在宅ライターが教える!働き方改革で話題のテレワークのデメリットと対策


在宅ライターが教える!働き方改革で話題のテレワークのデメリットと対策

働き方改革の導入で増えつつあるテレワーク。

 

自宅や自宅近くのサテライトオフィスでの勤務、カフェなどで働くノマドワークなど、働く人のライフスタイルに合わせた働き方ができるのが魅力です。

 

 

その反面、時間管理やセキュリティなど、オフィス勤務とは違った問題に直面するようになります。

 

テレワークは今後も増えていくことが考えられますが、働く側はリスクも考慮して働き方を選ぶことが、本当の働きやすさに繋がっていくのではないでしょうか。

 

 

私は、テレワークも経験したことがある在宅ライターです。

 

それは、テレワークで働くことと同じリスクを常に抱えているといっても過言ではありません。

 

今回は私の経験を含めて、働く人にとってテレワークにどのようなデメリットがあり、どんな対策をとればリスクを軽減できるのかを解説します。

 

 

セキュリティ面のデメリット

 

テレワークで最も注意しなければならないことが、セキュリティ面です。

 

オフィスで仕事をすることとは違い、業務を外に持ち出すことになりますから、情報をどのように取り扱うかは大変神経を使います。

 

 

 

 

『外部に情報が洩れる可能性』

 

ライター業でもそうですが、業務内容によっては企業秘密などの機密情報を取り扱うことが少なくありません。

 

さらに、そこまで重要ではなくとも、取引内容やノウハウなどが外部に漏れることはあってはならないことです。

 

インターネットを介して情報が抜き取られることもありますから、ハッキングによる被害リスクも考慮しておくべきでしょう。

 

 

 

<対策>

●必要時以外、インターネットを切断しておく
●外での作業時はPCにデータを保管し、SDカードやフラッシュメモリなどを使用しない
●不特定多数が出入りする場所では、壁を背後に作業する

 

 

データをクラウドに上げて保管しているという人もいるかもしれません。

 

その場合は、使用するネットワークに公共Wi-Fiは使わないなどの配慮が必要です。

 

 

 

また、パソコンのハードディスクが壊れてしまうことを恐れて、外部メモリーに保存する方がいますが、外出時は紛失のリスクもあるので得策ではありません。

 

どうしても外部メモリーを使用したいというのであれば、紛失しないようにカードケースを利用し、チェーン等でカバンに取り付けておくなど落とさないようにしたいものです。

 

 

 

カフェやコワーキングスペースなど不特定多数の人が出入りする場所で作業をする際、作業に没頭してしまうと周囲への注意が疎かになります。

 

他人のPCを堂々と覗き込む人はほとんどいませんが、隣の席の人や後ろを歩く人がチラリと目にする可能性は否定できません。

 

むしろ、その程度なら罪悪感なく無意識にやってしまう人も多いので、それが競合相手の情報だとしたら、盗み見られることもありえます。

 

 

 

テレワーク中に情報が洩れてしまったら、その後のテレワークでの働き方に支障をきたすことになります。

 

万が一、それで会社に損害が出てしまったら、責任を負わされる可能性もあることを意識して、安全策をとることを優先しましょう。

 

 

 

 

『ウィルス感染のリスクがある』

 

テレワークは、自分の好みの場所で働けるというメリットがある一方で、常に外部からの脅威に晒され続ける働き方でもあります。

 

特にインターネットを利用して情報をやり取りするような場合には、ウィルスに感染するリスクもあります。

 

 

 

<対策>

●公共のフリーWi-Fiを使用しない
●セキュリティソフトを導入し、常に最新の状態をキープする
●プロバイダのファイアウォールを利用する
●メールのやり取りは最低限にする
●添付ファイルは相手を問わずセキュリティチェックする

 

 

どれも当たり前のことなのですが、最近は訪日外国人が増加した影響もあり、どこでもフリーWi-Fiが使える環境になりつつあります。

 

フリーWi-Fiはその名の通り無料で利用できるので、コストを考えると、つい使いたくなってしまうことも。

 

 

 

しかし、フリーWi-Fiは誰が接続しているのかわかりません。

 

悪意のある人がいることも十分考えられます。

 

月額使用料がかかってしまいますが、情報が漏れたり抜かれたりした後のコストなどを考えると、安いものです。

 

今は月額1,980円など低価格で利用できるものも増えていますので、導入を検討してみてください。

 

 

 

セキュリティを常に最新の状態にキープすることは当たり前ですが、添付ファイルのセキュリティチェックも毎回おこなうようにしましょう。

 

