WebライターがWordPressを効率よく覚える方法を元Webクリエイターの私が徹底解説


WebライターがWordPressを効率よく覚える方法を元Webクリエイターの私が徹底解説

多くのWebメディアがWordPressでサイト構築している現在、WebライターにとってWordPressを使えることは大きなメリットです。

 

Webライターが原稿を納品する方法にはWordやメモ帳、そしてGoogleドキュメントなど、様々なものが用意されていますが、多くのWebサイトにとってのゴールはWordPressの投稿画面に原稿を入力して公開することなのです。

 

 

 

WordPressに原稿を納品することに対して「WordPress入稿」という業界用語が作られるほど、WebライターにとってWordPressが浸透してきました。

 

しかしWordPressのことなんて分からない、WordPress入稿ってどうやればいいのか分からない。そんな人もいらっしゃるでしょう。

 

 

 

今回は、WordPressによる企業サイトの制作を数十社手掛けてきた元Webクリエイターの私が、WordPressの基本的な概念や効率的に覚えるテクニックを紹介します。

 

WordPressの具体的な操作方法については、そのテクニックなどを解説している様々な書籍やWebサイトがありますので、それらにお任せすることとします。

 

 

WordPressって何?

 

これまでWordPressを触ったことがない人でも、WordPressという言葉は聞いたことはあるのではないでしょうか。

 

WordPressとはCMS(コンテンツマネジメントシステム)のことで、ざっくり説明すると、Webサイトを簡単に構築するためのシステムのことです。

 

W3Techsの調査[1]によると、2020年3月現在、世界中のWebサイトのうち、36.1%がWordPressによって構築されています。

 

 

 

全体の約36%がWordPressで作られているといっても、実際にWordPressでWebサイトを構築したことがある人は少ないでしょう。

 

WordPress本体はオープンソースのプロダクトなので無料で使えますが、実際にWordPressでWebサイトを作ろうと思ったらPHPやデータベースと連携できるWebサーバーが必要となり、これらは基本的に有料です。それなりに知識やスキルも必要です。

 

WordPressという言葉は知っているけど使ったことはない、という人がいるのは、このような事情があるからといえます。

 

 

 

 

WordPressの仕組みをざっくりと解説

 

WordPressの仕組みでまず押さえたい点は、WordPressは「本体」「テーマ」「プラグイン」の3つの要素から成り立っていることです。

 

 

 

「本体」とは、その名の通りWordPressの土台そのものです。

 

WordPressでWebサイトを構築する場合、必ず使う要素です。

 

 

 

「テーマ」とは、WordPressで構築されたWebサイトのデザインを決めるためのものです。

 

国産のテーマとしては、「JIN」「SANGO」「BizVektor」などが知られています。

 

 

 

「プラグイン」とは、Webサイトに「機能」を追加したい時に使用するものです。

 

WordPressの世界にはすでに定番と呼ばれるプラグインがいくつかあり、様々な機能を追加できます。例えば、SEOのためのプラグイン「All in One SEO Pack」やお問合せフォームを作れる「Contact Form 7」などが有名です。

 

 

 

WordPressサイトは3つの要素から成り立つと解説してきましたが、実情はもう少し複雑になっています。

 

複雑さを生み出している原因は、テーマに含まれている「functions.php」というファイルです。

 

 

 

 

「テーマ」と「プラグイン」の関係をややこしくする「functions.php」

 

ここで少しWordPressから離れて整理します。

 

WebサイトのデザインとWebサイトに必要な機能は、本来独立して存在しているべきです。

 

 

 

例えば、はてなブログやAmebaブログなどでブログを作ることを考えましょう。

 

このようなブログサービスでは、テンプレートやスキンなどで、ボタンをワンクリックするだけでデザインを変更できる仕組みが備わっています。

 

これはあくまでもデザイン(見た目)を変更する仕組みでしかありません。デザインを変更したら、変更前に使えていた機能が使えなくなってしまった、ということはないでしょう。

