日本の副業事情、アメリカと比較した考察 ―ギグエコノミーの視点から―


日本の副業事情、アメリカと比較した考察 ―ギグエコノミーの視点から―

「副業を始めようと思ってるけど最初の一歩が踏み出せない」

「最近日本でも副業が流行ってきているようだけど、実際はどうなんだろう?」

副業についてこのような不安・疑問を抱えている方が多いのではないでしょうか。

そこで、副業大国アメリカについてリサーチしてみました。

リサーチから分かったアメリカの副業の現状と、日本での副業の位置付けについてレポートします!

副業の定義

まずは、そもそも副業とはどのようなものか、どの国で盛んなのかを紹介します。

「副業」とは?「複業」との違い

そもそも、「副業」とは、本業以外に収入源を持つために働くことです。

そして、副業に取り組んでいる人のことを、パラレルワーカーまたは、ポートフォリオワーカーと呼びます。

現在、コロナの煽りを受けて、ギグエコノミーが徐々に日常の中の当たり前になりつつあります。

「ギグエコノミー」とは、インターネットを使って単発の仕事を受発注するビジネスモデルのこと。

ウーバーイーツやランサーズなどがギグエコノミーの代表例として挙げられます。

ちなみに、副業と似た用語に、「複業」というものがあります。

「複業」は、複数の仕事を、それぞれ同様の収入程度で取り組んでいること。

副業と同じように、いくつもの仕事をこなしているという点に変わりはありません。

この記事では、このように比較的新しい副業の選択肢「ギグエコノミーで働くということ」に、今回は焦点を当てて深掘りしていきたいと思います。

副業が盛んな国

日本では最近になってようやく副業に焦点があてられはじめましたが、諸外国ではすでに副業は盛んに行われています。

2019年のフリーランス市場の国別比較の成長率トップはアメリカで、イギリス、ブラジル、パキスタン、ウクライナと続きます(ギグエコノミーの収益成長を前年と比較)。[1]

そこで、以下では、最も市場規模が大きいアメリカと日本を比較し、ギグエコノミー、副業の差について見ていきます。

副業大国、アメリカの実態

それでは、副業大国アメリカにおける副業の実態について説明します。

どれだけの人が副業を行い、どれぐらいの金額を稼いでいるのでしょうか?

半数のアメリカ国民が副業を

米国大手消費者金融「BankRate」のシニアバンキングレポーター、アマンダディクソン氏によるレポートによると、「アメリカ国民のうち、ほぼ50%が副業を行なっている」と報告されています。[2]

そのレポートはさらに、アメリカで副業をする人は、平均週12時間働き、月平均1,122ドル(約11万8,000円)の収入を得ています。

平均値は11万8,000円ですが、73%の人は月500ドル未満(約5万2,500円)の収入に留まっているとも報告しています。

出典:Bankrate「 Side Hustles Survey 1 – Infogram」を和訳・円表記で作成

副業から得た収入は「可処分所得」を手に入れることや、「定期的な支払い・生活費」を稼ぐ為との回答が上位を占めています。

つまり、余裕ある生活や、楽しみの為の副業ではないことが分かります。

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出典:Bankrate「 Side Hustles Survey 2 – Infogram」を和訳で作成

アメリカ国民の副業は多種多様

では、このようにギグワークを副業として取り組んでいる人は、具体的にどのような仕事をしているのでしょうか?

ビジネスニュースサイト「ビジネスインサイダー」にはギグワーカー13名のインタビュー記事が掲載されています。[3]

このインタビューでは、犬の散歩で年収23万円を稼ぐ人もいれば、ファッションビジネスの副業で年収2億2,600万円!を稼ぐ女性(彼女の本業は証券トレーダー。本業も年収が高い職業です。)も登場します。

労働時間は職種によって様々で、犬の散歩は1日1時間程度、UIテスタ-(アプリが正しく稼働するかを確認する仕事)はテスト確認のため、比較的長い労働時間と根気強さが必要です。

ただし、副業に従事するどの人も自分のライフスタイルの中で無理なく実現できる範囲で副業に取り組んでいるのが実情です。

日本の副業の実態

それでは、日本でのギグエコノミーの実態を調べてみましょう。

日本経済新聞社によれば、日本には1,000万人のギガワーカーがいます。

日本の労働人口は概ね5,500万人ですので、約18%の人がギグエコノミーの働き方を活用していることになります。

つまり日本においても、働いている人の5人に1人程度が、既にギグエコノミーを始めているのです。

職種も配達・インストラクターなどのサービス系、デザインやライターなどクリエイティブ系、IT系、ビジネス系と幅広い業種にわたっています。

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出典:「ギグワーカーの実態は 国内に1000万人、副業で注目」(出世ナビ|NIKKEI STYLE、2020/6/22公開)

ちなみに私も副業ワーカーで、会社員をしつつ、ライターとして副業を行っています。

副業はギグワークから始めました。

インターネットのサイトで単発の記事作成の募集に対して応募し、依頼者側から指名を受け、執筆作業を開始するやり方です。

私は概ね週に10時間程度働いて、月3万円程度の収入を得ています。

時給にするとわずか750円程度にしかなりません。

空いた時間に作業が出来ることが大きな魅力である一方、時間がかかるわりに収入が大きくないところが悩ましい点です。

確かに、スキマ時間にアルバイトをした方が収入は上がるでしょう。

ただ、時間の切り売りではなく、文章力アップなど自分のスキルアップにつなげたいと期待し、私はライターを副業にしています。

比較と考察

近年世界各国で裾野を広げている副業を牽引しているのは、やはりギグエコノミーの影響が大きいと推察しています。

その理由は、ギグエコノミーによって、携帯電話一つで仕事を単発で受注できるようになったからです。

とはいえ、アメリカと日本の普及率には、まだ30%以上の差があります。

これには何か理由があるのでしょうか?