取引相手だから大丈夫などといった安心感は、トラブルになったときに何の役にも立ちません。

 

 

メールは、相手が送信してからいくつものネットワーク上の中継点を通り、あなたのもとへと届いています。

 

以前、ニュースでも話題になった「ファーウェイ」の中継器。あれも、インターネット上の中継点の一つです。

 

ブラックハッカーと呼ばれるような悪意ある人たちは、そうした中継器にウィルスを仕込み、パソコンに悪影響を与えようとすることもあるのです。

 

 

 

見知った相手、信頼できる相手だからとセキュリティを疎かにすると、あなたの信頼の失墜や、損害を与えてしまうなどの事態を引き起こすことも考えられます。十分に注意しましょう。

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時間管理のデメリット

 

在宅やノマドワークをしている私のようなフリーランスは、自己管理が重要といわれます。

 

それは、テレワークをするあなたにも当てはまることです。

 

 

 

自己管理の中でも、時間管理については特に注意が必要です。

 

オフィスワークのときは、就業時間に合わせた通勤準備、移動のための公共交通機関の利用がありますので、心理的にも仕事をするための準備ができるものです。

 

しかし、テレワークになると、そうした必要性がありません。

 

 

 

 

『長時間労働になりやすい』

 

出勤して働く場合、多くの会社や事業者では、タイムカードなどを使って従業員の就労時間を管理しています。

 

これの良いところは、仕事とプライベートを自然に切り分けやすい点にあります。

 

ところが、テレワークのように出勤の義務がなくなると、仕事とプライベートの時間が混在しやすくなり、ちょっと手が空いたときやふとしたときに、つい仕事に手が伸びやすくなります。

 

 

そして気が付けば、オフィスで仕事をしていたときよりも長時間働いているといった事態に陥ることも少なくありません。

 

 

 

<対策>

●働く時間や曜日を決め、徹底的に守る
●自宅ではなく、カフェなどで作業をする
●自宅内で作業に集中できるスペースを設ける

 

 

私も自宅で作業をする機会が多いのですが、外で作業をしているときよりも自宅での作業のほうが働いている時間が長くなりがちです。

 

朝8時頃から仕事を始め、夜寝る前まで仕事をしていることもしょっちゅうありますし、好きなときに休めるというのもあって夜更かしすることも多いです。

 

 

 

また、オフィス勤務だと休日と平日がきっちりと分かれているため、必然的に休みを取ることになります。

 

ところが、テレワークのようにいつでも仕事ができる状態にあると、土日などの休日に関係なく仕事を続けてしまうこともあります。

 

これを避けるには、働く時間と休日を分け、それを徹底的に守ることが最低条件です。

 

 

 

とはいえ、つい手が伸びてしまうということもありますから、そんなときにはカフェなど自宅外で作業し、自宅では仕事をしないといったルールづくりが有効です。

 

ですが、自宅以外で作業をすると、当然コストがかかります。

 

 

毎回外出することが難しい場合は自宅内に作業専用スペースを設け、気持ちのオン・オフをつくりやすい環境を整えるのも一案です。

 

 

 

 

『運動不足になりやすい』

 

オン・オフの切り替えができず長時間労働に陥りやすいテレワークでは、オフィス勤務に比べて圧倒的に運動量が少なくなります。

 

それが原因で筋力が低下し、体を壊してしまうこともあります。

 

 

 

実際、私も外で働いていたときに比べて運動量は1/10以下になりました。

 

そのせいで、階段を上がるのもつらくなり、鍋より重いものが持てなくなった時期もあります。

 

長時間立っていると足がふらついて倒れることもありました。

 

 

 

<対策>

●運動する機会を強制的につくる
●最低でも1時間に1回は必ず体を動かす
●ストレッチをする

 

 

運動習慣がない方は積極的に体を動かす機会をつくりましょう。

 

私がしているのは、近所を散歩する、買い物の際には自転車を使わず徒歩で行く、参加者を集めてウォーキングをするなどです。

 

 

無理をしても続かないので、日常の中で無理なく続けられることを取り入れることがポイントです。

 

散歩も、買い物ついでに遠回りしていくなどすれば、最短距離で行くよりもわずかでも運動になります。

 

 

 

また、一日中PCと向き合っていると、姿勢も悪くなり、目にも負担がかかります。

 

最低でも1時間に10~15分の休憩を取り、その間にストレッチをするのも凝り固まった体をほぐし、筋肉も動いて体と頭がすっきりします。

 

