フリーランスが仕事の幅を広げるなら、自分を棚卸しすることからはじめよう


フリーランスが仕事の幅を広げるなら、自分を棚卸しすることからはじめよう

フリーランスが仕事の幅を広げていくにしても、「クライアントから選ばれるような強みが必要」と考える人は多いのではないでしょうか?

 

しかし、スキルや経験、経歴を見ても、突き抜けているものがないと感じるフリーランスの場合、どうすればいいのでしょう。

 

 

 

2017年、私は全くの未経験で、コネなし・スキルなしでライター業をはじめました。

 

それまでは派遣社員として約15年、その後は医療事務として7年働いていましたが、飛びぬけた経験や、胸を張れるような資格を持っているわけではありませんでした。

 

それでも、私の経験とスキルに価値を見出していただいた方たちからお声がけをいただけるようになっています。

 

今回は、フリーランスが強みを見出すための「自分の棚卸し方法」と、持っている経験やスキルを活用するための転用方法について、実体験を交えて紹介します。

 

 

強みのヒントは子ども時代にある

 

自身の強みを探す棚卸しでよくあるのは、社会人になってからの経験や身につけたスキルに目を向ける方法です。

 

しかし、私がおすすめする棚卸し方法は、もっとずっと過去にまで遡ります。

 

なぜなら、幼少期から今に至るまでの中に自分の強みに繋がるような素質や、そのヒントが隠されているからです。

 

 

 

下の画像は、ビジネスSNS「Wantedly」に登録している私の強み・特徴を切り取ったものです。

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出典:「浜田 みか プロフィール」(Wantedly、2020年5月20日スクリーンショット)

 

 

一見、ずいぶんとたくさんあるように見えますが、分類してみると

 

・文章力

・人間心理の分析

・整理力

・企画・提案力

・リサーチ力

・マネージメント

・クリエイティブ

・OAスキル

・愛嬌、ポジティブ

 

に分けられます。

 

いずれも表彰されるような大きな成果があるかと問われれば、そういったものが特にあるわけではありません。

 

人生経験の中で、偶然にもこれらのスキルや能力を身につけるキッカケがあり、強化される機会が多かっただけです。

 

 

 

まず、「人間心理の分析」について。

 

私は、幼い頃から大人に囲まれて育ってきたこともあり、物心ついた時にはもう、無意識のうちに大人の顔色を見る子どもになっていました。

 

そんな自分の心の内を変えたのが、小学生のときに購入した子ども向けの心理学テクニックの本だったのです。といっても、小難しいことが書かれているわけではなく、いわゆる恋愛テクニックに近い本でした。

 

その本との出会いをきっかけにして心理学に興味を持つようになった私は、それまで自己防衛のために大人に向けていた観察眼を、周囲のあらゆる人に向けるようになりました。本に書かれている内容を確かめたいという好奇心です。

 

周囲の人々の観察を続けているうちに、観察力に加えて洞察力が鍛えられ、いつしか他人の言動や醸し出される空気などから心理を読み取るクセがつきました。

 

そんな自分のクセを有効的に活用できた最初の成功体験は、高校時代のアルバイトでした。

 

アルバイト先は飲食店で接客業でしたので、常にお客様の様子と、厨房や店内の状況を見ながら業務を行います。観察力があると些細なことにもよく気がつきますから、後手にならず、先手を取って動くことができました。

 

おかげで昇給・昇格するのも早く、新人の教育係を任されることもしょっちゅうでした。

 

新人教育の担当などをしていると、新人に対する理不尽なクレームや、スタッフ同士の些細なトラブルが発生した際、間に入って対応することも少なくありません。

 

そこで、相手が何を言わんとしているのかを読み取ることが、早期解決のカギになりました。

 

幼少期から身につけていた観察力と洞察力で相手の言いたいことを聞き出し、解決に至ることもよくあったのです。

 

 

 

次に、物事を整理する力や提案力、企画力について。

 

これらに関しては、小・中・高校とクラス委員や生徒会でまとめ役になることが多く、問題解決能力を鍛えられてきました。

 

社会人になってからは、営業補佐兼社内コンサルタントを経験しました。プレゼン方針などを決める部署に配属され、営業担当者と自社商品の営業の方向性を検討したことで、先述の能力がさらに高まりました。

 

 

 

一つ一つの事柄は、事象だけを捉えればただの出来事や体験で済んでしまうものばかりです。

 

しかし、その出来事や体験した事柄に対して、自分がどのように対峙してきたのかを見つめれば、自分がどんな経験をして、どんなスキルを蓄えてきたのかが見えてきます

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他人と比較せずに、自分の中に“存在するもの”を見つける

 

強みを見つける際、私たちは、つい”誰よりも抜きんでた何か”を探そうとしがちです。

 

けれど、その”抜きんでた何か”について、具体的に考えたことはあるでしょうか?

