我が家は、この春から夫婦そろっての在宅ワーク生活をスタートさせました。
コロナ禍でテレワークに挑戦することになった方々が多いと思いますが、私たちの場合は、地方移住をきっかけに、夫もフリーランスへ転身したことで夫婦そろって在宅ワークになったのです。(私は移住前からフリーランスワーカーでした。)
友人からは「夫婦で在宅ワークって大変じゃない?」とよく質問されます。
私自身、実際に二人で在宅ワークを始める前は「四六時中顔を合わせていてうんざりするのではないか?」と心配していましたが、フリーランス生活が開始して約3ヶ月間、お互いとくに問題も感じず(夫にも確認しました)、順調に生活しています。
今、働き方改革に加え、新しい生活様式への順応が求められています。
今後、我が家のように「夫婦そろって在宅ワーク」という家庭も増えてくるかもしれません。
そこで、我が家のゆるりとしたフリーランス生活から見えてきた「夫婦で在宅ワークを長続きさせるコツ」について、私なりの見解をご紹介します。
目次
フリーランス夫婦として上手くやっていくために我が家で守っている暗黙のルール
夫婦で在宅ワークを送る上で、私たちは特別ルールを設けているわけではありません。
しかし、お互いしんどくならないように、当初から二人の間には暗黙のルールがあります。
適度な距離感を保つ
我が家には、家族の書斎部屋があります。
地方移住を決めた際に、夫婦で在宅ワークを行うであろうことを見越し、子供たちの勉強部屋も兼ねて、家族のコワーキングスペースのような意味合いで部屋を一つ設けたのです。
詳しくは『フリーランス歴3年目の私が理想のワークスペースを自宅に完成させるまで』(Cool Workers)でご紹介していますので、あわせて読んでみてください。
書斎部屋には大きな6人掛けのダイニングテーブルを置き、4人全員が座っても各自机を広々と使えるようにしました。
しかし、私たちは在宅ワーク生活をスタートして以来、同じ時間帯に一緒に書斎を使用しないようにしています。
基本的には、日中は私が書斎を使い、夫はダイニングテーブルで仕事をしています。
朝や夜、私が外出している時間帯などは、夫も書斎デスクで仕事をしています。
書斎とダイニングルームの間には仕切りがないため、夫と私は同じ空間にいるものの少し距離を取り、また互いに背中を向け合った状態です。
理由は主に二つあります。
もし私たちが一緒に書斎で仕事をした場合、お互いに向き合った状態で一日の大半を過ごすことになります。
二人ともパソコンを見ているので、厳密に言えば向き合っているわけではありませんが、やはり自分の視界に相手がずっと見えているというのはなんとなく居心地が悪いもの。
夫婦とはいえ、そういう状態が続くと息がつまってしまいます。
また、自宅内でも適度な距離感は必要です。
お互いがパソコンを打つ音や息遣いなどが直接的に聞こえる距離感で仕事をしていると、相手の音が気になってしまい、なかなか仕事に集中できません。
同じ家の中なので、お互いの音が完全に聞こえない距離感を作ることは難しいでしょう。
しかし、ちょっとだけ離れてみたり、作業スペースの向きを変えたりすることによって、音が気にならない状態は作れます。
お互いの仕事へのリスペクトを忘れずに
私たち夫婦は基本的におしゃべりなので、一緒にいるといつも常にどちらかが話をしています。
一人が話し出すと、なかなか仕事に集中できず、雑談ばかりになってしまいます。
しかし、やはり仕事中はそれぞれの作業に集中したいもの。
そこで、子供たちを小学校や保育園に送った後、コーヒーを淹れるとお互い仕事モードに切り替えるようになったのです。
基本おしゃべり厳禁とし、それぞれ作業に没頭します。
時には愚痴を言ったり、意見が欲しかったりする場面もありますが、相手にとっては話しかけられたくないタイミングかもしれません。
夫婦であっても、相手が仕事中であることには配慮し、ランチタイムまでは雑談をグッと我慢。
仕事中はお互い無言を貫いているので、ランチタイムや夕方はその反動で饒舌になることが多いです。
ルールを決め込まず、自然体が一番
昼食作りに加え、掃除や洗濯などの家事をどう担当するのかというのは、多くの在宅ワーカーが気になる点でしょう。
どちらか一人が全て担当する、役割分担するなど、さまざまな方法があります。
我が家の場合はあえて役割分担を決めず、「その時々で、できる方がやる」というスタイルです。
