Webライターの仕事は文章を書くことです。
しかし、同じ肩書きでも、文章を書くしかできないのと、それ以外の部分でもフォローできるWebライターでは、後者のほうが受注チャンスはアップします。
その理由は、Webライターに求められている業務スキルの幅が広がっているからだといえます。
もうすでに求められ始めている+αのスキル
現在、私は作家業と並行しつつ、複数のメディアと契約をしてWebライターとしても活動しています。
活動当初は、主にクラウドソーシングで受注していました。
この頃は『文章作成+画像選定』がよくある業務スタイルでしたが、仕事の幅を広げるうちに、これら以外のスキルも求められるようになってきました。
仕事は、ほとんどが直接契約で、1~2年のお付き合いがあるクライアントが大半です。
同じメディアで長く書き続けていることもあり、レギュレーション(執筆上のルール)が変わるたびに求められるスキルが増えていることを実感しています。
このことを別のメディアでWebライターをしている知人にも尋ねてみたところ、彼女たちも同様に感じる機会が増えてきているとのことでした。
Webライティング案件は現在も全体的に増加傾向[1]で、フリーランス人口の増加も予測されています[2]。
今後ますますWebライターも増えていくでしょうから、この先『文章が書ける』だけで生き残っていくのは難しくなっていくだろうと考えています。
では、そうしたWebライターは、手をこまねいて傍観するしかないのでしょうか?
私はそうは思いません。
今からでも少しずつスキルアップを図っていけば、生き残れる可能性はまだまだ残されています。
スキル1.HTMLタグ、マークダウン記法での記述
納品した文章データをWebサイトにアップロードする際、デザイン性向上のために、HTMLなどの言語で『タグ付け』がされます(これを“コーディング”といいます)。
また、あらかじめタグを入れ込む文章の記述法が『マークダウン記法』です。
何十人ものライターを抱えるクライアントでは、納品されたデータのうち必要な文章ひとつひとつにコーディングをしていくことになります。
クライアントの本音としては、あらかじめHTMLでタグ付けされていたり、マークダウン記法で書かれた文章であればありがたいけれど、実際に書けるWebライターは多くはありません。
HTMLタグやマークダウン記法が書けることは、1つの強みにもなります。
スキル2.図解やイラストの作成
文章への理解を促進させる目的で使われることが多い“図解”や“イラスト”は、Webコンテンツでも同様の効果が期待できます。
デジタルネイティブ世代をはじめ、いまのインターネットユーザーの多くは、答えを早く欲しがる傾向にあります。
その点でも、文字より図解イラストのほうが断然早く結論を得られます。
また、イラストの配置によっては、読者を引き込むフックとして活用することもできます。
使う場所によって読者に効果的にコンテンツを見せられるため、図解イラストは積極的に取り入れられています。
こうした見せ方や必要に応じた使い分けができ、なおかつ文章と上手く絡めて図解イラストが描けるならば、PV数アップに貢献できるライターとして重宝されるようになります。
スキル3.画像を加工・編集
Webコンテンツに掲載する画像は、必要に応じて加工・編集をおこなうことがあります。
サイズや解像度、色調調整などの作業は、意外と手間がかかるものです。
取材やインタビューの写真は、担当カメラマンがこれらの作業まで対応してくれます。
ところがカメラマンがいない場合や、取材先より素材写真を提供してもらった場合は、クライアント側でおこなうことがほとんどです。
けれど、本音はできるなら外部発注したいもの。
スケジュールやコストなどの面から専門職(レタッチャー)に依頼できないことも多々あります。
そんなときこそ、執筆と併せて画像加工・編集の作業を請け負い、自分の価値をクライアントに示すのです。
スキル4.取材・インタビュー力
取材やインタビューができるWebライターは、まだまだ人材不足です。
メディアによっては対応できる人材そのものが限られていることもあり、経験豊富なインタビュアーやWebライターに案件が集中する状況になっています。
これからはストーリー性のあるWebコンテンツが一層注目を集めていくと考えられていますから、取材やインタビューができることはWebライターとして強力なアピールポイントになります。
スキル5.アイテムや料理、風景などの撮影
取材やインタビューでは、カメラマンが同行するパターンと、ライターがカメラマンを兼任するパターンがあります。
後者の場合、クライアントとしては撮影スキルのあるWebライターを手配したいものです。
撮影したものの使えない写真ばかりだと、掲載に必要な画像素材を取材先から借りる手間が増えるからです。
普段から練習を重ねていると、いざという時にチャンスを掴みやすくなります。
スキル6.図解イラストからアニメーション動画の作成
ランディングページなど広告的要素の強いWebコンテンツを作成する場合、それぞれの構成要素に対して担当が割り振られています。
たとえば、デザインはWebデザイナー、文章はWebライター、動画コンテンツは動画クリエイターといった具合です。
広告代理店やWebコンテンツ制作会社から直接仕事を受ける場合、業務がライティングだけに留まらないこともあります。
最近では、図解アニメーションをコンテンツ内に組み込むことも多くなりました。
Webライターでイラスト作成や動画制作ができる人には、動画のシナリオから動画作成まで依頼に含まれることがあります。
セールス要素がある動画にはマーケティングの知識が必須です。
その点、Webライターにはセールスやマーケティングに関する専門知識がありますから、動画制作に携わることは適任だといえるでしょう。
スキル7.クライアントの目的達成を支える提案力
クライアントから依頼されるままに業務をこなすのでは、会社で上司から指示されて働いているのと何ら変わりません。
クライアントが何を求めているのか、コンテンツでどのような効果を狙っているのか。
これらを意識していると、クライアントが目的を達成するために必要な手段とは何かを考えられるようになっていきます。
アイデアがあるならば、積極的に提案していくことです。
それを繰り返しているうちに、取引先のWebライターとしてだけでなく、お互いにとって大切なビジネスパートナーという関係性で付き合っていけるようになります。
まとめ
一般的にWebライターの飛び抜けたスキルと聞くと、自身が執筆できるジャンルとしての専門的な知識や経験に目を向けてしまいがちです。
けれど、もっと広い範囲で捉えると、デザインやコーディングのスキル、企画・提案力もWebライターのスキルの1つです。
今後、いまよりもっと“個”が重視されるようになれば、多様な執筆ジャンルを持った人たちがどんどん現れてくるはずです。
そのなかで、ここで紹介したスキルを複数でも持ち合わせておけば、Webライターとして独立しても生計を立てていくことは十分可能でしょう。
<参考・参照サイト>
[1] 「ライティングのお仕事、急増中!? 54ヶ月分のデータから読み解く」(THE LANCER)
[2] 「【ランサーズ】フリーランス実態調査2018年版」(ランサーズ株式会社)
この記事を書いたのは
- 【フリーライター/作家/電子書籍編集者】家事が苦手のママライター。いつもどうやって手を抜こうか考えています(笑)一番の趣味は、カメラと散歩と海外小説。相棒のEOS Kissを片手に、あちこちを飛び回っています。
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