「通勤ラッシュから解放されたい」
「自然豊かな環境で子育てしたい」
そんな想いから、地方への移住を考えたことがある方も多いでしょう。
しかし、移住には家探しや子供の転校、新たな近所付き合いなど、さまざまなハードルが立ちはだかります。
中でもとくに気になるのが移住先での仕事です。
「移住先で仕事が見つかるか?」
「どのくらいの収入が見込めるか?」
「仕事に馴染めるか?」
など不安は尽きません。
そんな時、場所を選ばず仕事ができるフリーランスという働き方をしていれば、移住前の仕事を移住後も継続でき、悩みはぐんと減ります。
我が家は、約3年間の準備期間を経て、春に地方へ移住しました。
「移住しよう!」と思い立った時、私が最初に行ったのは働き方を変えることでした。
今回は、我が家の移住準備ストーリーを時系列でご紹介しつつ、地方移住におけるフリーランスという働き方のメリットについて書いてみたいと思います。
3年前:地方移住の目標を決める
私たち夫婦には結婚した時から「いつか田舎に移住しよう」という夢があり、将来的に地方移住を目指していました。
しかし、出産や育児など毎日の生活に追われ、具体的な場所や時期はなかなか決められませんでした。
その後、長男が年少になり、小学校入学が視野に入ってきた時期に「長男が小学校に入学する年までに」というはっきりとした目標ができたのです。
移住先について、「自然環境豊かな場所」「通勤ラッシュから解放される場所」という夫婦共通のイメージも持てました。
ちなみに、この頃は夫婦ともに会社勤めをしていました。
2年半前:情報収集を開始
情報収集のため、移住フェアに参加。
さまざまな自治体の制度について学び、移住経験者の話を聞く中で、具体的にどんな場所でどんな生活をしたいかというイメージが膨らみました。
ちょうどこの頃、私は育児と仕事の両立に悩むことが増え、新たな働き方を模索してクラウドソーシングサイトに登録。
「将来移住するときのために、本業以外の収入源ができれば」と、とりあえず副業を開始しました。
2年前:移住候補地へ家族旅行
夏休みを利用し、移住候補地へ家族旅行に行きました。
自治体によっては、宿泊施設や現地ツアーなどをお得な料金で提供してくれるところもあります。
先述した移住フェアでも、自治体が提供するツアー情報を取り扱っており、私も実際に移住フェアで情報収集していました。
移住候補地への旅行の数ヶ月前、私は会社を退職し、フリーランスのライターとして開業。
副業開始から約半年というタイミングでした。
副業を開始した当初は、副業を少しずつ軌道にのせ、いつか開業できれば良いなと考えていましたが、その予定を前倒ししたかたちになります。
理由は、副業が予想以上にうまくいっていたことと、本業と副業の両立が負担だったこと。
睡眠時間を削って副業を続けていたので、体調を崩してしまうという苦い経験をしました。
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<移住前にフリーランスに転身するメリット①>家族の予定を合わせやすい
地方へ移住する際、自分や家族がその土地に馴染めるのか判断するために、事前に何度か下見をする方が多いです。
私たちも家族旅行や帰省などのタイミングで下見を行いました。
移住前にフリーランスに転身していると、休みの調整がしやすく、家族の予定に合わせることができるため、こういった下見の予定が立てやすくなります。
私たち夫婦は以前、全く異なる勤務スケジュールで働いていました。
夫はカレンダー通りの休日で私はシフト制だったため、お互いの休日が合う日は月に2日くらい。
しかし、私がフリーランスになったことで休日が合わない問題が解決でき、それまでと比べてかなり楽に家族旅行もできるようになりました。
1年前:移住最終候補地への下見
大型連休を利用し、最終的な移住候補地へ下見に行きました。
その土地で暮らすことを具体的にイメージし、実際に物件を探したり、エリアを歩き回ったりしました。
