はじめての確定申告でいろいろあったが、結局は日商簿記3級受験が正解だったという話

フリーランスのみなさま、副業で一生懸命お仕事をされているみなさま。

確定申告の季節がやってきました。

2018年4月に開業した私にとっては、人生初めての確定申告です。

みなさまはどのように確定申告を行っていますか?

私は、開業時にちょうどキャンペーンを行っていた、「MFクラウド確定申告」という確定申告のWebサービスを利用しています。

インターネット上での評判は「確定申告はクラウドサービスを使えば、かなり楽」というもの。

クラウドの確定申告サービスでは、ネットバンクやクラウドソーシングと連携しているので、実際に日々の仕分けはすごく簡単でした。

しかし2月に入り、確定申告に向けて準備をしていると、わからないことばかり。

先日、「e-Tax」を使って電子申告を済ませましたが、一緒に作業をしてくれた税理士さんがいなかったら、今でも途方に暮れていたでしょう。

なんとか確定申告を済ますことができて、ホッとしています。

今回は、去年開業したばかりの私が、e-Taxを使って人生初めての確定申告を済ませた体験談を紹介します。

確定申告の記帳指導を受講

開業したばかりのころは、「確定申告って自分の力だけでやらないといけないのかな。でも、まだ1年くらい先の話だから大丈夫かな。」とぼんやり考えながら、仕事に追われる日々を過ごしていました。

ところが6月のある日、税務署から一通の封筒が届きました。

中身は「記帳指導のご案内」というものでした。

中身を見ると、税務署が地元の税理士さんと協力して、個人事業主の方に無料で確定申告のサポートをしてくれるサービスがあることが書いてありました。

私は確定申告のことはさっぱりだったので、「これは助かる!」と思い、意気揚々と「参加する」に丸を付けて返信しました。

まずは導入講義に参加

最初は地元の税務署にて、導入講義に参加しました。

これは確定申告のサポートを受けたい参加者が、税務署の一室に集まって、講義形式で行われました。

講義の内容は「確定申告の基本的な流れについて」。

白色申告と青色申告の違いや、e-Taxによる申告の方法など、講師の税理士さんのお話を聞いて学びました。

私も多少は準備して開業したので、知っている内容もありましたが、直接税理士さんのお話を聞いて学ぶことができ、大変参考になりました。

1時間ほどの導入講義が終わり、帰り際にe-TaxのIDとパスワードを発行してもらいました。

e-Taxというとマイナンバーカードとカードリーダーが必要と思っていたのですが、IDとパスワード方式ならマイナンバーカードとカードリーダーを使わずにインターネットで申告できると、その時に知りました。

税理士さんとマンツーマンで全4回の記帳指導

導入講義が終わると、担当の税理士さんから直接、記帳指導を受けることができます。

私の場合は全部で4回でした。

指導の場所は税理士さんの事務所か、自分の自宅、どちらか選べるシステム。

私は自宅にお越しいただいて指導を受けることにしました。

予め電話でお越しいただく日程を決めて、どきどきしながらその日を迎えました。

当日、自宅に来てくれた税理士さんは私と同じくらいの年齢か少し下くらいの若い税理士さんでした。

ここでは「Kさん」としましょう。

Kさんはもともと公認会計士の資格をお持ちでしたが、税理士として個人事業主の確定申告のサポートもしているようでした。

ちなみに、公認会計士の資格を持っていると、税理士の資格も簡単に取れると、名刺交換をしたときに教えてもらいました。

第1回目の記帳指導が9月に行われ、11月、1月、2月と受講を重ねました。

合計4回も、Kさんからマンツーマンで記帳指導を受ける機会を頂けたことになります。

第1回目と第2回目は、基本的な仕分け方法について学びました。

私はクラウドソーシングメインでお仕事をしていたのですが、Kさんにとっても私のような仕事の仕方をしているお客さんは初めてとのこと。

二人で悩みながら、MFクラウド確定申告の管理画面を操作することになりました。

とは言っても、さすがプロの税理士さんということで、すぐに要領をつかみ、具体的な仕分けの仕方について教えてくれました。

第3回目の記帳指導は平成30年度の仕分けがしっかりできているかチェック。

第4回目の記帳指導では、Kさんと一緒にパソコンを使ってe-Taxで確定申告を済ますところまでやってくれました。

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e-Taxでの確定申告に挑戦

2月19日、最後の記帳指導でe-Taxによる確定申告を行いました。

これがなかなか大変でした。

e-Taxは「Internet Explorer」でないと動作しないと聞いていたのですが、IDとパスワード形式のe-Taxでは「Google Chrome」や「Firefox」でも動作するようです。

