名刺を2つ持っておくことをおススメします。
Webのみで仕事をしている人は、クライアントとの関係もWeb上だけになりがちです。
しかし、外に出るようになると、新たに仕事を依頼してくれる人も出てきます。
そんなときは事業内容が書かれた名刺が有効です。
ライターが受ける仕事の中には、『契約ライター』として取材やインタビューに出かける仕事もあります。
この場合、あなたの位置づけは個人事業主でもフリーライター・副業ライターでもありません。
クライアント企業から仕事を委託された、ライターです。
つまり、取材先から見ればあなたはクライアント企業の一員という扱いになります。そんなあなたが取材先に挨拶をするときに、しっかり自分自身の事業内容を列挙した名刺を渡すとどうなるでしょうか?
ここを履き違えてしまうと、あとになってクライアント企業とトラブルになってしまうことがあります。
名刺トラブルを避けるには
名刺を持っていく場合、まずはクライアントに確認をしましょう。
クライアントから「名刺を用意」と指示され、それを鵜呑みにしていると、当日になって困ることもあります。
私は在宅ライターからライター業をはじめて、今では取材やインタビューもこなすノマドライターになりました。
複数の企業と契約をしているので、依頼内容によっては企業の一員として取材に参加することもあります。
自宅での仕事から外への仕事に切り替えるようになった頃、1件の取材依頼が入りました。
当時、取材経験も何もないただのWebライターだった私は、ここぞとばかりに自分を売り込もうと事業内容を明記した名刺を用意。
依頼内容にも「名刺を用意すること」とあったので、これはチャンスだとひそかに思っていたのです。
ところが当日、クライアントがその名刺を見てストップをかけました。
「あなたは今日、私たちのスタッフとして参加をしてもらうので、そのつもりでいてください」
これは、すなわち「フリーライターと名乗らないように」ということを暗に匂わされたのです。
その時、私の手にはフリーライターであることがしっかりとわかる名刺。
これでは渡せるわけがありません。
この出来事があって、私はシンプルな名刺も用意しました。。
取材やインタビューに行く前に、クライアントにどのような内容の名刺ならOKか確認をしておけば、こうした慌てる事態にはならなかったでしょう。
この時は運良くクライアントから声をかけていただけたので、大事にはなりませんでしたが、もし渡していたらと思うと本当にヒヤヒヤします。
たかが名刺で、と思うかもしれません。
しかし、こうした少しの誤解から仕事を失くすこともあるのです。
自分のミスで仕事を失くすことほど残念なことはありません。
クライアントのお客様は、決してあなたのお客様ではないのです。
あなたの立場を理解してくれているクライアントなら、
「仕事が終わったあとなら(事業内容の入った)名刺を渡してもらってもいいですよ」
と言ってくださることもあります。
このような場合は、事業内容が入った名刺を渡しても問題ありません。
ですが、顧客獲得を目的とした売り込みはしないほうがいいでしょう。
あくまでも「普段はこんな仕事をしています」とサラッと伝える程度に留めるようにします。
あなたに興味を持ってくれたなら、その程度のご挨拶でも、相手の方から連絡がくるものです。
シンプルな名刺とはどんなもの?
どこまでの内容なら許されるのか。
実際に名刺をつくる際に悩むところでしょう。
ですが、記載する内容は次の項目のみで十分です。
・肩書き
・氏名
・TEL
・メールアドレス
肩書きは「ライター」のみ
肩書きには「フリー」「副業」の文字は使いません。
もしも、『契約ライター』の立場で渡すことになった場合、「フリー」「副業」の文字が入っているだけで渡せなくなってしまいます。
「ライター」としておけば、取材やインタビューのどちらでも使えますし、「○○の契約ライター」と名乗るときにも肩書きが邪魔になることはありません。
氏名はライター名でOK
本名を使わずにペンネームを使っている人なら、ペンネームだけで構いません。
取材やインタビューの記事にライター名として名前が載る場合、その名前にはペンネームを使うでしょう。
取材(もしくはインタビュー)を受けたほとんどの人は、どんな記事に仕上げてくれたのか見てくれるものです。
また、同行取材など他のチームと組んで参加した場合にも、あなたの記事を見てくれる人がいるでしょう。
その時、名刺にペンネームを書かずに本名を書いていると、取材してくれた人と記事を書いた人は別人なのかと思われてしまいます。
名前が違うというだけで、一方的にあなたのライティングスキルに疑問を持たれてしまうこともあります。
ライター名で活動をしているけれど本名も書いておきたいということであれば、本名はカッコ書きにしておきましょう。
TELはいつでも連絡がつくものを
この出会いがキッカケで、いつ先方から連絡がくるかわかりません。
いつでも受電できるように、携帯電話の番号を載せておきます。
FAXがある場合は、FAX番号も載せておきましょう。
メールアドレスはフリーメールOK
メールアドレスは、ドメインを取得していないのであれば、GoogleやYahoo!などのフリーメールでも構いません。
必ず記載するようにしましょう。
ほとんど見ず知らずの取材相手がいきなり電話をしてくることはほぼありません。
たいていの場合、まずはメールでのおうかがいから始まります。
連絡先が電話番号のみというのは、相手にとって連絡のハードルが上がってしまうものです。
フリーアドレスは信頼性が低いのでは?と思うかもしれませんが、一度でも顔を合わせ、あなたがどこの誰かがわかっているのですから、そこまで神経質になる必要はありません。
まとめ
Webで活動しているライターでも、いつ名刺が必要になるかはわかりません。
そのときになって慌てないように早めに用意をしておきましょう。
一度でも外で仕事をするようになると、意外にも仕事の幅はどんどん広がっていくものです。
しかし、名刺のことについては誰も教えてはくれません。
私の失敗談が、少しでもあなたの参考になれば幸いです。
この記事を書いたのは
- 【フリーライター/作家/電子書籍編集者】家事が苦手のママライター。いつもどうやって手を抜こうか考えています(笑)一番の趣味は、カメラと散歩と海外小説。相棒のEOS Kissを片手に、あちこちを飛び回っています。
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