会社から言われた「副業禁止の理由」を弁護士に聞いてみた


会社から言われた「副業禁止の理由」を弁護士に聞いてみた

現在私は、バリバリのWebライター兼コンサルタントとして活動しています。

 

しかし、実はこれ、副業です。

 

しかも、私が日中勤めている会社は、副業禁止です。

 

 

 

入社時に伝えられていましたが、現在は副業というかたちで本業の合間を縫って仕事をしています。

 

というのも、副業禁止の理由が「えっ?」となるものだったからです。

 

今回は会社から伝えられた「副業禁止の理由」と、それに対する弁護士の見解をご紹介します。

 

 

私が会社から告げられた、副業禁止の3つの理由

 

私が現在の会社に入社するとき、就業規則を渡されました。

 

1つ1つ読み合わせをしていった中で「副業」についての項目がありました。

 

 

その中で伝えられたのが「副業禁止」である旨でした。

 

私はこの会社に入社するまで、副業禁止の会社で働いたことがなかったので、「副業はやって当たり前」という考えしかありませんでした。

 

そこで、「どうして副業禁止なのか?」を聞いたところ、会社から告げられたのは以下の3つの理由でした。

 

 

 

 

①持てるパワーを100%会社に捧げて欲しいから

 

私が持っているスキルや能力を、会社に100%還元してほしいと言われました。

 

「もちろん、会社にいる時間は100%の力を発揮しますが、勤務時間以外もですか?」と聞いたところ、「専門分野への知識を深める時間に使って欲しい」とのことでした。

 

 

 

 

②副業する時間があるなら本業をしてほしい

 

定時で帰って副業をするなら、残業して本業をしろというニュアンスです。

 

これにはビックリでしたが、残業代が100%支給なので、残業代で稼げば良いということでした。

 

 

 

 

③親会社が副業禁止だから

 

現在私が働いている会社の親会社は、ものすごく古い業界に属しています。

 

その業界全体に「副業禁止」という伝統があり、その流れを踏襲して、子会社(親会社とは全く別業態)も副業を禁止するということでした。

 

以上が、私が会社から伝えられた、副業禁止の3つの理由です。

 

 

 

 

会社から言われた禁止理由を弁護士に聞いてみた

 

私は、現在の会社に入る前から副業を行っていたので、入社前から複数のクライアントさんを抱えていました。

 

「本業が副業禁止だから、契約を終わりにします」ではさすがに勝手すぎるので、副業は続けたい。

 

しかし、副業禁止と言われた以上、何かしら手を打つ必要があると感じたので、ひとまず法律の専門家である弁護士に、会社の副業禁止の主張について相談してみました。

 

 

 

 

①「持てるパワーを~」についての見解

 

「副業を勤務時間中に行わなければ問題ない」という弁護士の見解でした。

 

もちろん、勤務時間中に副業をすることはNG。

 

しかし、退勤後や休日の行動を縛るためには、その為の手当てをつけたり、費用を会社が負担したりしないと難しいということです。

 

 

 

 

②「副業する時間があるなら~」についての見解

 

「個人の考え方なので……。私はあまり推奨しません……。」と弁護士に言われました。

 

「副業でお金を稼がずに、残業代でお金を稼げ」というのは、いわゆる「ブラック企業」のイメージですよね。

 

実際は、ほぼ毎日定時退社なので、決してブラック企業ではありません。

 

しかし、発言自体は危険な感じがしました。

 

 

 

 

③「親会社が~」についての見解

 

「副業の種類によると思います。」というのが、弁護士の見解です。

詳しくは、次の項で説明します。

 

弁護士に相談したところ、①と②に関しては、副業を禁止する理由にはあたらないと思うとのこと。

 

 

 

しかし、問題は③の部分。

 

この理由については、副業の種類にもよるということで、詳しく説明してもらいました。

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副業禁止が正当化されるケース

 

私のケースは、副業をすることが認められる可能性が高いということでした。

 

しかし、当然ですが副業禁止が合法的に正当化されるケースもあります。

 

弁護士から伝えられたケースは次の6つです。

 

 

 

 

①副業のせいで本業が疎かになった場合

 

副業で深夜まで働いたことが原因で、本業の遅刻や欠勤が増えた場合、懲戒解雇の可能性があるので気をつけましょう。

 

