現在コンサルタントとして働いている人の中には、フリーランスとして独立したいと考えている人もいるのではないでしょうか。
その中には、フリーランスになるにあたってどのような準備が必要なのかわからない、という人もいるでしょう。
この記事では、フリーコンサルタントになるにあたってどのような準備が必要なのかを解説します。
細かい手続き関連の準備やスキル面での準備などについても解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
そもそもフリーコンサルタントとは?
基本的に、業務委託として外部から企業サポートを行う、これがフリーコンサルタントです。
このフリーコンサルタントの仕事について、より詳しく説明していきます。
コンサルタントの業務内容とは
フリーコンサルタントを含めたコンサルタントの主な仕事内容としては、以下のようなものが挙げられます。
・クライアントの課題に対して企業の分析および業界研究などを行い、解決策を提案する
・経営状況の分析を通して戦略立案を行い、実践後は検証を行う
つまり、基本的には、企業の抱える各種課題を解決するのがコンサルタントの仕事内容です。
会社勤めのコンサルタントとフリーコンサルタントの違いとは
フリーランスのコンサルタントと企業所属のコンサルタントとの間で、仕事内容には大きな違いはありません。
最も大きな違いは契約形態です。
フリーのコンサルタントは業務委託契約を結んで各企業から案件を受注します。
これに対して、会社勤めのコンサルタントは企業と雇用契約を結んで会社から与えられる業務を行います。
各企業が扱うプロジェクト内容は多岐にわたるため、フリーコンサルタントであっても仕事を受注できる機会は十分にあると言えるでしょう。
近年では、フリーコンサルタントに対するニーズはどんどん大きくなってきています。
その背景として考えられるのが、コンサルティング会社を退職した人が増えていること、企業側がコンサルタントを利用する機会が増えたことの2点です。[1]
つまり、需要と供給が噛み合っているのです。
さらに、フリーランスと企業をつなぐマッチングサービスも増えていることも大きな要因の1つと言えるでしょう。
具体的には何を準備しておくべきか?
ここからは、フリーコンサルタントになるにあたって、どのような準備が必要なのかを解説します。
主に手続き面での準備とスキル面での準備が必要になるので、それぞれ対応するようにしてください。
フリーコンサルになる前に準備【手続き系】
まずは、手続き系の準備についてです。
フリーコンサルタントとしてスムーズに活動し始めるためにも、各種手続きは事前に対応しておくようにしましょう。
案件側の調整は事前に行っておくのがベスト
企業に所属している間に担当していた案件は、事前に引き継ぎを行うなどしておきましょう。
また、もしフリーランスになった後にそのままその案件を担当できることになった場合は、所属していた企業にその旨を伝えてきっちりと話し合い、滞りなく仕事に取り組めるようにしておきましょう。
何も伝えないままだと「あいつが仕事を奪っていった」と言われ、問題になりかねません。
クレジットカード・ローン・賃貸契約などの各種申し込み
フリーランスになると、会社員時代と比べて社会的な信用度が低くなってしまうことがあります。
そのため、フリーランスになった直後などはクレジットカードやローンの審査が通らなかったり、マンションの賃貸借契約が結べなかったりする恐れがあります。
そのため、これらの手続きは社会的信用度がフリーランスに比べて高い会社員の間に行うようにしましょう。
経理事務や確定申告の理解
会社員の場合、経理手続きや税金の支払いなどはすべて会社が行ってくれるため、特に何かを自分でする必要がありません。
しかし、フリーランスになると、これらの手続きをすべて自分で行わなければいけません。
そのため何をするのか、どうやってやるのか、についてしっかりと理解しておく必要があります。
特に重要なのが確定申告です。
確定申告は、納税額を確定させるために、1年間の所得金額を申告することです。
個人事業主の場合、所得が事業所得のみで、なおかつ年間の所得が38万円以下なら確定申告不要となります。
また、確定申告は税務署に足を運んで行うこともできますが、インターネット上ですべての手続きを済ませることも可能です。
いずれにしても、どのような書類が必要なのか、どのタイミングで行うのか、などについては事前に調べておくようにしましょう。
もし確定申告を行わないと、延滞税や無申告加算税などの追加の税金が発生し、負担額が大きくなるので、必ず行うようにしてください。
国民年金保険や国民健康保険への加入
フリーランスになると国民年金保険や国民健康保険への切り替えが必要になります。
