仕事や働き方に悩む友人に「転職する前の自分」を見て改めて感じたこと


仕事や働き方に悩む友人に「転職する前の自分」を見て改めて感じたこと

総務省統計局の労働力調査によれば、転職する人は1年間で329万人にも上ります。[1]

 

2019年1月現在の就業者数が6628万人ですから、毎年働く人の約5%が転職することになりますね。

 

また、dodaの調査によれば、25歳から39歳で転職や転職の検討をしたことがないのは3割弱に過ぎないという結果も出ています。[2]

 

 

 

これらを多いと思うか少ないと思うかについては人それぞれでしょうが、わたしはとても大きな数字だと感じます。

 

 

転職活動は、情報収集、自分と向き合うこと、家族と話し合うこと、人生設計をし直すこと、同僚に相談すること、上司に報告すること、企業とのやりとりなど、多岐にわたる活動が必要になり、とても多くの労力と時間をかける必要があります。

 

ただでさえ忙しい社会人が、さらに時間と労力をかけてすることですから、相当に強い意志がないと転職活動をするには至らないのです。

 

働く人の5%もの人が転職するというのは、それ自体大きなことですし、活動に至らなかった人にも相当な割合で仕事や働き方に悩む人がいるのではないでしょうか。

 

 

 

このように多くの人、いえ、むしろほとんどの人が悩む仕事や働き方。

 

その悩みは下手をすると、頭の中でぐるぐるといろいろな考えが巡っているだけになり、少しも解決に向かわないということがあるので、注意した方がいいかもしれません。

 

 

 

悩みに対してしっかりと答えを出すこと、そして、それを行動に移すこと。

 

これがすべてなのです。

 

 

仕事や働き方の悩みを解決できないわたしの友人

 

わたしは、前職は国家公務員で某省に勤めていました。

 

退職してから1年以上が経ちますが、今も連絡を取り合う仲のいい同期や先輩がいます。

 

 

 

先日、その同期のうち2人から誘われて、小さな飲み会をすることになりました。

 

彼らはともに、それぞれの職種でトップレベルに優秀な人材で、最近まで米国に1年ほど留学していました。

 

わたしが在職していた当時からとても仲が良く、仕事やそのための勉強を一緒にしたり、お互いに誘い合って飲み会をしたりもしていました。

 

 

 

先日の飲み会での話題は、ひたすら仕事や働き方についてのことでした。

 

2人とも久しぶりに会って同じ時間、空間を共にできることにはとても楽しそうにしてましたが、終始「浮かない顔」だったこと、そして話題が仕事や働き方の悩みに関することばかりだったのが印象的でした。

 

「優秀な人ほど仕事に悩んだり、転職したりする」という話を聞いたことがありますが、これは本当なのかもしれませんね。

 

 

 

2人は共通して「仕事にやりがいがない」と話していました。

 

省内の成績はトップクラスで、米国留学までしている2人がそう言うのですから、その悩みにはなかなか根深いものがあるのでしょう。

 

 

 

中でも一番驚いたのは、1人がすでに転職活動をしているということでした。

 

彼のスタンスは、「中途採用枠に引っ掛かって、転職できればうれしい。できなければ、今の仕事を何となく続けるかもしれない。」というもの。

 

彼の煮え切らない態度に、わたしはモヤモヤする感覚を持ったものでしたが、口にはできませんでした。

 

 

 

数時間にわたってお酒を飲みながら、仕事や働き方について話しましたが、結局2人の求めている「仕事のやりがい」というものが何なのかがよくわからずにお開きになりました。

 

改めて記憶をたどってみても、2人は「仕事のやりがい」が何なのかについては言っていなかったし、見つめようという態度がなかったように思うのです。

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「転職する前の自分」と彼らの共通点と相違点

 

わたしは、仕事や働き方に悩む彼らに「転職する前の自分」を見ました。

 

飲み会自体はとても楽しかったですし、久しぶりの再会に懐かしい気持ちでいっぱいでしたが、「転職する前の自分」を感じてザワザワという胸騒ぎがしていたように思います。

 

 

 

わたしは約10年間、彼らと同じように国家公務員として勤務していましたが、「仕事のやりがい」がわからず悩みは絶えませんでした。

 