ここは改善された点としてよかったのですが、申告が終わって、e-Taxの管理画面に通知されたメッセージを確認しようと思いメッセージボックスにアクセスしたら、「電子証明書が必要です」といわれ、メッセージの中身が確認できないのです。

マイナンバーカードの他にも必要なものがあったことを知り、これにはとても困りました。

そもそも国税庁はマイナンバーカードとカードリーダーを使った電子申告を推進したいという事情があり、IDとパスワード方式による申告は暫定的な対応ということらしいです。

普段、生活をしていてマイナンバーカードとカードリーダーが必要になることはありません。

それなのに1年に1回の確定申告のために、それらを用意するのは大変だなというのが正直な気持ちです。

しかもマイナンバーカードを使う方式のe-TaxはInternet Explorer11しか対応していません。

しかし、Internet Explorer11の国内シェア率は2019年1月現在で15.19%[1] しかないのです。

さらに「マイクロソフト、企業にInternet Explorerの使用をやめるよう要請。「IEは技術的負債もたらす」(Engadget 日本版)」という記事が先日、公開されたばかり。

これらのことからも、Internet Explorerにしか対応していないマイナンバーカード方式のe-Taxには、明るい未来がないと思ってしまうのは私だけでしょうか。

日商簿記3級受験のススメ

確定申告の時期になると、書店には確定申告に関係したテクニック本が多数、販売されます。

そういった本でテクニックを学ぶのも悪くありません。

しかし、確定申告のために学ぶのであれば、なによりも「日商簿記3級」の勉強をお勧めします。

日商簿記3級の試験内容は、いってみれば「個人事業主の会計」です。

青色申告で必要な、複式簿記の基礎的な力をチェックする試験が日商簿記3級です。

簿記を勉強することで、毎日の取引において、お金がどのように動いているのかをロジカルに把握できます。

たとえば、3,000円の仕事を納品したら、3,000円の売上が発生して、3,000円の売掛金が増えた、といった具合です。

簿記では取引を「資産」「負債」「収益」「費用」「資本」の5つのグループに分類して管理します。

そしてそれらのグループの中に「勘定科目」として取引の詳細な項目を決定します。

書籍代は「新聞図書費」、名刺代は「消耗品費」など、何がどの勘定科目になるのかを個別に覚えるのではなく、まずはしっかりと簿記を勉強して、取引とお金の流れを把握しましょう。

そして、その場しのぎの勘定科目や仕分けを覚えるのではなく、しっかりと自分のビジネスの中身を簿記として理解することが重要です。

個人事業主として真っ当なビジネスをするのであれば、日商簿記3級程度の知識は必須であると私は思います。

日商簿記3級程度の知識があれば、少なくとも「売上」と「売掛金」が混同してしまうようなことはありません。

私は、税理士さんのススメもあり2018年11月の試験で日商簿記3級に合格しました。

仕事の合間でも1ヶ月ほど集中して勉強すれば、十分合格できる試験です。

まとめ

確定申告は初めての経験でしたが、税理士さんの協力もあり、e-Taxにて無事に済ますことができました。

税理士さんとのマンツーマンでの記帳指導を合計4回も受講できて、とてもありがたいシステムであると感じました。

税金処理のことまで手が回らないくらい売上があれば、税理士さんに丸投げするのも1つの方法でしょう。

しかし、いくら税理士さんがサポートしてくれるとはいえ、事業を行っているのは事業主本人です。

自分でできることや、判断が必要なことについては、自分から積極的に取り組みましょう。

個人事業主や副業である程度の収入がある人にとって、確定申告は1年に1度の大きなイベントです。

お金の計算や領主書の整理など大変ですが、1年間、継続してきたビジネスの棚卸しの機会であると、前向きにとらえて乗り切りましょう。

<参考・参照サイト>

[1]Desktop Browser Market Share Japan」(StatCounter Global Stats)

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