ITコンサルタントを生業にフリーランスとして活動して数年、ある程度の案件数をこなしながら自分なりのノウハウも構築し、中堅フリーコンサルとしての自負を抱き始めているあなた!
この辺りで、現状分析と将来のビジョン設定をしてみてはいかがでしょうか?
確かに、単発的、あるいは2~3ヶ月スパンの案件を定期的に受注できているということは、積み上げてきた実績がある程度の社会的評価を得ているということを意味します。
ただ、問題は今後の仕事のあり方、今後のあなたに対する評価です。
これまで通り、単発案件を次々とこなし続けるべきでしょうか?
10年、20年と時が過ぎる中で同じことを続けているだけでは、経験年数と実績の密度との間に乖離が生じるとは思いませんか?
クライアントに「このコンサルタント、歴が長いベテランのくせに、実績案件は小粒じゃない?」なんて捉え方をされてしまうと、フリーコンサルとしては致命的です。
残念ながら、無目的に現状を維持するだけでは、やがて案件数や収入は右肩下がりになってしまう可能性が高いです。
そこで、今回おすすめするのは「戦略コンサル案件」への挑戦です。
コンサル業界における最高難度案件である戦略コンサル案件の受注及び完遂こそ、フリーコンサルとしての経歴に箔がつき、あなたの価値をよりいっそう際立たせるのです。
以下では、戦略コンサル案件獲得のために必要と考えられるスキルや方法論を紹介します。
ぜひご一読ください!
戦略コンサルとは?最高難度の案件で求められるスキルを徹底解説
まずは、戦略コンサルがどのようなものか整理をしておきましょう。
あなたの将来的なターゲットになるわけですから、その正体をしっかりと認識しておくのは極めて重要なプロセスです。
以下をご覧いただければ、一見敷居が高そうな戦略コンサル案件も、意外と手を出せそうに感じるはずです。
戦略コンサルの正体と特徴
ご存じの通り、戦略コンサルとは、企業のトップ層に対して中長期的な経営戦略・事業戦略を提案する仕事です。
各部門における単一プロジェクトに対する刹那的な関与ではありません。
企業全体の経営指針に関わり、マーケティング戦略や新規事業の立案など、今後クライアント企業が向かうべき道を提案するという密度の濃い仕事です。
そして、この提案を行うときに常に意識されるべき内容は次の通りです。
・経営的視座を前提とする
・複数の仮説を立案、検証を重ねる
・当該企業にとっての功利的観点から選択肢を提案する
このような視点を要する戦略コンサルが、コンサル業界で最難関とされる主たる理由は次の2点です。
・企業全体に影響を及ぼすという意味での責任の大きさ
・検討事項の多さ
さて、責任の大きさについては、仕事内容に影響を及ぼすものではありません。
重責の中、冷静に仕事をこなさなければいけないという精神的なタフさが求められるだけです。
次に、「検討事項の多さ」です。これに臆することなく挑むことができれば、戦略コンサルの敷居はぐっと低くなります。
ここで思い出していただきたいのが、今、あなたが日々こなしているコンサル業務の内容です。
日々クライアントの意向を踏まえて、いくつもの仮説を検討し、顧客の意向に沿った内容を提案しようとしているはずです。
確かに、企業経営の視座には立っていないかもしれません。
検討事項も、企業全体のスケールではないかもしれません。
しかし、「仮説→検証→提案」というコンサルとしての根本業務は共通しています。
つまり、戦略コンサルは、あなたが今受注している単発的な案件の延長線上に確実に存在していると言っても過言ではありません。
戦略コンサル案件も多くのコンサル案件の一つに過ぎず、望み、挑戦を続けさえすれば、誰しも到達しうる案件なのです。
戦略コンサル案件で求められるスキルとは?
では、戦略コンサル案件で特に求められるスキルとはどのようなものなのでしょうか?