就職当初は、まだ右も左もわからないから「とりあえず全力でやってみよう」。

 

2~3年後は、ようやく現場に慣れてきたけれど、まだまだわからないこともたくさんあるから「もう少しがんばってみよう」。

 

5年後は、名古屋から東京に異動になり、「新しい上司にも期待されているし、心機一転がんばってみよう」。

 

そう、持っている悩みにふたをして、見て見ぬふりをしていたのです。

 

 

 

10年経つと、職場では中堅幹部と呼ばれるようになり、年齢は30歳を迎え、妻と子供2人にもパパと呼ばれるようになっていました。

 

そこで改めて、自分自身がどう生きたいかを考えるようになったのです。

 

彼らと「転職する前の自分」が重なって見えたのは、彼らが「仕事のやりがい」についての悩みにふたをして、見て見ぬふりをしているように感じたからでしょう。

 

彼らと今の自分の違いは、悩んだ末にはっきりとした答えを出したかどうか、そしてその答えを行動に移したかというところにあったのです。

 

 

 

 

働き方への悩みを解決するには、答えを出すことと行動がすべて

 

わたしは1年前、「仕事のやりがい」の悩みに真正面から向き合いました。

 

●「仕事のやりがい」とは何か

●何のために働くのか

●幸せとは何か、どうすれば幸せになれるのか

●人生どうあれば幸せなのか

●自分の好きなことは何なのか

 

出勤してからも、どこか上の空で仕事に向かわざるを得ないような日々が続き、気分はふさぎがちで憂鬱な日々でした。

 

 

 

しかし、半年後に異動の予定を控えていたわたしは「転職するならそれより前」と決めており、「仕事のやりがい」とは何かを出す期限を自ら定めていたので真剣に向き合うことができたのでしょう。

 

そこで、わたしは

 

「幸せな人生とは、後悔なく、不満も含めて現状を肯定できる状態のこと。

仕事のやりがいとは、人がよりよい暮らしをする上で、役に立っていることを実感できること。

そして自分は、仕事を通して周りの人を幸せにでき、家族を幸せにでき、最後には自分も幸せになりたい。」

 

と「仕事のやりがい」に対する答えを出すことができたのです。

 

 

 

「仕事のやりがい」を感じられなかった国家公務員を続けた先に、幸せな人生はあり得ないと確信したわたしは、転職という道を選びました。

 

転職を言い出したときには周りに心配されたものでしたが、今は「仕事のやりがい」を感じられる毎日に、充実感でいっぱいです。

 

 

 

冒頭に紹介したように、毎年社会人の5%が転職します。

 

仕事や働き方に悩みを抱える人はもっと多いでしょう。

 

ただ、そういった悩みを解決するのはあなた自身しかいません。

 

あなた自身が悩みと向き合い、答えを出し、行動していくしかないのです。

 

 

 

もちろん、転職が正解というわけではありません。

 

転職せずに現状を維持しながら、仕事よりも家庭や趣味を大切にするような働き方もあるでしょう。

 

それも立派な答えですし、そうしているなら立派な行動です。

 

 

 

ただし間違いないのは、悩みとしっかり向き合ったかどうか、自分の頭で考えて答えを出したかどうか、そしてその末の行動があったかどうかが極めて大切だということです。

 

もしあなたが今、仕事や働き方に悩んでいるなら、しなければいけないことはもうおわかりになったはずです。

 

悩みに向き合うこと、答えを出すこと、行動すること。

 

このような過程を経たものであれば、どのような結果になろうとそこには納得しかないのですから。

 

 

<参考・参照サイト>

[1]労働力調査(詳細集計)平成30年(2018年)平均(速報)結果の概要」(総務省統計局)

[2]2人に12人に1人が転職経験あり ~転職活動の実態調査」(doda(デューダ)、2011年5月30日更新)

 

 


この記事を書いたのは

めんおう
めんおうライター
専業ライター。大学卒業後、防衛省にて10年勤め、民間企業を経てフリーランスへ転向。ネット、転職、英語、取材などを中心に書いています。クライアント様の伝えたいことを、万策をもってお伝えします。スマートニュース掲載、上位表示記事多数、寄稿(わたしのネット様、ゼロプラス様、スタープラチナ様など)。
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