働き方改革が進み、選択肢が広がる一方で、「フリーランスは食べていけないのではないか」といった不安を感じる方も多いでしょう。
クラウドソーシングサイト「ランサーズ」が2018年におこなった「フリーランス実態調査」[1]では、自由な働き方を続ける上での一番の悩みとして、調査対象者の45%が「収入が安定しないこと」と回答しました。
私は2018年4月に開業してフリーランスのライターになりましたが、転身当時、周囲から「食べていけないのでは?」と心配されました。
しかし、そんな心配は私にとっては的外れです。
なぜなら、共働き家庭の私たち夫婦にとって、夫婦2人の世帯収入が安定していればなんら問題ないからです。
「フリーランス」という働き方は、不安どころか、実は主婦にとってさまざまな点でリスクヘッジしやすい働き方だと私は考えています。
今回は、サラリーマンからフリーランスのライターに転身した私の体験談を元に、主婦にはフリーランスという働き方が最強だと私が思う理由を解説します。
副業ライターからママライター、そしてフリーライターへ!私のフリーランス転身記
私がフリーランスという働き方を意識したきっかけは、やはり出産とその後の職場への復帰でした。
仕事や家事と育児の両立は想像以上に大変で、すべてのことが中途半端になっているように感じたからです。
しかし、それは決められた時間に決められた場所にいる必要があったから。
もっと自由な時間の使い方ができないかと模索した結果、フリーランスという働き方にたどり着きました。
ちょうどその頃「小1の壁」という言葉が話題になっていました。
子供が小学校に入学すると、学業面でも精神面でもそれまで以上に時間とサポートが必要になるという事実が、徐々に世間に認識されてきたのです。
私も長男が小学校に入学する段階で、フリーランスになっているというイメージを漠然と抱くようになりました。
しかし結果として長男が年中になる年に、予定より2年早くフリーランスに転身しました。
きっかけとなったのは、クラウドソーシングサイトで始めた副業。
「なんとなく面白そう」とライターの仕事を始めてみたら思いのほか性に合い、次々と仕事の依頼を受けるうちに「本業でもできるのでは?」と考え始めたのです。
出産や育児に関するメディアが次々と登場していた時期で、「ママライター」の募集も多数あり、その波に乗っかった形でもありました。
のんびり基盤を作っていこうと思っていたのに、なんと副業開始から約半年でライターを本業にしてしまいました。
「食べていけない」に惑わされない!
フリーランスへの転身を意識した時、私は自分の親や周りの人々から「食べていけないのでは?」と心配されました。
一家の大黒柱として働いている場合は心配すべき問題かもしれません。
しかし、私は共働き家庭の主婦であり、夫もフルタイムで働いていて最低限の生活費には困りません。
私にとっては「(フリーランス一本では)食べていけない」という不安は特に心配する必要のないことでしたし、夫も私と同じ考えでした。
当時の私たちは、「家族全員が生活を営む上で夫婦として優先すべきことは、ただ闇雲に世帯年収を増やすことではない」と考えていました。
私がフリーランスに転身することによって、特に以下の3つのポイントについて、今までよりも快適な暮らしができるだろうと想像しました。
●家計の支出を減らす
●家族の活力を保つ
●緊急時の安心感
想像すると実は恐ろしい!「収入が減る」以外のリスク
フリーランスへの転身について語る時、それによって収入が不安定になるリスクを考えがちです。
ですが、サラリーマンを続ける場合のリスクについて考えたことはありますか?
私たち夫婦が、収入を増やすよりも大切だと考えた3つのポイントについて、もう少し深堀りしてみます。
家計の支出を減らす
私がフリーランスになることによって、私が家事に費やす時間が増えます。
それまでは、残業した日はお惣菜に頼っていたり、カーテンはクリーニングに出していたりしました。
子供の体調不良で欠勤が続く際は、病児保育を利用したりもしていました。
しかし、フリーランス転身後はそれらの出費が減る分、生活費を節約できると考えました。
もし忙しいことを理由に、外食や家事のアウトソーシングを続けていたらどうでしょうか。
夫婦2人がそのまま健康で働き続けることができれば良いですが、一方が体調を崩してしまった場合は?
夫婦どちらかの会社が倒産してしまったら?
急に収入が激減しても、家計を無理なく運営することができるでしょうか?
リスク管理という点では、家計をできるだけコンパクトにしておくことはとても有益です。
家族の活力を保つ
夫婦2人でサラリーマンをしていた時は、常に緊迫した生活で、例えるなら綱渡りしているような状況でした。
しかし日々の生活に余白がないと、いつか疲れ切ってしまうでしょう。
私がフリーランスになり、家族の生活にゆとりを持たせることが、家族全員の活力を保つのに必要だと考えました。
人生100年時代ともいわれる現代。
綱渡り状態のまま、この先何十年も過ごしていけるでしょうか。
頑張った結果、夫婦どちらか(もしくは両方)が燃え尽き症候群になってしまったら、元も子もありません。
緊急時の安心感
東日本大震災のような災害時に、もし電車が止まってしまったら?
電車で約1時間かけて通っていた以前の職場にいた時は、もし災害が起きた場合、最悪子供たちと半日以上会えないという状態が予想されていました。
そのことを想像すると、とても不安でした。
在宅で仕事できるフリーランスなら緊急時も保育園にすぐお迎えに行くことができるので、その点安心感があります。
主婦がフリーランスを目指すなら、「副業」からスタートするのがおすすめ!
ここまで読んでいただいた方には、主婦がサラリーマンを続けることのリスクを理解いただき、フリーランスという選択肢がそこまで「不安定」なものではないことをお分かりいただけたかと思います。
しかし、それでもフリーランスという新たな一歩を踏み出すのは勇気がいることですよね。
また、他人の成功談だけを聞いてそれを信じてしまうことほど危険なことはありません。
そこで、私がおすすめするのは「副業」のワンステップを踏むこと。
これによって、フリーランスとして働くということがより現実的にイメージできるようなり、開業というハードルがグンと低くなるでしょう。
私はライターとして開業する半年前から、副業としてライティングの仕事を始めました。
当時、私はイベントの企画や運営などの仕事をしていましたので、そういった仕事で開業することを想定していました。
しかし、副業として始めたライターで、想像していたよりもしっかりと稼ぐことができることに気が付きました。
それと同時に、イベント制作としての仕事はなかなか見通しがつきませんでした。
ライターとして開業するとは思っていませんでしたが、まさに副業がもたらしてくれた嬉しい誤算でした。
今、働き方に悩んでいる方は、あまり思いつめず、まずは副業という形でフリーランス気分を味わってみてはいかがでしょうか。
きっとあなたが想像していた以上に、フリーランスは快適な働き方かもしれませんよ。
<参考・参照サイト>
[1] 「【ランサーズ】フリーランス実態調査2018年版」( LANCERS, INC.、p21)
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