Webライターという仕事は、誰もが気軽に始められる副業として人気があります。
しかし、多くの人がチャレンジする仕事だからこそ、単価が安く、差別化が難しいのも事実。
ライターを本業にし、無理なく稼ぐためには、専門知識を身につけるなどして「自分にしか書けない仕事」を獲得していく必要があると私は考えています。
私は2018年春にそれまで勤めていた会社を退職し、副業だったライターを本業にしました。
開業して2年目になる私が、いま目指しているのは、フード業界での専門ライターです。
今回その第一歩として「フードアナリスト」の資格を取得したので、その具体的な方法についてご紹介します。
フードアナリストの資格を目指したきっかけ
私が副業としてライターを始めたころは、まだ自分がどんなジャンルの記事を執筆できるのかよくわかっておらず、とりあえず自分が経験してきたネタを掘り起こし、書けるものを書くというスタイルでした。
たとえば育児系の記事もその一例。
ちょうど2人の子供を育てながら働いていたので、出産や育児、家事など身近なテーマについての記事をたくさん書きました。
しかし、記事を書く時間が長くなるにつれ、自分の中にあるネタのストックが減り、積極的にネタを探したり、学んだりする必要が出てきました。
そんなときに出会ったのが、イチゴスイーツの取材と食レポの仕事。
もともと食べることが大好きな私にとって、「仕事で美味しいスイーツを食べられる」とワクワクしながら挑んだ仕事でした。
ですが、実際取材を進めていくと、スイーツを作るパティシエの方の熱意やイチゴの生産者の想いなどに触れる機会が増え、スイーツにはそれぞれ唯一無二のストーリーがあり、「美味しい」だけでは表現できない深い味わいがあると気づきました。
「食の世界は奥深い。そして、食に携わる人々の熱い想いを、もっと伝わるように表現したい。そのためには、私自身が食に関してもっと知識を深め、そういった想いをくみ取る受け皿が必要だ。」
そんな気持ちが私の中に芽生えていきました。
食の専門家というと、調理師や管理栄養士などの資格が思い浮かびます。
しかし、それらは食を提供する側の資格です。
私は「ライター」として食をもっと客観的に捉えたかったので、「フードライター 資格」のようなキーワードでインターネット検索をしました。
そこでヒットしたのが今回ご紹介する「フードアナリスト」でした。
フードアナリストとは?
フードアナリストは、一般社団法人日本フードアナリスト協会が認定する民間資格です。
一般社団法人日本フードアナリスト協会の公式サイトによると、フードアナリストについて以下のような説明があります。
食・食文化に関わる知識を体系的に学び、単に味覚だけでなく、食育、栄養学、レストランの内装・サービスや料理の歴史・食に関する法律・マーケティングまで、総合的に段階的に学び、レストランそのものから食品・食材を分析・評価する知識と教養を身につけた、食・食空間を分析・評価する専門家です。
出典:「フードアナリストとは?」(一般社団法人日本フードアナリスト協会)
私がフードアナリストの資格に魅力を感じたのは、味覚に留まらず、食に関して多面的に学べるという点です。
一般的に食レポというと、食べ物の「美味しさ」を、いかにうまく表現できるかに偏りがちです。
美味しいものを「美味しい」と表現することに異議はありません。
しかし、食の情報は味覚だけではありません。
味覚だけにこだわることによって、誇大表現やユニークすぎる表現に陥ってしまうリスクもあると私は感じていました。
そこで、フードアナリストの勉強を通して、食を多面的に表現できるようになれたら良いなと思い、資格試験に挑戦することにしました。
フードアナリストになるには?
フードアナリストになるためには、一般社団法人日本フードアナリスト協会が実施する4級検定試験(7,560円)に合格するか、4級養成講座(41,040円)や4級通信講座(52,920円)を修了する必要があります。
試験は満18歳以上であれば、誰でも受験できます。
試験に合格し、その後入会手続きを完了すれば「フードアナリスト」を名乗ることができます。
入会するためには、入会金(16,200円)および年会費(10,800円)がそれぞれ必要になります。
※それぞれの料金は2019年8月31日時点での税込金額です。
フードアナリストには1級から4級まで、難易度の異なるランクがあります。
4級に合格し入会手続きを行えば、フードアナリストの称号を使うことが可能です。
より高度な知識を身につけたい場合は、その後さらに3級、2級、1級と上位ランクの資格にチャレンジすることができます。(飛び級は不可)
今回私は、本屋で4級検定教本と問題集を購入し、約1か月間独学で勉強して、検定試験に挑みました。
4級の試験は全部で50問あり、合格基準は正答率が70%とされています。
つまり35問以上に正解すれば、合格。
仕事や育児をしながらの試験対策だったので、1か月間みっちり勉強だけに集中するというわけにはいきませんでしたが、仕事の合間や夕食後などのスキマ時間に勉強しました。
ライター×フードアナリストのメリット
資格取得のために、それなりの費用も時間も必要なフードアナリストですが、それに見合うだけのメリットがあると私は感じています。
専門的な知識が身につく
フードアナリストの試験対策として勉強したことが活かされて、それまで知らなかったさまざまな知識が身につきました。
もともと食べることが大好きで、食や食文化については関心を持っていた私。
フードアナリストの勉強で、テーブルマナーや格付けの考え方、各国の伝統料理など、知っているようで知らないことが実は多々あったのだということに気づかされました。
それまでは外食していても自分の主観を元に「好きか嫌いか」という判断をしていましたが、フードアナリストの知識を通して店のあらゆる点に目を向け、より公平な評価をできるようになったと感じています。
また、格付けの意味を理解し、テーブルコーディネートなどの隠れた演出に気づくことができるので、食を取り巻く空間をより一層堪能できるようになった実感があります。
もちろんライターとして飲食店を訪れる際も、知識量が増えた分、インタビューの引き出しも増えました。
旬な情報を受け取り、学び続ける
ライターのようにトレンドを追う職業をしていると、やはり常に旬な情報を得て、自分自身をアップデートしていくことが必要です。
その点、フードアナリストの会員特典の一つであるメールマガジンでは、旬な情報を受信したり、各種講座に格安料金で参加できたりという特典があります。
仕事の幅が広がる
プロフィールにフードアナリストの称号を追加することによって、「食べ歩きが趣味」というよりも説得力が増します。
ライターとしてフード系の記事を書く際も、フードアナリストとして執筆でき、社会的な信用も高まります。
私は、あるメディアでトレンドショップの商品レビューなどの記事を担当しています。
トレンドショップで気になる食材を購入し、「食べてみた」「使ってみた」という切り口で体験談を書くという仕事です。
先日、フードアナリストの試験に合格したことをそのメディアの編集者に報告したところ、想像以上に喜んでくれ、早速プロフィールを書き換えることになりました。
また、それまでは自分から企画を提案するスタイルだったのですが、フードアナリストの資格について報告した後、すぐに新商品の食レポの企画を打診されました。
フードアナリストという資格をしっかりと評価してもらっていると実感しました。
最後に
今回は、私がライターとしてのキャリアでステップアップするために、フードアナリストの資格を取得したお話をご紹介しました。
私の場合、もともと興味があった「食」という分野で記事を執筆する機会に恵まれ、その結果専門知識を学ぶ必要性を実感し、フードアナリストの資格試験にたどり着きました。
資格試験は一つのきっかけになりましたが、これからもライターとして成長するためには「学び続ける」という姿勢が大切だと感じています。
フードアナリストの資格に満足せず、これからも講座などを通して学習する機会を続け、より専門的なライターを目指したいと考えています。
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