 

 

 

しかしWordPressの場合、テーマを切り替えると機能が使えるようになったり、逆になくなったりしてしまうことがあります。

 

この原因となるのがテーマに含まれている「functions.php」というファイルです。

 

 

 

「functions.php」は「テーマ」に対して「機能」を追加するために使われています。

 

つまり、本来「機能」は「プラグイン」によって提供されるべきものですが、「テーマ」によって提供される「機能」もあるということ。

 

このため、テーマAを使っていた時は機能Xが使えていたが、テーマBに切り替えたら機能Xが使えなくなってしまったということが起こるのです。

 

 

 

 

「機能」に関することは全て「プラグイン」を使うのが正解

 

WordPressを使っていると、Webサイトが持つ機能が、テーマとプラグインのどちらによって提供されているのか、ごちゃごちゃで分からなくなってしまうことがあります。

 

これはどうしたらよいのでしょうか。

 

 

 

結論から言うと、この問題は「機能に関することは、全てプラグインを導入する」というのが最善の解決策です。

 

「functions.php」に自分でPHPプログラムを記述することで、そのテーマに固有の機能を実装することもできますが、逆に言えば、その機能はテーマに依存したものとなってしまいます。

 

ですから、もし自分がWordPressに対して詳しくないと思っているのならば、下手に「functions.php」をカスタマイズして機能を追加するのではなく、積極的にプラグインを導入して機能を追加する方が良いでしょう。

 

「プラグインを入れすぎるとWebサイトが重くなる」という事実もありますが、WordPressの知識が少ない内は、テーマとプラグインのすみ分けを優先することをおすすめします。

 

 

 

「functions.php」ではなくプラグインを使うことは、Webサイトのメンテナンスをするという観点でもメリットがあります。

 

インターネット上には「functions.php」のカスタマイズの記事が散見されますが、WordPress本体のバージョンアップやPHP自身のバージョンアップなどによって、正常に動作しなくなることがあります。

 

このとき「functions.php」に自分で記述したPHPプログラムは、自分でメンテナンスしなくてはなりません。

 

しかし機能をプラグインで追加すれば、メンテナンスはプラグインの開発者が行ってくれます。当然、メンテナンスされているプラグインを使う必要がありますが、定番と呼ばれているプラグインを使えば、まず問題ありません。

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WordPress入稿とは結局HTML文書を作っているだけ

 

ここからはWebライター向けのWordPressのテクニックについて紹介します。

 

Webライターに必要なWordPressテクニックは、WordPressのインストールやプラグインの知識ではなく、WordPressの投稿画面に記事を挿入して、HTMLで装飾したり画像を挿入したりして、最後に「下書き」状態で保存することです。

 

 

 

ところがWordPressの投稿画面のレイアウトや機能は、メディアによって大きく異なることがあります。

 

見出しタグを設定する方法だけでも異なることがあるのです。

 

これはWordPressに導入されているテーマやプラグインがメディアによって違うからです。

 

 

 

投稿画面に表示されているボタンやレイアウトが異なる場合、知っている方法と同じやり方では操作できないことがあります。

 

しかしゴールは同じです。HTML文書としてWordPressに保存するということです。

 

そのため、HTMLをしっかり使いこなせれば、どのような投稿画面であっても特に苦労することなくWordPress入稿ができるようになります。

 

 

 

HTMLに詳しくないWebライターも数多くいるでしょう。その場合はどうしたら良いのでしょうか。

 

しっかりとしたクライアントのお仕事でしたら、WordPress入稿に関してマニュアルが用意されていることが多いです。マニュアルがあれば、まずはそれを熟読しましょう。

 

また、以下3つのHTMLの使い方は知っておきましょう。

 

・画像挿入(imgタグ)

・見出し追加(h2タグからh6タグ)

・ハイパーリンク設定(aタグ)

 

最低限この3つについてHTMLで記述できるレベルになっておけば、マニュアル通りにやってもうまくいかなかった時の解決が容易になります。

 