少し前のケースでは、深夜のコンビニや居酒屋、ガソリンスタンドなどでダブルワークをして、本業に寝坊してしまったりする人が一定数おり、実際に裁判まで発展したケースもあります。

 

私も、会社退社後に副業を行うこともありますが、できるだけ早く寝るようにしています。

 

 

 

ポイントは、「すごく早起き」すること。

 

いつも起きる時間より1時間早くとかではなく、3時間、4時間早く起きるようにしています。

 

 

 

脳は、寝て起きたときが一番フレッシュな状態と言われています。

 

私も実践していますが、夜中にやるより早起きした方が、仕事がはかどる実感があります。

 

 

また、遅刻どころか、本業の出社も早まるので、一石二鳥でおすすめです。

 

ただし、日中に眠たくなってしまうので、お昼休みに15分くらい仮眠をとると良いでしょう。

 

 

 

 

②会社の利益を損なっている場合

 

本業と同業他社にあたる会社で働いたり、起業して、本業に入るはずの利益を奪っていると認められた場合、懲戒解雇に充当します。

 

たとえば、私の本業は広告代理店ですが、副業ではライター兼コンサルタントとして活動しているので、これはセーフです。

 

 

 

しかし、これが副業でも広告代理店として働き、本業で受けられる仕事を副業で受けてしまうのはNGです。

 

私の場合、副業のクライアントを本業に回しているため、実際は会社の利益に貢献しているので、副業解禁にして欲しいところですが……。

 

 

 

 

③本業の情報が漏れる可能性がある場合

 

②と少し重複しますが、機密性の高い会社で働いている場合、副業をすることで本業の機密情報が漏れてしまう、もしくは漏れる可能性が高いと判断された場合は、懲戒解雇の可能性があるので気をつけましょう。

 

 

 

 

④本業の会社名や名刺で副業を行う場合

 

副業でありながら、本業の会社名や名刺を使って営業することも、会社の名誉を傷つけることにつながるので気をつけましょう。

 

たとえ副業名義の名刺を持っていたとしても、お客さんは本業、副業にかかわらず、「あなただから」契約すると考えていきましょう。

 

 

 

私の経験ですが、お客さんのためと思って善意で「こんなサービスがあるので導入したらいいですよ」と、本業から外れた提案をし、お客さんもそれを気に入ってくれたので色々お手伝いをしてあげました。

 

すると、その件について会社に電話が入ってしまい、上司から副業を疑われたことがあります。

 

副業をするときに、本業のお客さんに対して何かを売りたいと考える人は多いですが、顧客のバッティングはリスクが大きいのでやめた方がいいでしょう。

 

 

 

 

⑤会社の品位を落とす可能性がある場合

 

極端な例を挙げるとすると、夜のお店で働いている女性のプロフィールが「昼間は●●社で受付嬢をしています」と書いていた場合などがこれにあたります。

 

これは、会社の品位を落とす行為と見なされてしまうのでやめましょう。

 

情報がどこからどう伝わるかわからないので、副業をするときは基本的に、本業の会社の名前を語らないことをおすすめします。

 

 

 

 

⑥公務員の場合

 

当然ですが、公務員の副業は法律で禁止されています。

 

ただし、家業のお手伝いや不動産賃貸、株やFXなどの投資については認められています。

 

それ以外は、基本的には禁止されているので気をつけましょう。

 

 

 

 

 

副業はルールを守って楽しくやろう

 

基本的には、副業はルールを守って行うことが一番です。

 

副業OKの会社で、副業を頑張るというのがベストだと思います。

 

 

 

しかし私のように、さまざまな理由で副業が禁止されている企業がまだまだ多いことも事実です。

 

実際に法律で禁止されるケースは、モラルに反しているものがほとんどです。

 

無理のない範囲で、自分が楽しいと思える副業をし、それがスキルアップに繋がるというメリットもあります。

 

ルールを守って、楽しく副業をして、いっぱい稼ぎましょう。

 

 


この記事を書いたのは

Cool Workers運営部
Cool Workers運営部ライター
フリーランスや副業などの“自由なはたらき方”、税金、働き方改革に関する情報を発信しています。Cool Workers運営部は、様々な働き方をしているメンバーで記事を作っています。