それは、先程お伝えした「検討事項の多さ」、これをクリアする能力と同義です。
上述のように、戦略コンサルでは、経営視点に立った上での分析作業が大前提となりましたよね。
経営視点に立つということは、企業全体の組織図、各部署の実情と日々の動向、部門間の関係性、市場状況、市場におけるシェア率等など、極めて多岐に渡る知識を有さなければいけません。
幅広い知識を有してはじめて、経営的視座からの分析作業が可能となり、そして膨大な量の検討事項をハイクオリティに分析できるのです。
したがって、今まであなたがこなしてきた個別的案件と戦略コンサル案件との間にある圧倒的な違いは、必要とされる知識量であることが導かれます。
つまり戦略コンサル案件において特に必要なスキルとは、企業全体、隅々に至るまでの知見なのです。
戦略コンサル案件獲得へのプロセスとは?フリーコンサルが押さえるべきポイント
では、実際に戦略コンサル案件を獲得する方法について説明します。
「戦略コンサルみたいな案件規模の大きい仕事なんて、コネクションがなければ厳しいんじゃないの?」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
確かに、コンサル業界には、人との繋がりが仕事量を左右するという側面があります。
戦略コンサル案件ほどの大きいな規模の仕事になってくると、その傾向はより顕著とも思えますよね。
だからこそ、今意識して欲しいのが、「既存の案件を戦略コンサル案件に昇華させること」です。
個別案件に関するやり取りを通じてクライアントの評価を得ることができれば、より濃密な内容の相談へと繋がる可能性が高まります。
そこで、このような“昇華”を狙うために意識すべきポイントを説明したいと思います。
経営的視座を知る
まずは、個々に受注している案件を処理する際にも、常にクライアント会社の全体像を意識するようにしましょう。
そのためには、受注しているプロジェクトに対する平面的な回答だけでは不十分。
当該プロジェクトが会社内でどのような位置づけであるのか、どのような利益幅を想定しているのか、他のプロジェクトとのコスト比較など、俯瞰的な視点を意識した回答こそ、ここで求められているものです。
あなたが全体像を意識していることがクライアントに伝われば、戦略コンサル案件への可能性が視野に入ります。
そして同時に、あなた自身も、戦略コンサルに必要とされる「経営的視座からのコンサル」を学ぶことができるのです。
高精度のファクト抽出と分析
「高精度のファクト(事実)抽出と分析」は、戦略コンサルに限った話ではなく、コンサルタントとしての本分にも影響することです。
そして、コンサルタントとしての基礎体力の精度をより高めることができれば、戦略コンサル案件への道筋はより明るくなります。
さて、ここに言う「高精度」とはどのような内容でしょうか?
それは、企業が所属する業界全体像を意識すること、そして、企業のあり様を過去・現在・未来の連続性の中で意識すること、の2点です。
現在受注している個別的案件を処理する際、競合企業が採用している方針や業界全体のブームを意識した事実抽出・分析を行うことができれば、提案内容が説得力を帯びます。
これは、戦略コンサルで言うところのいわゆるマーケティングに相当する作業です。
また、案件に対する回答は、現在の事実のみを前提にしては不十分です。
受注している案件の大小にかかわらず、すべての案件は将来的な成功を求めています。
将来的な成功に至るためには、過去から現在に至るまでの企業・市場の変遷、そして、今後辿るであろう軌跡を想定する必要があります。
過去・現在に対する詳細な検討、そして、将来に対する確度の高い予測をしてこそ、提案内容に説得力が生じます。
これは、戦略コンサルにおける中長期的視座に該当します。
このような意識を常々もっていれば、あなた自身のスキルは着実にアップします。
そして、それがクライアントに伝われば、個別案件が戦略コンサル案件へと昇華しうるでしょう。
戦略コンサル獲得には地道な積み重ねを
以上のようなチャレンジを、常にすべての案件でこなすようにしてください。
もちろん、どれだけ労力を割いたとしても、単発的な案件のまま終わってしまうことの方が多いでしょう。
しかし、地道に一つずつをクリアすることで、あなた自身の能力はどんどん高まります。
やがて、個別案件を依頼してきたクライアントが、戦略コンサル案件の依頼をしてくれる時が訪れるはずです。
いつか到来するステップアップの日のため、一つずつの案件の精度を高めましょう!
最後に~フリーコンサルはどうあるべきか?働き方における「正しさ」とは?~
以上が戦略コンサルに必要なスキル、そして、戦略コンサル案件獲得に向けたアプローチです。
確かに、短期間であれ継続的に多様な案件を受注できているという状況は、コンサルタントとして一つの成功の形です。
そして上記の環境下で、スキル的な不足なく「与えられた仕事を淡々とこなし」、また「効率を追求して最低限の満足度を保証する」のも、もちろん一つの正解です。
ただ、それでは最初に取り上げた「経験年数と実績が乖離し、長期的には契約が減少する」というリスクがいつまでもついてまわります。
それならば、より高度の仕事である戦略コンサル案件を常に狙ってみませんか?
戦略コンサル案件獲得に向けた努力を常に意識してみませんか?
心がけ一つで、日々の案件処理から得られる経験の価値は一変します。
そして、それはやがて最高難度の戦略コンサル案件獲得に導いてくれるでしょう。
ぜひ、諦めずに、戦略コンサル案件獲得を狙い続けてください!
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