就寝前に軽くストレッチをするのも有効です。

 

 

 

人の体は、動かなければ年齢に関係なく筋力が衰えていくものです。

 

筋力の衰えは血行不良を引き起こします。

 

血行が悪いと心臓に負担がかかり、体調を崩す原因になります。[1]

 

それを防ぐには、積極的に運動する機会を持つことがとても大切なのです。

 

 

 

 

評価面のデメリット

 

テレワークはオフィス内で働くのとは違い、1人で気ままに働けることがメリットです。

 

見方を変えれば、誰もいない環境下での作業を意味しています。

 

昇給や昇格にも影響する人事評価は、あなたの働きぶりを上司が目で見て確認することが基準になっています。

 

 

 

 

『成果や結果だけを見られがち』

 

テレワークは上司や同僚など、周囲の目が届かない環境での作業になります。

 

そのため、オフィス勤務と比べると、作業状況を目視で確認できないテレワークでは、どうしても成果や結果だけに着目した評価になりがちです。

 

 

成果主義の会社であれば、プロセスよりも結果が重視されるため、作業過程の評価は不要になります。

 

ですが、すべての仕事が成果や結果だけで判断されると、数字として結果を出せない仕事内容や勤怠などは無視されてしまい、正当な評価を受けることが難しくなります。

 

 

 

<対策>

●作業履歴や進捗状況を、定期的に報告する
●webカメラを繋いでおく
●業務ログを残す

 

 

これらの対策は、個人だけで進めるべきものではありません。

 

会社側のテレワークによる労働実態を把握する仕組みづくりが大切です。

 

しかし、試験的に導入されたテレワークだと、まだシステムがそこまで整っていないこともあります。

 

 

 

その場合は、作業工程をスケジュール化して共有したり、タスク共有するなど、業務を完了したことが伝わるようにツールを使うなどするといいでしょう。

 

コミュニケーションツールとして利用されている「ChatWork」では、タスクを登録して、タスクを完了するたびにチーム内に通知することができる仕組みがあります。

 

 

 

私も、ある企業とChatWorkを使って進捗を報告しています。

 

執筆案件がタスク登録されるので、終わった案件からその都度『完了』としていくことにより、何の作業が終わったのかが相手に自動的に伝わるので大変便利です。

 

 

 

webカメラを利用する場合は、それをチェックするための担当者を置くなどの必要がありますが、外出先だと環境的に難しいことも考えられます。

 

作業場所が限定される可能性もあり、それではテレワークの本質から離れてしまうので、会社側とよく話し合う必要があるかもしれません。

 

 

 

業務ログを残すという点においても、作業のたびに業務日報を書くようにタイムスケジュールを記すのは作業効率の低下に繋がります。

 

こちらも会社側でログが残るようなアプリ導入などの仕組みづくりが必要でしょう。

 

 

 

テレワーカーができることとしては、タイムスケジュールや進捗表などを予め用意して、その通りに業務が進んでいることがわかるように日々の業務を報告することです。

 

一見手間に思える作業ですが、自身に対する正当な評価を受けるためですから、日々のルーティンワークにしてしまえば、さほど負担は大きくないはずです。

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コミュニケーション面のデメリット

 

私のように在宅で仕事をしていると、家族以外の人と関わる機会がぐんと減ってしまいます。

基本的に1人で進めていくような仕事であれば、誰かとコミュニケーションをとる機会を自分からつくっていかなければ、コミュニケーション能力がどんどん劣化していきます。

 

 

 

 

『コミュニケーション不足で意思疎通がうまくいかない』

 

テレワークが他人の影響を受けずに、自分のペースで進められる仕事である一方で、コミュニケーションをとる機会は失われがちです。

 

メールで業務のやり取りをするにしても、言葉が足りない、言い回しがわかりづらいといったことがあれば、再び連絡を取り合わなくてはなりません。

 

 

また、言葉では伝えづらいことがあるときにはテレビ電話が便利です。

 

ところがこれも、相手と自分の都合が合わなければ、すぐに利用できないといったデメリットがあります。

 

 

こうしたことが積み重なれば、コミュニケーション不足となり、お互いに意思疎通がうまくいかずに業務に支障が出てしまうことも十分に考えられます。

 

 

 

<対策>

●記録として残す必要があるものは、メールを使う
●定期的にテレビ電話でコミュニケーションをとる
●定期的にオフィスへ出勤する日を設ける

 

 

後から「言った」「言わない」の水掛け論争に発展することを避けるためにも、記録として残しておいたほうがいいものにはメールを使う。これは鉄則です。

 