例えば、会社員時代は会社が提供する健康保険に加入していたと思いますが、フリーになるとその健康保険から脱退することになります。
そのため、フリーコンサルタントになるタイミングで、国民健康保険に加入しなければいけません。
国民健康保険への加入手続きは自分が住民登録をしている市区町村役場で、自分で行うことになります。
ちなみに、健康保険に関しては、国民健康保険に加入する以外にも、それまで加入していた健康保険に任意継続という形で加入することも可能です。
また、業界によっては、その業界向けの健康保険組合や団体などが提供する保険に加入することもできます。
いずれにしても、なにかしらの保険には加入しなければいけないので、忘れずに対応するようにしましょう。
国民健康保険と同じように、国民年金保険にも加入する必要があります。
こちらの手続きは住民登録をしている市区町村役場の年金担当窓口で行ってください。
フリーコンサルになる前に準備【スキル系】
続いて、スキル面での準備について解説します。
スキルは仕事の獲得につながる重要な部分なので、しっかりと磨いておくようにしましょう。
特定領域におけるスペシャル/専門性を磨いておく
フリーランスというとなんでもやるイメージがあるかもしれません。
しかし、実は仕事を獲得するうえでは、自分の得意な分野、他の人には負けない圧倒的な専門性やスキルを磨いておくことが大切になります。
企業側が選ぶとき「○○分野の案件ならあの人だ!」とイメージしてもらう方が発注につながりやすいはずです。
フリーランスのコンサルタントになる前の段階で、企業に所属しているうちに強みとなるようなスキルを見つけておくといいでしょう。
具体的には、「業務改善なら誰にも負けない」「IT関連のコンサルなら十分経験を積んでいる」といったイメージです。
キャッチアップのレベルを上げる
コンサルタントは、クライアントに関わる情報はもちろん、クライアントの周辺業界の情報、さらには世の中の情勢、自分自身のスキルに関わる情報など、さまざまな情報が必要になります。
そのため、常に情報をキャッチアップできるようにしておくことが大切です。
目の前の仕事に追われ、最新の情報が追えていない状態だと、質の高い仕事ができません。
これでは、クライアントからの信頼も下がってしまう恐れがあります。
仕事の合間を見つけてこまめに情報収集を行う癖をつけておくことが重要です。
人脈を増やしておく
フリーコンサルタントとして働く場合、重要になるのが人脈です。
会社員時代は上司から仕事を振ってもらうだけで良かったかもしれませんが、フリーになると自分で仕事を見つけなければいけません。
その時に活用できるのが人脈です。
時には、人との繋がりによって仕事を紹介してもらえるケースもあるでしょう。
また、人脈を形成したおかげで、仕事を受注したいと思っていた○○業界の人に会える、コンサルタント業界でトップクラスの成果を残している人に直接会ってスキルアップを狙えるかもしれません。
人脈がないという人は、ぜひコンサルタント向けのセミナーや講演会などに足を運んでみてください。
最後に
フリーランスになるというと華やかなイメージがあるかもしれませんが、まずはしっかりと準備をすることが大切です。
特に、一見地味に見える手続き面での準備こそ最も大切といっても過言ではありません。
また、仕事をするためには、自分自身で仕事を見つけなければいけません。
なかなか仕事が見つからずに困ったときには、フリーコンサル向けのエージェントを利用してみるのも1つの方法です。
フリーコンサルと案件をマッチングしてくれるサービスなので、営業活動が苦手な方には特におすすめです。最小限の力で仕事を獲得することができるでしょう。
このように、フリーコンサルタントとして仕事を始める、そして続けていくためには、常にいろいろな方向へとアンテナを向け続けなければいけません。
苦労も多いかもしれませんが、何より継続すること。
やがては魅力ある仕事に出会い、素晴らしい成果を残せるはずです!
<参考・参照サイト>
[1] 「フリーランスが増えるコンサル業界、ユニークマッチングサービスも登場」(ダイヤモンド・オンライン、2019.6.27)
この記事を書いたのは
最新の投稿
- 2020年11月25日コラム日本の副業事情、アメリカと比較した考察 ―ギグエコノミーの視点から―
- 2020年10月28日はたらき方チェンジキャリアアップを考えているなら、まずは副業でチャレンジしてみるのがおすすめ
- 2020年10月22日はたらく知恵自由を維持するには努力が必須!フリーコンサルで長生きするための信頼関係
- 2020年10月21日はたらき方チェンジキャリアアップしたいならダブルワークが本当におすすめな理由