HTMLには他にもいくつかありますが、必要になった時に都度覚えていけば大丈夫です。

 

 

 

 

WordPressを実際に使って効率よく覚えよう

 

WordPress入稿に慣れるためにも、プライベートでWordPressを使ってブログを運営したいと思っているWebライターもいるでしょう。

 

自分のブログの記事ならば、過去のライティングの実績としてクライアントに提出することもできます。

 

 

 

WordPressでブログを運営するという話になると、必ず登場するのが「エックスサーバー」というレンタルサーバーです。

 

サーバー代金と機能のバランスが良いという理由で、WordPressでブログを運営するためのレンタルサーバーとして人気があります。

 

価格面ではロリポップなどエックスサーバーより安価なプランを提供しているレンタルサーバーもありますが、料金の安いプランではWordPressが動作しなかったり、電話によるサポートを受けられなかったりするので注意が必要です。老舗のレンタルサーバーのさくらインターネットも、最も安価なプランではWordPressが動作しません。

 

エックスサーバーは、全てのプランでWordPressが動作するだけでなく、電話とメールによるサポートにも追加料金なしで対応しています。

 

私も6年前にエックスサーバーを契約して、現在でもプライベートのブログを運営しています。

 

 

 

WordPressを覚えるといっても、インストール方法やサーバーの設定ファイル(.htaccess)などについて覚えるのは、Webライターにとっては無駄かもしれません。

 

エックスサーバーを含めて、多くのレンタルサーバーでは「WordPressの簡単インストール機能」が備わっています。レンタルサーバーを検討する際は、まずこの機能があるサーバーか確認しましょう。

 

 

 

WordPressがインストールできたら、好きなテーマを導入してブログの運営から始めましょう。自分だけのWordPressだから様々なカスタマイズにチャレンジできます。

 

「こういう設定にしたら、こうなった」

「こんなHTMLを書いて見たら、思うような表示になった」

 

このようにいろいろ実験してトライアンドエラーを繰り返していけば、WordPressやHTMLのスキルを体で覚えることができます。

 

WordPressを始めたばかりの人の中には、ネット上にあるプラグインやテーマの情報の収集だけで終わっている人がとても多いです。しかし、それではなかなか先へ進めません。

 

気になるプラグインやテーマがあったら、実際に導入して、どのような結果になるか確認しましょう。面倒でも1つ1つ試してみることが重要です。

 

これが結果的に効率よくWordPressを覚えることにつながります。

 

 

 

 

最後に

 

私が人生で初めてWordPressに触ったのは、2012年のことでした。

 

当時はWebクリエイターの仕事をしていたので業務の一環として、WordPressでWebサイトを制作しようと提案したことがきっかけです。

 

 

 

そして2019年になりWordPressはCMSとしては大成功と言っていいほど普及しました。

 

これから想像もできないほどのトラブルが起きない限り、WordPressは今後もしばらく使われ続けるでしょう。

 

ですから、WebライターにとってWordPressを操作できることは、大きなメリットと言えます。

 

 

 

今回の記事では、具体的な操作方法についての解説はできませんでしたが、インターネット上にはWordPressに関する様々な情報があふれています。

 

独学で覚えるための環境も2012年とは比べ物にならないくらい、整っています。

 

「WordPressを触るのはちょっと怖い」と思っている方もいるかもしれませんが、まずは面白がって試してみれば、案外簡単に仲良くなれるかもしれません。

 

 

 

<参考・参照サイト>

[1]Historical trends in the usage statistics of content management systems, March 2020」(W3Techs)

 

 


この記事を書いたのは

村上 英輝
村上 英輝ライター
フリーライター&Webクリエイター。奈良県在住。2018年4月より個人事業「コレカラウェブ」を開業。20年間のWebクリエイター経験を活かし、WordPressやSEOに強いライターとして活動中。難しいことを分かりやすく伝えるをモットーに執筆しています。趣味は読書・散歩・マラソン・写真。