同じオフィス内にいてもこうした論争は起こりやすいものですが、お互いに目が届かない場所で作業するときには、なおさらです。

 

不利益を被らないためにも記録は重要です。

 

 

 

コミュニケーション不足による齟齬を避けるためには、電話を使うのがベストです。

 

なかでも、お互いに顔を見て話せるテレビ電話は信頼感を高めてくれます。

 

電話だけだと、相手の状況を声や周囲の雑音からしか把握できません。

 

ですが、テレビ電話であれば、ほかの作業をしながら話をすることが難しいので、お互いの会話に集中しやすいという利点があります。

 

 

 

きちんと評価されているかわからないときにも有効になるのが、定期的にオフィスへ出勤することです。

 

テレワークなので本来は出勤の必要はないはずですが、「これだけ自分はやっています」と面と向かって示せる機会になりますし、電話よりも的確な話をしやすいのでおすすめです。

 

 

 

 

『孤立感を持ちやすい』

 

私もかつて感じたことがありますが、テレワークで同僚や仲間との接点が極端に減ってしまうと、孤独感を抱きやすくなります。[2]

 

情報が共有しづらい、ちょっとした会話もできないといった状況が続くことによって、疎外されている感覚になり、それが孤独感に繋がるのでしょう。

 

 

このような孤独感や孤立感は、時に心を壊す脅威にもなります。

 

また、仲間の奮闘ぶりを見て自分を鼓舞していた経験のある人であれば、それが失われることによってモチベーションが上がらなくなるということもあります。

 

 

 

<対策>

●定期的なオフィス出勤
●定期的に上司との面談の機会を設ける
●ほかのテレワーカーと一緒に作業をする
●テレワーカー仲間と定期的に交流する

 

 

一番手っ取り早く、簡単な方法は「オフィス出勤」と「定期的な面談」です。

 

普段はテレワークをしていても、孤独感を持ち始めたらオフィスに顔を出してみるというのも一案です。

 

 

会社側にしても、出勤ついでに進捗状況を確認でき、コミュニケーション不足や情報の偏りを解消することもできます。

 

定期的な面談では、自身の働き方に対する思いも伝えられる良い機会になり、それが結果的に会社がテレワークを評価する機会にも繋がります。

 

 

 

個人レベルでできることでいえば、あなたと同じようにテレワークで働く同僚と、コワーキングスペースなどで一緒に作業をするというのも、一つの方法です。

 

お互いの存在がモチベーションにもなりますし、孤独感や疎外感を遠ざけてくれます。

 

 

 

ほかにも、同じようなテレワーカーがいるなら、交流を図るのもおすすめです。

 

業種や職種が異なっても、テレワークでの悩みを相談できたり、お互いにテレワークでの困りごとがあったときに情報交換がしやすいといったメリットもあります。

 

 

 

実際、私のようなライターは、個々で活動をしている人が大半でチームを組んでいる人はあまり多くありません。

 

そのため、情報が偏りやすいこともあり、フリーランス同士が交流の場を持つこともよくあります。

 

お互いの仕事の詳細は明かせなくても、業務で効率化を図る方法や、コストカットのヒントなどを話し合ったりして、業務に活かすことも少なくありません。

 

 

 

 

まとめ

 

テレワークは、ライフスタイルに合わせて働ける大変魅力ある労働体系の一つです。

 

メリットがあるということは、必ずデメリットもあります。

 

ですが、そのデメリットは個人レベルで対処できるものもあります。

 

 

 

まだまだテレワークは一般的とは言い難いものですが、今後普及されていくことは間違いありません。

 

そういう点では、会社側はもちろんのこと、社会全体で見てもテレワークによる働き方は手探りの真っ最中だといえるでしょう。

 

 

その中の1人にあなたがいるならば、今置かれている立場で感じたことや思っていることはとても貴重な意見です。

 

あなたの意見をもとに働き方を改革し続けていくのも、一つのやりがいに繋がるかもしれません。

 

 

<参考・参照サイト>

[1]心リハNOW Vol.2」(心臓血管病専門病院 豊橋ハートセンター)

[2]テレワークの普及で期待される柔軟な働き方」(大和総研)

 

 


この記事を書いたのは

浜田 みか
浜田 みかライター
【フリーライター/作家/電子書籍編集者】家事が苦手のママライター。いつもどうやって手を抜こうか考えています(笑)一番の趣味は、カメラと散歩と海外小説。相棒のEOS Kissを片手に、あちこちを飛び回っています。