 

学歴なのか、職歴なのか。

 

あるいは、稀有な経験なのか。

 

 

 

こうして考えてみると、意外と漠然と考えていることに気づきます。

 

学生時代に標準的な学生生活を送っていた場合、他とは抜きんでた何かを自分の中に探しても、見つけられるものは、おそらく形のないものや名前のないものになるでしょう。

 

それを「何もない」と捉えてしまうのは、早計です。

 

誰でも必ず自分の中には、自分だけの「これだけは」という何かが眠っているからです。

 

 

 

たとえば、子どもの頃。あなたは、何かに夢中になっていたものはありましたか?

 

親から叱られて渋々やめた何かがあるなら、きっとあなたには「これだけは」という何かが眠っているはずです。

 

今はそれに気づいていないだけです。

 

 

 

私は、ずいぶんと好奇心旺盛な子どもでしたので、常時さまざまなものに夢中になっていました。

 

物心ついた時には、空想することはもちろん、宇宙や空、恐竜が好きで、そんな本ばかり読んでいました。いつの間にか、自宅から空を見れば、8時間後の天気を予想できる特技までできてしまいました。(あくまでも自宅から限定ですが)

 

小学4年生の頃には、小説や漫画らしきものを書くようになっていて、親に内緒で布団の中に原稿用紙や画用紙を持ち込んでは、夜通し描き続けて朝を迎えたことも一度や二度ではありません。

 

ほかにも古代文明や動物、人体、警察の科学鑑定など、興味・関心を引かれたものを挙げればキリがないほどです。

 

一時期は、探偵ごっこや秘密基地づくりにも夢中になり、いかにして丈夫な基地を作るか、子どもなりに設計図を書いて組み立てたりもしていました。

 

幼少期からいろんなものに夢中になっては、自分なりにいろいろと調べ(当時はインターネットがなかったので、図書館に通い詰めでした)、メモを取り、それをノートにまとめていたものです。

 

これらの体験は、のちの私のさまざまな部分に影響を与えています。

 

たとえば、自分なりのメモの取り方、効率的な調べ方を身につけたことは、クライアントとのミーティングや記事作りなどにも役立っています。

 

 

 

少し遡って医療事務時代では、事務員の中でも飛びぬけて知識が豊富な事務員として、病院や医療従事者にも認められる存在になっていました。

 

好奇心の幅広さは今でも変わりませんが、過去にいろんなことに興味を持っていた経験が功を奏しました。

 

現在に至るまで、初対面の人や立場の違う人がいるような席でも、コミュニケーションのとっかかりにはさほど困ったことはありません。

 

 

 

好奇心は、整理力やリサーチ力のように代替できる名前がない”能力”です。しかし強い好奇心があったからこそ、私はそれ以外の力も伸ばして多様な経験を重ねてくることができました。

 

もしも“他人と差別化できる強み”として棚卸ししていたら、誰もが持っている好奇心は見過ごされていたでしょう。名前のない強みは、意識しなければ特別なものとは思わないからです。

 

好奇心があると、さまざまな物事に対しての感度が高くなります。

 

そうやって得た情報は、知識として蓄えていくことにより、必要なときに頭の中の引き出しを開くだけで、提案力や企画力として発揮できるのです。

 

 

 

 

最後に

 

「特別でなければ強みにならない。」

 

そんなことはありません。

 

現に、私のあらゆるスキルや強みの源になっているものは好奇心であり、成長過程や社会人時代に経験した多くの職業体験と知識です。

 

もっと深堀りすれば、幼少期に根付いたスキルの種や芽です。

 

スキルの種や芽を見つけて、ぜひ、それを育ててみてください。きっと、それが仕事を広げる機会になってくれるはずです。

 

 

 


この記事を書いたのは

浜田 みか
浜田 みかライター
【フリーライター/作家/電子書籍編集者】家事が苦手のママライター。いつもどうやって手を抜こうか考えています(笑)一番の趣味は、カメラと散歩と海外小説。相棒のEOS Kissを片手に、あちこちを飛び回っています。