フリーランスが陥りがちな失敗とは?対策も一緒にご紹介【契約編】
フリーランスとして仕事をする際、必ず最初に行うのが契約です。自分から仕事を獲りにいった場合、相手から仕事を持ちかけられた場合、そのどちらのパターンであっても約束事としての契約事項が必ず存在します。
この約束事は、後々までお互いの行動指針にもなり得るもの。安易な契約は、後になって色々なトラブルを引き起こしてしまうことすらあるのです。
万が一、その原因がフリーランスにある場合、最悪仕事を失ったり、ギャランティの回収漏れといったことにもなりかねません。
では、その失敗はどう回避すればいいのでしょうか。
目次
失敗1.契約項目の漏れによるトラブル
契約に不慣れな駆け出しの頃にありがちなのが、契約書を取り交わすときに、相手任せにしてしまうことです。
わからないからといって相手に委ねてしまうのは、よくありません。実際に業務が始まってから、本来請求すべきコストを請求できないといったトラブルの原因になってしまいます。
契約書は、あくまでも双方の同意のもとに行う約束の覚書。契約書を用意してもらう場合は、サインをする前に必ず全文に目を通しましょう。
そこで、疑問点があるなら、必ずその疑問は話し合って解消しておきます。
それをおざなりにしてしまうと、後から手痛い思いをすることもあるので注意しましょう。
契約書のチェックに関しては、こちらの記事を参考にしてみてください。
『フリーランスが契約書をチェックする時のポイントとは?』
失敗2.口頭契約によるトラブル
フリーランスのジャンルによっては、契約書が交わされずに口頭のみになることもあります。口約束と同じになるため、後になって「そんな話をした覚えはない」といった水掛け論になってしまうといったトラブルに発展することもあります。
そうならないためには、口頭のみで終わらせず、必ず文面に残すようにしましょう。相手のメールアドレスやFAX番号などを確認しておき、そちらに約束事を箇条書きして送信しましょう。
内容に間違いがない、漏れがないことをクライアントからメールやFAXにて返答をもらうようにします。
電話を録音するには相手へ一言断りを入れることになるため、信頼関係に影響が出ると思い、なかなかフリーランス側から言い出しづらいでしょう。
ですが、メールやFAXなら、「聞き間違いがないかの確認」だと伝えれば、相手方も悪い気はしないはずです。
文面に残しておくことによって、要らぬトラブルに発展することも避けられます。
文面に残す際の注意点については、こちらの記事を参考にしてみてください。
『フリーランスが仕事を受けるときは、「契約」を交わそう!』
失敗3.特定のクライアントだけに頼りきる
フリーランスが長く事業を続けていこうと思うと、欠かせないのがリスク管理です。その一環として、フリーランスは特定のクライアントばかりに頼っていてはいけません。
もちろん、長期的に付き合えるビジネスパートナーとして契約をすることは大切です。しかし、その事業者(会社)と永久に仕事ができるかといえば、そうとは言い切れないのが現実です。
たとえば、災害や倒産、他に良いビジネスパートナーが見つかって契約が終了してしまうなど、様々なシチュエーションが考えられるからです。
それらを考えれば、特定のクライアントに重心を置いた契約をするのではなく、幾つものクライアントを持っておくことが重要です。
実際に、あるクライアントがとても高単価で契約していたため、そこに頼りきりになっていたけれど、ある時契約更新されずに仕事を失ってしまったという話はよく聞きます。
お互いにビジネスという利害関係で結ばれているパートナー。ですから、自分よりも良い条件等で仕事ができる相手が見つかれば、契約が終わってしまう可能性は決してゼロではありません。
フリーランスが安定的に仕事を獲得するためには、複数のクライアントとの契約が重要です。複数のクライアントと契約をする場合、契約内容を取り違えて対応してしまうといった失敗もあります。
そうならないように、どのクライアントとどのような契約内容になっていたか、いつでも確認できるようにしておきましょう。
失敗4.目先の収入だけを見越した契約をする