小学校や保育施設、市街地への交通アクセスや利用可能なコワーキングスペースなどについても情報収集を開始。
<移住前にフリーランスに転身するメリット②>移住後の生活をイメージできる
この時、私はフリーランスとして開業して1年以上が経過。毎日の生活リズムもでき、月々の収入変動も落ち着いてきたタイミングでした。
移住後も同じ生活を継続すると想定できたので、自分たち家族にとってどんな環境が必要なのかを容易にイメージすることができました。
私は自宅でコラム記事を書くほか、月に数回取材にも出かける生活を送っていました。
そのため、交通アクセスの良さは必要不可欠。
地方移住を決めた際に夫婦でイメージした「自然豊かな環境」の枠を出ない範囲で、アクセスの良い居住地を探すことができました。
ちなみに、夫はこの時期に「本当に移住するぞ」と実感がわいてきたと後々語っていました。
夫は会社勤めを続けていたので、移住後新たに仕事を探す必要があり、「40代で転職先が見つかるかどうか」ということが一番の不安だったようです。
しかし、私の仕事が軌道に乗り、月収がある程度決まっていたことで、「何が何でもすぐに働かなければいけない」というプレッシャーからは解放されたそう。
精神的な安心感が、夫の「移住」への決断を後押ししてくれたようでした。
半年前:物件探し、子供の入学・転園手続き開始
夏休みを利用し、移住候補地を再度訪問。
最終候補地の中でも、具体的に子供が入学する小学校の学区を絞り込みました。
希望する学区内で物件を探し、賃貸・売買とも何件か内見。運よく理想に近い物件が出ていたので、購入を決めました。
秋には、私が一人で移住先を訪問。
平日しかできない保育施設の見学や、子供の入学・転園手続きに関する情報収集も開始しました。
<移住前にフリーランスに転身するメリット➂>平日に休みやすい
移住に向けた事務的な手続きがスタートするのがこの時期。
物件探しや子供の入学・転園手続きなどのため、移住先へ何度も足を運ぶ機会が増えます。
フリーランスなら勤務スケジュールを調整しやすいため、都合をつけやすいというメリットがあります。
とくに、保育施設や役所などは平日しか対応してもらえない場合もあり、「フリーランスになっておいて良かった」と実感しました。
3ヶ月前:引っ越し準備
引っ越し日を決め、移住のための本格的な準備を開始。
保育園の先生や、仲の良いママ友などに引っ越しの件を伝えました。
家族で「引っ越し前に行っておきたい場所」と「会いたい人」のリストをつくり、カレンダーを見ながらどんどん予定を入れた結果、ほぼ毎週末予定で埋まってしまうことに。
結果、事務的な準備は全て平日に、私が仕事の合間を縫って行うことになりました。
<移住前にフリーランスに転身するメリット④>仕事量を調整し、引っ越しに備えられる
取り引きさせていただいているクライアントへ、引っ越しのお知らせをしたのもこのタイミングでした。
驚かれましたが「楽しみですね」と応援していただけることが多く、ありがたかったです。
我が家の場合、引っ越しに加え、子供の入学や入園も重なり、延べ1か月くらいの期間は慌ただしい生活になることが予想されました。
そこで、クライアントへ引っ越しのお知らせをする際に、納期や仕事量の相談も行いました。
このように、自分の都合で仕事量やスケジュールを調整できるのもフリーランスのメリットと言えます。
地方移住の第一ステップとして、働き方を変えるという選択もあります
新たな環境で心機一転、さまざまなことにチャレンジできるのが移住の良さです。
しかし、変化が多すぎると、移住後の生活が大変になってしまったり、不安感が強くなってしまったりする場合もあります。
私の場合、移住前にフリーランスに転身しましたが、移住準備のために仕事のスケジュールを調整できたり、移住後の生活を容易にイメージできたりと、メリットがたくさんありました。
フリーランスという働き方が、我が家の地方移住のハードルを一段下げてくれました。
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