せっかく会社ではなく自宅で働いているので、お互い無理せず、楽な方法で働きたいですよね。
私はライターです。
ライターの仕事柄、毎日同じスケジュールで働いているわけではありません。
一日の大半をリサーチ作業に費やすこともあれば、構成を考えていたり、執筆していたりと、毎日作業内容が異なります。
リサーチ作業をしているときは、お昼の時間で仕事を一区切りつけることができますが、執筆している場合はそれが難しいこともあります。
執筆していると「筆が乗っている」と感じることがあります。
文章がスラスラと出てきて深く集中できている状態です。
そういう場合は、その状態で勢いよく執筆作業を進めたいので、できるだけ作業を中断したくありません。
私一人で在宅ワークを行っていた時は、「筆が乗っている」日は昼食を食べずにひたすら書き進めていたこともありました。
夫が在宅ワークになった今では、そういう日は「今ちょっと集中しているから」と伝えておきます。
お腹が空いていれば夫が何かしら昼食を用意してくれます。
夫もそんなにお腹が空いていなかったり、または作業に没頭していたりする場合は、二人ともランチを遅らせる日もあります。
こんな話を友人にすると「旦那さん、料理ができて良いね」と言われますが、我が家のランチは、基本的にパン食です。
常備してあるパンを温め、ソーセージを焼いて、作り置きの副菜を盛り付ける程度の簡単なメニューです。
夫婦で在宅ワークをするようになって良かったこと
ここまでは夫婦で無理なく在宅ワークを続ける秘訣について書いてきました。
私はこれまで一人での在宅ワーク生活を送っていたので、その頃に比べると、多少気遣いする場面が増えたというのも事実です。
しかし、二人での在宅ワークはメリットの方が大きいと感じています。
おやつの食べ過ぎやダラダラする時間が少なくなった
私が一人で在宅ワークをしていた頃は、周りの目がないので、ダラダラしがちでした。
つい制限なくおやつを食べてしまったり、休憩時間を長く取り過ぎてしまったり。
リサーチ中に仕事から脱線して、趣味の動画を見続けてしまう日もありました。
今振り返っても、会社員時代には考えられないような勤務態度だったと反省しています。
しかし、夫婦で在宅ワークするようになると、そういったダラダラ生活に歯止めがかかるようになりました。
夫婦とはいえ、夫は他人。
やはり他人の視線を感じていると、気持ちが引き締まり、仕事への集中力が高まります。
今では節度を持っておやつを食べ、休憩するようになりました。(おやつはやはり辞められません!)
ちょっとした会話が息抜きに
ランチタイムなどに会話する相手ができたことも在宅ワーク仲間がいることの大きなメリットです。
朝から晩まで一人で在宅ワークしていると、仕事に没頭しすぎて考えが煮詰まってしまうこともあります。
しかし、仕事の合間に雑談できる相手が身近にいると息抜きになります。
一人だとなかなかアイデアが思い浮かばない時も、客観的な視線から斬新な意見をもらえることもあります。
会社勤めでいうところの同僚ができたような気分です。
家族団らんの時間が長く
夫婦で在宅ワークする一番のメリットは、やはり家族団らんの時間が長くなったことでしょう。
夫の出勤時間がなくなり、朝や夕方の時間に余裕ができたので、家族みんなの心に余裕が生まれたと感じています。
時間に追われなくなると、活力が湧いてきます。
家庭菜園で野菜を育ててみたり、週末にアウトドアにチャレンジしてみたりと、家族で過ごす時間の使い方が、よりアクティブに変化してきました。
最後に
夫婦で在宅ワークを成功させる秘訣は「家庭内での距離感に配慮し、お互いへの気遣いを忘れずに過ごすこと」。
言葉に書き出してみると、少し面倒に感じてしまうかもしれません。
しかし実際には、「朝、自分だけでなく相手の分もコーヒーを淹れる」など、シンプルで無理なくできることがほとんどです。
会社ではなく家庭だからこそ、自然体でリラックスしながら働けるというのが、在宅ワークの良いところでもあります。
これから夫婦で在宅ワークを始めるという方は、オンとオフの中間くらいの場所を目指して、お互いが心地よいと感じられる働き方を探してみてはいかがでしょうか。
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