フリーランスは、趣味を謳歌したい・好きなときに好きな場所で仕事がしたい・自由を満喫しながら過ごしたいなど、”やりたい”ことや”好きなこと”を実現することも可能です。
ですが、こうした生活は最初から手に入るわけではありません。
ところが収入が増えないと嘆くフリーランスほど、冒頭のような自分のやりたいことや欲求を優先して仕事をしがちです。
望む生活を手に入れるためには、まずは最低限の収入が必要不可欠。
貧乏フリーランスから脱却するには、お金へのこだわりの強さと執着心の有無が命運を分けます。
仕事を選ばないことも大切
私の周りにはさまざまな職業のフリーランスや、法人化した元フリーランスがいます。
私がフリーランスを始めて収入の不安定さに悩んでいたころ、彼らは揃って同じことを言っていました。
「”やりたいこと”は二の次。まずは最低限のお金を稼ぐことに徹底的にこだわれ」
その当時、私は会社員からフリーランスのWEBライターに転身して半年も経っていない、まさに駆け出しでした。
残業と休日出勤ばかりで、家族で過ごす時間もほとんどない会社員生活が嫌で退職し、クラウドソーシングサイトだけで在宅仕事を得ていました。
何の知識も経験も人脈もない私にとっては、仕事を得られる場があることはとてもありがたかったのですが、なにしろ全てが初体験。
最初の1~2ヵ月は、仕事を受けても要望どおりにスムーズに進まないことも多々ありました。
大幅に収入が下がっていたので、預貯金を切り崩す生活。
ですが、受験を控えた子どもがいたので、現状を早急に変える必要がありました。
そこで、友人たちに相談をした際に言われたのが冒頭の言葉です。
正直、当時の私にとっては厳しい言葉でした。
子どもと過ごす時間をつくりたいとフリーランスになったのですから。
しかし、最低限の収入さえ確保できない現状があるなら、まずはその脱却が最優先です。
子どもや家族との時間を犠牲にせずに、仕事にフルコミットするためにどうすればいいのか。
数をこなすにしても、時間は限られています。
彼らの言葉を咀嚼して得た答えは、「一定の水準まで稼げるようになるまでは仕事を選びすぎてはいけない」というものでした。
何でも請け負う必要はありませんが、選びすぎることで活動の幅を狭めて貧困にあえいでいては本末転倒です。
この場合、私のように「仕事を選ぶ」ことについて考え直すことも必要です。
報酬は提供した喜びに対する価値を換金したもの
フリーランスが受け取る報酬は、金銭という形態ではあるものの、突き詰めれば「提供した価値への対価」です。
提供した価値とは、納品した成果物を指すのではありません。
あなたの仕事ぶりや成果物によって、どれだけの人を喜ばせられたかというところにあります。
目の前のクライアントはもちろん、その向こう側にいるユーザーや消費者に喜びが提供できているか。どうすれば提供できるか。
その視点をもって仕事をすれば、次の取引へと繋がっていきます。
収益を増やすには、”稼ぐ”ことに対して貪欲さも必要です。
しかし、それは他人から金銭を搾取することではありません。
適正な価格設定で、なおかつその報酬もしくは請求額に見合う以上の価値を提供することです。
口では「稼ぐぞ!収入を増やすぞ!」と言っていても、請求する段階や報酬を受け取る段階になって「こんなに請求して大丈夫だろうか」「こんなに貰っていいのだろうか」という申し訳なさを感じる人がいますが、それは相手に対して失礼です。
適正価格であるなら堂々といただき、そのうえで感謝の意を伝えましょう。
私が実践している”稼ぐ”ためのこだわり
自分にどんなこだわりがあるか、振り返って考えてみたことはあるでしょうか?
稼ぐと一口にいっても、個人でできること、誰かの協力を得て叶うことなど、その方法はさまざまです。
苦手な作業は外注化
営業活動、経費管理、時間・スケジュール管理など、カテゴライズすれば作業量が目に見えづらくなりますが、細分化してみると意外に細かい作業がたくさんあるものです。
その中で自分が苦手で外注化できるものがあるなら、どんどん外へ出してしまいましょう。
外注化できる範囲は、それぞれのフリーランスが請け負っている業務にもよるため、厳密にどこまでOKかはいえるものではありませんが、あえて挙げるとすれば次のような業務は外注化しやすいといえます。
・アポイントメントの獲得
・会計作業
・スケジューリング
私は経費管理の中でも、領収書の仕訳と転記が嫌いです。あの細々とした作業が面倒くさくなってしまうのです。
ですから、家族や身近な友人に領収書を渡して、1ヶ月いくらといった形で転記作業をお願いしています。
クラウド会計ソフトなら、領収書も写真取り込みなのでパソコンが苦手な人にも依頼しやすいですよ。
このように外注化することで、本来注力すべきことに取り組む時間を確保できます。
やる気は幻!まずは3分始めてみる
外注できない作業は、残念ながら自分でやるしかありません。
ですが、そういうときほど”やる気”に頼ってしまいがちです。
嫌な作業ほど”やる気”の出ないもの。
まずは、とにかく始めてみることです。
とりあえず3分着手してみて、次にもう3分追加する。これを繰り返していきましょう。
気づけば、進んでいた!と思うはずです。
やりたいことはスケジュールの余白で
お金がない、時間がない、やりたいことがちっともできない。
こんな状態が続けば、仕事に対するモチベーションが下がることもあります。
たとえ1日1時間でも好きなこと・やりたいことに没頭できる時間があれば、気分転換にもなり、再び頑張ろうと思えるはずです。
それには次のポイントに気をつけて仕事を調整し、スケジュールに余白をつくることが大切です。
・受注しすぎない
・イレギュラーに対応できる時間の余裕をつくる
稼ぎたいと考えていると、1日の中にギュッと予定を詰め込んでいる方も多いのでは?
