単価と経験、フリーランスが優先すべきはどっち?


単価と経験、フリーランスが優先すべきはどっち?

フリーランスが長く活動していくために、優先すべきなのは「単価」なのか「経験」なのか?

 

これはフリーランスにとって普遍的なテーマではないでしょうか。

 

私もフリーランスのライターとして活動したばかりの頃から半年ほどは、自分がどのような方向性で進んでいきたいのかすら定まっていませんでした。

 

それから3年。いまでは、どのような方向で進んでいくか、自分なりの羅針盤を持っています。

 

今回は、そんな私の経験から見出した「フリーランスの活動において優先すべきは何か?」について、私が見つけた答えをシェアします。

 

 

単価が低いあいだは「単価」を上げることに集中する

 

「単価が低い」ということは、提供しているスキルの価値が低いとも言い換えることができます。

 

その原因は、単なる経験不足なのか、それとも成果物のクオリティが低いのか。

 

あるいは、クラウドソーシングサイトを利用している人であれば、そもそも単価が低い案件ばかりを選んで応募しているからかもしれません。

 

 

 

クラウドソーシングサイトの場合は、応募する案件の最低単価を決めておき、何があってもそれ以下の案件には手を出さないといったマイルールを決めるのも大切です。

 

たとえば、ライターであれば、文字単価1円以上のものだけを対象に応募し、どんなにいい条件でもそれ以下の単価には手を出さないといったように。

 

成果物のクオリティが低いのであれば、その原因を突き詰めて改善せねば、いつまでも単価を上げていくことはできません。

 

最悪のケースではその職業では仕事をしていくことが難しくなります。

 

 

 

クライアントがフリーランスに仕事を依頼することには様々な理由がありますが、成果物のクオリティに関しては、どのクライアントにも評価基準があります。

 

それは明確な評価指標である場合もあれば、感覚的なものである場合もあるので、このラインまでこなせばOKというラインはクライアントによって異なります。

 

 

 

いずれにしてもフリーランスは、クライアントの期待値を超えなければ次はないのです。

 

私もフリーランスになった当初は、クラウドソーシングサイトで3,000文字の記事を1本500円や700円で請け負っていました。

 

文字単価に換算すれば、1文字あたり約0.2円です。

 

それを月に100本以上書いていたのです。100本以上書いても、5~7万円にしかなりません。

 

さらに、手数料や振込手数料が差し引かれるため、手取りはもっと少なくなります。

 

 

 

私の場合は、ライターの仕事自体、クラウドソーシングが人生初。

 

経験も知識も何もなかったので、誠実に対応していればいずれ自動的に単価が上がっていくと思い込んでいたのです。

 

そう考えていた理由は、派遣会社で働いていたことが関係しています。

 

 

 

派遣での仕事は、スキルと経験値が増えていけば、単価が上がっていきます。

 

たとえば、時給1,200円から始まっても、経験を重ねていけば時給3,000円にもなるのです。

 

そんな感覚があったので、ライターの仕事も最初は安くてもいつか単価アップされるのだろうと思っていました。

 

 

 

けれど、それは大きな勘違いでした。

 

発注するには、その仕事に対してコストが発生しています。別の言い方をすれば“予算”です。

 

その枠の中で外部ライターに依頼をかけているのですから、金銭的に余裕のあるクライアントでなければ、単価を上げてくれるわけがないのです。

 

単価を上げたければ、クライアントが単価を上げてくれることを待つのではなく、自分から高単価の仕事を獲っていく姿勢が必要です。

 

 

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単価の次に「経験」を追求して価値を上げていく

 

経験不足だからといって低単価案件ばかり選んでいても、低単価の世界から抜け出すことは難しいでしょう。

 

多少の経験不足は実践でカバーしつつ、経験とスキルを身につけるしかないのです。

 

もちろん、全くの初心者が高単価案件を獲得するのは、簡単ではないかもしれません。

 

しかし、なかには初心者であっても信頼して採用してくれるクライアントがいるのも事実です。

 

 

 

実際、私が取材案件に応募した際も、取材経験が全くない状態の時でした。唯一の武器は、半年間のWEBライティング経験のみ。

 

この時点で、自分の活動を代表してくれるような記名記事は一つもありません。

 

それなのに採用してくれた理由は、ビジネスマナーがあること、物腰が柔らかいこと、人の話をよく聞いていることといった人間性の部分だったのです。

 