また、今後この差が解消される可能性はあるのでしょうか?

日米間における副業普及率に差がある理由

副業普及率の差を生み出す要因は、次の2つの点によるものと考えられます。

1点目は、日米では、副業に対する捉え方に違いがあることです。

英語には「サイドハッスル」という単語があります。

一般的な副業は「サイドビジネス」と呼ぶのに対し、本業以上に没頭できる副業を「サイドハッスル」と呼びます。

つまり、米国では可処分所得を増やす為の副業が多い一方、熱中できるサイドハッスルもしっかりと存在しているのです。

副業に対し、積極的な意義を見出し、肯定的な捉え方が普及しているところが日本との副業普及率の違いを生みだすのでしょう。

2点目は外的環境の影響です。

日本の多くの企業は未だ副業禁止であるのに対し、アメリカでは就業時間以外の行動を就業規則で拘束することが法律上できないそうです。

このような個人の仕事に対する自由度の違いが、日本における副業の促進の障壁になっていると考えます。

日本でも副業は普及するのか?

ただ、「これがきっかけで、日本でもギグエコノミーが広がるのでは?」と期待しているトピックスが2つあります。

1つは、ここ最近、大企業を中心に副業を認める企業が増えていることです。

みずほフィナンシャルグループは、業務時間外に副業を認める人事制度に変更しました。[4]

また、アサヒビールは本年1月から勤務年数5年以上の社員3千人を対象に副業を解禁しました[5]

このような形で、副業の入り口として単発の仕事のギグワークは多くの人に受け入れられるのではないかと思います。

2つ目は、高齢者のギグエコノミーへの参入です。

2021年4月1日から改正高年齢者雇用安定法が施行されます。

ここには高年齢者就業確保措置として 「高年齢者が希望するときは、70歳まで継続的に業務委託契約を締結する制度の導入」を含む5つの方法が努力義務項目として掲げられています。

このような法制度の後押しを受けて、高いスキルと豊富な経験を持つ高齢者が、年金の補填を目的に、ギグワーカーになる可能性は十分にあると考えています。

最後に

今回は、日米の副業の実態をギグエコノミーの視点も交えて考察しました。

皆さんの中には、「フルタイムで働いた後にまで、追加で働きたくない」という方もいらっしゃるかもしれません。

もちろん無理に働く必要はありません。

ただ、少しでも余裕があるのなら、「得意なこと」「好きなこと」「気になっていること」を副業につなげてみてはいかがでしょうか

まず、インタ-ネットを使った各種サービス、アプリが登場したことにより、皆さんの持つ強みや好奇心が、簡単に副業につながります。

例えば「ココナラ」に代表されるスキルシェアアプリを使えば、英語や中国語が得意な方はそれを学びたい人に教えることができます。

接客が得意な方は「タイミー」のようなワークシェアアプリを使い、スキマ時間に飲食店などで単発のアルバイトができます。

また、手軽に強みが活かせること以外にも、ギグエコノミーのメリットはあります。

ギグエコノミーは単発の仕事なので、受注するたびに関係者が変わります。

新しい人との出会いにより、今の仕事とは違った刺激や繋がりを得ることができます。

前述のとおり、日本では働いている人の5人に1人程度が、既にギグエコノミーを始めています。

加えて、大企業の副業解禁と高齢者の副業参入により、ギグエコノミー全盛時代が到来する事も予想されます。

スタンダードになりつつある副業を、お手元の携帯電話で受注するギグワークから手軽に始めてみましょう!

<参考・参照サイト>
[1]TOP COUNTRIES IN THE GIG ECONOMY」(Gigonomy、2020/7/31公開)
[2]Survey: Nearly 1 in 3 side hustlers needs the income to stay afloat」(Bankrate.com、2019/6/5公開)
[3]副業大国のアメリカ。何をしていて、どれくらい収入を得ているか13人に聞いてみた」(ライフハッカー[日本版]、2019/1/4公開)
[4]人材の活躍促進」(みずほファイナンシャルグループ)
[5]アサヒビール、副業解禁 3千人規模」(日本経済新聞、2019/12/26公開)

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この記事を書いたのは

Cool Workers運営部
Cool Workers運営部ライター
フリーランスや副業などの“自由なはたらき方”、税金、働き方改革に関する情報を発信しています。Cool Workers運営部は、様々な働き方をしているメンバーで記事を作っています。