なかには分単位で1日のスケジュールを組んでいる方もいるかもしれません。
こうしたスケジューリングは、体調が良いときは消化可能であっても、体調を崩したときには無理を押して仕事をすることになります。
受注する際は、長くても1週間くらい寝込んでも処理できる程度の量を目安にしておくと、受注しすぎを防げます。
また、1日のスケジュールを組むとき、1つ1つの予定に対して多めに時間を確保しておくことも大切なポイントです。
1時間で終わる作業に対して、1時間半を予定時間としてスケジューリングしておけば、作業が1時間で終わったときに30分の余白が生まれます。
余白時間があれば万が一、イレギュラーなことがおきても、他の作業に影響を及ぼすに対処できるでしょう。
好きなことややりたいことなどは余白時間でやるようにすれば、仕事へのモチベーションアップにもなるはずです。
資産運用で預貯金を増やす
収入が不安定だと、預貯金でカバーする人も多いはず。
「今だけだから」その感覚がずっと続けば、預貯金は目減りするばかりです。
リカバリーにも労力がかかりますから、まだ預貯金に余裕があるのなら、小口からでもできる資産運用を検討してみてください。
資産運用にはいろいろな方法があります。
どれが自分に合っているのかを選ぶ必要はありますが、目減りするだけだった預貯金に歯止めをかけることも可能になりますし、新たな収入の軸になってくれることもあります。
値動きをこまめにチェックできない人は、低リスクで放置しても大きな損失しづらいものを選びましょう。
・外貨貯金/外貨定期預金
・貸付型(融資型)クラウドファンディング など
私は、フリーランスになる前から外貨預金を利用しています。
普通預金に残る100円以下の端数を何かに使えないだろうかと思ったことがきっかけで始めました。
ネットバンクでは100円単位での引き出しができず、定期預金にも入金できないことから、どうにかできないかと思っていたのです。
そこで、100円単位で入金ができる外貨預金を選んだのです。
外貨預金なら、元本割れしてしまうことがあっても株やFXほどではありません。
為替幅によってプラスに好転した場合、日本円の定期預金以上に利益が出ることもあります。
ちょっとずつでもいいから低リスクで資産を増やしたいという人は、口座を持っている銀行ホームページでチェックしてみてください。
※外貨預金や投資では元本割れや出資金を毀損するリスクを避けて通ることはできません。必ず事前に知識を得たうえで、自己責任の範囲でおこなってください。
顧客を喜ばせることを忘れずに
収入状況が厳しいと、つい少しでも多くのお金を手にしたいと思ってしまうのが人の性。
つい目先のお金に走ってしまうこともあるでしょう。
けれど、それではいつまでも狩猟タイプの営業を続けていくことになります。
仕事に専念できる環境をつくるには、営業活動に当てる時間を減らすこと。
そのためにも、目の前の人をまずは喜ばせ、その人のために自分に何ができるかを考え最大限を提供することを大切にしましょう。
それができていれば、必ず次のチャンスがやってきます。
最後に
やりたいことを楽しめるようになるためにも、フリーランスは収入の確保が必要です。
まるで謎かけのようですが、”稼ぐ”ためのこだわりとは「どうやってお金を稼ぐか」ではありません。
どうすればクライアントの求めていることに十二分に応えられるのかを考え、行動することです。
その原点になるのが、”お客様を大切にする”という考えです。
商売の基本である『三方良し』の考えに沿った行動を実践していくと、貧乏フリーランスから脱していくことができるようになります。
この記事を書いたのは
- 【フリーライター/作家/電子書籍編集者】家事が苦手のママライター。いつもどうやって手を抜こうか考えています(笑)一番の趣味は、カメラと散歩と海外小説。相棒のEOS Kissを片手に、あちこちを飛び回っています。
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