 

 

数多ある取材案件の中で見れば、単価はおそらく安いほうに入ります。

 

けれど、取材未経験を経験ありにできただけでも、私にとっては得るものが大きい仕事でした。

 

事実、私はいま取材ライターとしても活動していますが、その起点になってくれたのが前出の取材案件だったからです。

 

そこで取材に必要な最低限の知識と経験を得たことから、次の取材案件も獲得できるようになったのです。

 

 

 

今では、店舗取材、企業取材、人物取材、イベント取材など様々な取材案件に対応しています。

 

これも「人物取材ができるなら、店舗取材もいける?」「人物取材ができるなら、イベント取材もお願いできる?」と、少しずつ広がっていったからです。

 

もちろん、これらも「人物取材は経験あるけれど、店舗取材は経験がないから自信がないです」と見送ることも可能でした。

 

どんな経験も、その経験がない間に自信などつくはずがありません。

 

やってみなければ、それがどんな仕事なのかは見えてきませんし、終えるまで自信など持てないからです。

 

新しいことにチャレンジするのは、誰でも怖いものです。

 

けれど、ずっと立ち止まっていても何も変わりません。そうしているうちに、チャンスはどんどん失われていきます。

 

 

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活動方針は随時見直し、こだわりすぎない

 

単価が低い間は、単価を上げていく方向で活動を進めるのが良いでしょう。

 

ある程度、自分の生活を維持できるくらいまで単価を上げられたなら、次は単価が低くても新たな経験を増やす方向にシフトする。

 

これを交互に繰り返すことによって、フリーランスとしての活動領域を広げつつも、活動の継続性を高めることが可能になります。

 

 

 

自分の活動がどの段階にあるかによって、優先すべきが「単価」なのか「経験」なのかが変わってきます。

 

同じ活動域で仕事をし続ければ、やがて仕事に広がりが持てなくなっていきますから、そこで新たなことにチャレンジすれば、知見が広がって収入の軸を増やすことにも繋がります。

 

フリーランスにとっての不安は、何に向けて行動するかによって自ら解消していくことが可能です。

 

 

 

実際に私は、収入の軸がたくさんあります。

 

WEBライター、取材ライター、コピーライター、作家、電子書籍編集者など。同じライター領域でも、ジャンルが違えば、顧客になる相手も異なります。

 

活動の軸をたくさん持っていると、どれか一つが上手くいかなくても、他でカバーすることが可能です。

 

また、その活動自体が横に繋がっているようなジャンルであるならば、双方向でスキルシェアができるため、強みの一つにもなります。

 

 

 

活動方針を定めているフリーランスも多いかもしれませんが、そこにこだわり過ぎないのも大切なポイントです。

 

いつでもチャンスに飛び込める自分を作るには、柔軟な姿勢がカギになるからです。

 

もしも私が「取材しかしません」というライターであったなら、取材ができなくなったとき仕事を得ることが難しくなるでしょう。

 

たとえば、2020年の春は、コロナウイルス感染拡大防止で外出自粛、営業自粛などによって多くの取材案件が消失していました。

 

このほか、ケガや病気などによって長時間の外出が難しいなど、様々な原因が考えられます。

 

しかし、「取材します」というライターならば、取材以外の方向に広げて案件を探せますし、見つけたときに迷わず飛び込んでいけるでしょう。

 

 

 

 

最後に

 

「単価」か「経験」か、どちらか一方だけに目を向けていれば、不安はいつまでも拭い去ることは難しいでしょう。

 

仕事を得られずに悩んだり、収入が増やせずに生活が苦しくなったりしたときに、その仕事を辞めるしか方法がなくなってしまうのではないでしょうか?

 

柔軟に構えて、適宜シフトチェンジしていく姿勢でいれば、フリーランスが抱えがちな不安は取り除きやすいはずです。

 

不安や悩みにとらわれていると、仕事のパフォーマンスにも影響します。この機会に、今一度、自分を振り返ってみていただければと思います。


この記事を書いたのは

浜田 みか
浜田 みかライター
【フリーライター/作家/電子書籍編集者】家事が苦手のママライター。いつもどうやって手を抜こうか考えています(笑)一番の趣味は、カメラと散歩と海外小説。相棒のEOS Kissを片手に、あちこちを飛び回っています。