フリーランスは自分で営業も行います。副業者も業務委託で働く場合は営業活動が必要です。その際、単価交渉も自分で行わなければならず、大切な仕事の1つといえます。
なぜなら、いくら仕事があっても単価が低ければ、思うような収入が得られないからです。反対に単価の高い仕事を得ることができれば、収入を増やすことは難しくありません。
単価というのは、能力、才能、経験によるところが大きくなりますので、能力が高ければ高いほど、才能や経験があればあるほど、高い単価の仕事ができるはずです。
しかし、能力や才能があるにもかかわらず、低い単価でしか仕事ができないフリーランス・副業者もいます。
フリーランスの場合、低い単価の仕事ばかりでは思うような収入を得られずに生活を維持できなくなったり、仕事に追われて疲れ果ててしまったり、事業を継続していくことができなくなる人もいるでしょう。
副業者の場合、プライベートな時間を削って働くのですから、それに見合った収入が得られなければ、副業で働き続けることを諦めてしまう人もいるでしょう。
では、自分の仕事に見合った単価を得ていくためには、どうしたらよいのでしょうか。
今回は、フリーランスや副業者が単価を上げていくための交渉方法について、いくつか考えてみたいと思います。
フリーランスや副業者が単価を上げていくための交渉方法3つ
①より良い提案をする
クライアントに最初に依頼されたとおりの内容をこなすだけでは、単価の値上げは提示しにくいものです。単価交渉をするときの材料として、その案件に対して「こうした方が良いのではないか」という新たなアイデアを提案してみるという方法があります。
たとえば、イラスト制作の場合
(イラスト1枚の単価を上げてもらう提案)
「このようなイラストの場合、背景を描いた方が見た人がイメージしやすくなるのでブランドイメージを伝えられます。背景を描く場合は〇〇円余分にはかかってしまいますが、いかがでしょうか?」
(イラストの枚数を増やしてもらう提案)
「こちらに入れるイラストと合わせたアクセスマップも作ってみてはいかがでしょうか? 料金は1枚分追加になってしまいますが、全体のトーンが揃いますので、より印象的なイメージを伝えられるパンフレットになります。」
といった提案をすることができます。
このときに気を付けたいのは、クライアントの利益を一番に考えた提案をするということ。
自分の利益優先で考えてしまうと、クライアントにとってより良い提案というのは浮かばないものです。そしてその考えはクライアントに見透かされてしまいます。
②自分が引き受けている普段の単価を提示する
フリーランスや副業として仕事をしていると、これ以下の単価では引き受けたくないというラインが存在すると思います。それは「この単価で仕事をするのは割に合わない」と感じるラインではないでしょうか。
しかし、クライアントがフリーランスや副業者に案件の依頼をするときは、できるだけ低い単価で仕事を依頼したいと思っているものです。
フリーランスや副業として仕事を始めたばかりの場合には実績がありませんので、低い単価で仕事を引き受けざるを得ないこともあります。ですが、仕事を続けていく内に、この仕事にはこのくらいの単価が一般的である、というようなことが分かってきます。
依頼された案件の単価が低い場合には、こちらからクライアントに単価を提示してみるのもひとつの方法です。
たとえば、
「今回ご依頼いただいた作業内容を考えますと、ご提示いただいた報酬ではお引き受けすることは難しいです。私が普段ご依頼いただく同じような内容の案件では、〇〇円以上の報酬をいただいております。報酬を〇〇円にしていただくことはできますでしょうか?」
といった感じで提示してみるとよいでしょう。
他の仕事との比較で単価交渉する場合に気をつけたいことは、他社の具体的な会社名やプロジェクト名を出さないことです。もし「どのような会社のどのプロジェクトですか?」と聞かれても答える必要はなく、「守秘義務に違反しますのでお答えできません」と伝えましょう。
これによって印象が悪くなることはありません。逆に、自分の依頼した仕事についても同じように守秘義務を守ってくれる信頼できる人だと判断してくれるはずです。
③業界の相場と自分の仕事の価値を知る
フリーランスや副業の仕事はいろいろなものがありますし、同じような内容の案件でも求められるクオリティは様々です。安い単価で大量の仕事をこなしてほしいと思っているクライアントもいれば、多少高くても品質の良いものを納品をしてほしいと思っているクライアントもいます。
まずは自分の仕事について、一般的な単価の価格帯を知ることが大切です。
安い単価の案件にしても、高い単価の案件にしても、一般的な単価の価格帯を知らなければ単価交渉はできません。そもそもクライアントが提示してきた単価が高いのか安いのかわかりません。
低すぎる単価で引き受けた場合、この単価で仕事をしてくれる人だと判断されてしまうと単価を上げていくことは大変です。今後の仕事にも影響してしまいます。
逆に、自ら高すぎる単価を提示してしまうと、他に安い単価で引き受けてくれる人がいれば仕事を失ってしまうことになります。
次に、自分の仕事の価値を考えることも大切です。
誰もができる仕事と自分にしかできない仕事では、単価は大きく異なるからです。
また、その仕事の価値というのクライアントによって変わります。クライアントが求めている価値であれば単価アップできる可能性がありますが、とくに求めていない場合は難しいでしょう。
提示する単価が、自分の仕事の相場と価値に見合っていれば、契約が成立する確率は高くなります。
単価を提示して条件が合わなかった場合
こちらから単価の提示や条件の変更を申し出て、クライアントとの交渉がうまくいかなかった場合にはどうしたらよいのでしょうか。
このような場合、クライアントにとってより好条件で引き受けてくれる候補者を確保できていることが多いです。
もし、自分の仕事のクオリティに自信があり、この単価以下での仕事はしたくないと思っている場合には、縁がなかったものと思ってお断りしましょう。自分が納得のいかないまま仕事を引き受けても不満が残ってしまうだけです。
このとき、「またの機会にお仕事のご相談をいただけましたら嬉しいです。どうぞよろしくお願いいたします。」というように、失礼のない挨拶をしましょう。
仕事の能力が高くて単価が適正であれば、また依頼はきます。仕事をとれないことを恐れて単価を引き下げるのではなく、自分の能力をアップさせることを目指すことをおすすめします。
フリーランスであっても副業であっても引き受ける以上はその仕事のプロです。自分の納得できる仕事ができる案件を選んでいくほうが、成功しやすいのではないでしょうか。
まとめ
フリーランスにとっても副業者にとっても単価交渉は大切な仕事の1つです。案件を引き受ける場合でも、お断りする場合でも、クライアントへの印象は大切です。感情的にならずに、誠実かつ丁寧な対応をしましょう。
また、引き受けた仕事については、自分の納得できるものを納品するようにしましょう。信頼性がうまれて評価が高くなれば、その結果として単価も高くなっていくはずです。
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