フリーランスで、仕事がまだ軌道に乗っていないときにやってしまいがちなのが、目先の収入だけを見て契約をしてしまうパターンです。
駆け出しで、実績がまだないようであれば、それで実績を積むのも大切です。
しかし、フリーランスを始めて実績が蓄積されてきたら、目先の収入だけでなく、将来のことも見据えた契約をするようにしましょう。
目先の収入ばかりを追いかける契約をしていると、いつまで経っても仕事が安定せず、ずっと働き詰めになってしまうなど、体にも心にも良くありません。
契約をするときには、スキルアップできる内容なのかどうか、長期的な契約になっているのかどうかなども検討したうえで、契約を結ぶようにしましょう。
失敗5.手一杯に仕事を抱えていても契約をしてしまう
フリーランスにとって仕事がなくなってしまうことは、非常に怖いことです。そのため、現状手が一杯になっているにもかかわらず、断るのが怖いからと契約に至ってしまうのも考えものです。
もちろん、業務の始まりが契約して直ぐとは限りません。しかし、たいていの場合はすぐに取り掛かってほしいから、依頼をしているのです。
そこで安請け合いをしてしまうと、休息も睡眠時間も削って仕事に追われる羽目になってしまいます。
依頼が来たからといって、そのまま直ぐに契約に至るのではなく、相手に必ず現状を伝えて、いつからなら対応できるかをきちんと伝えましょう。それが、フリーランスの誠意ある対応というものです。
「手一杯になっている=スケジュール管理ができていない」と捉える顧客もいないわけではありません。しかし、大抵の場合、あなたに仕事を依頼してきたのであれば、あなたにお願いしたいと考えています。
ですから、そこは恐れずに、自分の今の状況と対応できる具体的な日程を正直に伝えてみましょう。伝えることによって、あなたにきちんと管理能力があることが相手に伝わり、信頼できるパートナーだと感じてくれるはずです。
依頼の断り方については、こちらの記事も参考にしてみてください。
『フリーランス必見!“次の仕事につなげる”ための上手な断り方』
『フリーランスとして働く人必見!メールでの案件の断り方』
失敗6.相場が把握できず低単価で契約してしまう
契約をする際に取り決め事項として、報酬について明記します。この時、お互いに意見をすり合わせながら金額を決めていくことになります。
意見をすり合わせる上で必要なのが、ベースラインとなる金額です。この業務であればいくらといった金額が、フリーランス側で設定されているものです。
しかし、フリーランスを初めて間もない頃や、少しずつクライアントが増えてきた頃は、相場がまだ把握できていないと、安い金額で報酬を提示してしまいがちです。
相場は、世間一般的な金額に加えて、自分のスキルを客観的に評価する目が必要となるため、自分が決めた金額が相場に合っているのかどうかの判断が難しいところでもあります。
低単価で契約するのを回避するには、相場を知ることが先決です。そのためには、複数の同業者と話をする機会を持ってみるといいでしょう。
分野によっては、一人で作業することも多いフリーランスは、なかなか他のフリーランスと出会う機会がないかもしれません。そうしたときには、スキルアップのための勉強会や交流会などに顔を出してみるといいでしょう。そのような出会いの場は、SNSなどでも探せば割合簡単に見つけられます。
先輩フリーランスと出会えたなら、彼らはそうした悩みも乗り越えてきているので、きっと具体的なアドバイスをもらえるでしょう。
ギャランティの交渉については、こちらの記事も参考にしてみてください。
『フリーランスの大切な仕事の1つ!ギャラ交渉ってどうすればいいの?』
最後に
契約を交わすときは、必ず自分も一緒に契約事項を決めていくんだという意識が大切です。
そうした意識が低いと、クライアントから無茶な要求をされても文句が言えないような契約内容になってしまうこともあります。
相手に任せっぱなしにしない、先々のことまで予想して契約を交わす、ということが失敗を回避するコツです。
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