「あれ?クライアントさんからの返信が来ないなぁ。」
「どうしたんだろう?もう1度メッセージ送ってみよう。」
「……ダメだ。連絡が取れない。」
ライターさんは経験したこともあるかもしれませんが、これはわたしがクライアントさんから「突然の契約破棄」をいただいたときに経験したことです。
わたしはライティングを始めて3ヶ月の初心者ライターですが、この3ヶ月は本業以外の時間のほとんどをライティングに割いてきました。
副業であっても3ヶ月も本腰を入れれば、案件探し、提案、受注、単価交渉などのライターとして必要な一連の経験は積めるものです。
「突然の契約破棄」を受けたのは、「クライアントさんとのやり取りにも慣れてきた。あとは得意なジャンルの知識をもっと身に着けるだけ」などと思っていた矢先のことでした。
「契約破棄をはっきり言わないこんな破棄の仕方って……。」とも思いましたが、この経験から学んだことは多く、今もライターの仕事をする上で役立っています。
提案が通り、受注した案件でも、お仕事をさせていただく中で「このクライアントさんとは、長くお付き合いできないかもな」と予想できるようになりました。
ライティングを始めた当初は、クライアントさんとのコミュニケーションの取り方がわからず、手探りでしたのでその頃よりは明らかに成長できたところだと思っています。
この記事では、わたしが経験した3回の「突然の契約破棄」から学んだことで、特に初心者ライターのみなさんがクライアントさんとのやり取りに活かせることを2つ紹介していきます。
わたしが経験した「突然の契約破棄」の状況
わたしは「突然の契約破棄」を3回経験していますが、状況は以下の2つのパターンです。
①1年以上の長期、広範囲にわたるお仕事の約束が約1ヶ月で破綻
②クライアントさんとの意思疎通がうまく取れず、1本目の記事提出後、返信が来なくなる
まず①ですが、わたしが抱えていた案件の中でも主力案件の破綻で、いろいろな意味で衝撃を受けました。
お仕事を進める中で、「複数のサイト運営、メルマガ運営を考えており1年以上のお付き合いになります。単価引上げや別案件の依頼も考えております。」との説明もいただいていました。
しかし、何の前触れもなく「別の仕事が忙しくなり、サイト運営を中断せざるを得なくなりました。」という連絡をいただき、契約破棄となりました。
契約後1ヶ月間は、特に問題なく数記事を納品させていただいていたため、とても驚きましたし、フリーランスのライター収入の不安定さを実感したことを覚えています。
②については、長期案件(20記事程度)を任せていただいていたクライアントさんの案件でした。
ところが、最初の記事を提出後、メッセージのやり取りができなくなりました。
「あなたの実績はすばらしい」、「過去の記事を拝読しましたが、大変感銘を受けております」という若干大げさな評価は、クライアントさんによっては本音でなく、建前であるのかもしれません。
契約当初の提案の時点から記事の大綱まで、高い評価をいただいていたようでしたが、「何でこんなにほめてくれるんだろう、ちょっと変かも」というわたしの直感はあながち間違ってはいなかったようです。
6社程度のクライアントさんとの仕事を持つべき
「1年以上の長期、広範囲にわたるお仕事が約1ヶ月で破綻した経験」から学んだことですが、ライターは専業、副業に関わらず、6社程度のクライアントさんとの仕事を持つべきです。
どんなにいい条件のお仕事も、破綻してしまっては成果や収入源にはなりません。
リスクヘッジ的な意味も含め、ライティングで生きていくためには、6社程度のクライアントさんとの仕事を持つべきなのです。
6社という数字に明確な理由はなく、経験則的なところが大きいのですが、「一気に6社すべての契約が破綻することなく、ライター1人が管理できるクライアントの数は6社程度」だと感じています。
わたしはライティング収入の柱となる長期のお付き合いをいただいているクライアントさんが3社、その他が3社という状況ですが、できればすべてのクライアントさんから長期契約をいただけるよう、信頼されるライターになるべく努力しているところです。
クライアントさんに長期契約をいただいただけで安心しない
わたしには、「長期案件をいただいたクライアントさんとの意思疎通がうまく取れず、記事1本を提出後、返信が来なくなる」という経験が2度あります。
これは、長期案件をいただいたクライアントさんと、本当に長くお仕事をさせていただけるかどうかをかぎ分けられるようになったできごとでもありました。
数ヶ月にわたってお仕事をさせていただいているクライアントさんは、みなさんメッセージのやり取りが迅速で、説明もわかりやすいです。
また、わたし自身の意図も伝わりやすいと感じており、やり取りにストレスがない状況にあります。
その一方で、やり取りのできなくなったクライアントさんには、仕事始めの当初から「何となく意思疎通がうまくいかないな」という感覚を持っていました。
わたしがそのクライアントさんから受けた印象としては、
●説明が回りくどくわかりにくい
●大げさに謙遜した言葉遣い、丁寧過ぎる態度があり、要望や指摘なのか評価されているのかわからない
●指示が二転三転する
●返信が遅い
といったものでした。
一事が万事で、一つのことがうまく伝わらないコミュニケーションは、何を伝えようとしてもうまくいかないものです。
クライアントさん側でも、わたしに対して同様の印象を抱いていたのかもしれませんが、「〇〇については、××という認識でよろしいでしょうか」のように何度も同じようなことを確認するメッセージのやり取りをすることは、少なからずストレスに感じていました。
質問の意図としては、取り上げるテーマの範囲、記事の方向性、データの使い方などについて、わからないところをはっきりさせたいと思っていました。
しかし、結果として1つの記事を書き始めるのに、何度も同じようなやり取りを繰り返すことになってしまったのです。
真剣に仕事に向き合っているライターさんであれば、長期でお付き合いのあるクライアントさんとのお仕事を優先されるものだと思います。
上記のようにどうしても意思疎通がうまくいかないクライアントさんは、長期契約数にカウントしない方がいいということがわかりました。
お互いにストレスを感じるやり取りは、消耗でしかありません。
このような関係は、長く続かないものなのです。
まとめ
ライティングを始めたばかりの頃、先輩のライターさんからいただいたアドバイスには、「クライアントさんと契約するなら、長期案件をいただけるようにしろ」というものがありました。
しかし、長期案件をいただいたからと言って安心してはいけないのです。
長期のお付き合いを前提にしたお仕事であっても、本当に長期になるかどうかはライターとクライアントさんがコミュニケーションや仕事を通して、本当の意味でシンクロするかどうかにかかっています。
それはこの記事で紹介した通りです。
ライターは記事を書くだけが仕事ではなく、クライアントさんもライターに記事を納品させるだけが仕事ではないはずです。
記事に関するやり取りを積み上げることによって、信頼関係を築いていくことが、ライターにとっては良質な記事を仕上げることにつながり、クライアントさんにとっては質の高い記事を納品してもらうことにつながるのです。
長期案件をいただいたことに安心することなく、長期のお仕事をする中でライター、クライアント間で、質の高い記事を納品できる関係性を築いていきたいものですね。
この記事を書いたのは
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専業ライター。大学卒業後、防衛省にて10年勤め、民間企業を経てフリーランスへ転向。ネット、転職、英語、取材などを中心に書いています。クライアント様の伝えたいことを、万策をもってお伝えします。スマートニュース掲載、上位表示記事多数、寄稿(わたしのネット様、ゼロプラス様、スタープラチナ様など)。
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