東京などの大都市で暮らすのも便利で刺激的ですが、自然豊かな場所で暮らすのも同じくらい魅力的ですよね。田舎暮らしや移住がブームの昨今、将来的には他県に引っ越す計画を立てていたり、密かに移住に憧れている人もいるのではないでしょうか。
地方に移住した人の中には、フリーランスとして自分の仕事をしながら自治体が提示した仕事をして生活している人もいます。このようなスタイルで生活することで、自然と触れ合い、地域のコミュニティにもより深く関われるようになり、移住先での暮らしをさらに充実させることができるようです。
今回は、各自治体が提示している移住する際に便利でお得な情報を調べてみました!
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空き家バンク
日本全国に約820万戸あると言われている空き家。各自治体では、「空き家バンク」という取り組みを通して、空き家物件をホームページなどで公開しています。空き家所有者が自治体に登録することで情報を公開し、移住希望者がその情報を元に空き家を購入したり、借りることができる仕組みになっています。
空き家バンクに登録している物件であれば、リフォーム費用を負担してくれたり、家賃を補助してくれる自治体もあります。リフォームすればまだまだ住むことができる家がたくさんありますし、都会では考えられないほど広い家に住むことも可能です。この制度を利用しない手はないですよね。
さらに、空き家を自分好みにリフォームして、古民家カフェや民宿などをする人も多いようです。これならフリーランスの仕事をしながらでも移住先で無理なく働くことができますね。
【参考情報:関連サイト】
ニッポン移住・交流ナビ JOIN – 田舎暮らしを応援します -「空き家情報」
農林水産業
農業・林業・畜産業・漁業など、各地域の一次産業に貢献するのも一つの手段です。「兼業農家」のように、他の仕事と兼務したり、暮らしの一部に取り入れる「半農X」と呼ばれるスタイルで暮らす人が増えています。「兼業農家」を目指す人向けに、研修費用として、毎月一定の金額を支給してくれる自治体もあります。
「半農X」は、自給規模の農業に携わりながら、自分の生きがいとなる仕事であるXを持つ働き方。仕事の配分次第では、フリーランスで仕事を持っている人にとって、挑戦しやすい暮らし方ではないでしょうか。
〔働き方の例 1〕狩猟
地域によっては、シカやイノシシなどの生物が増加して、作物被害が深刻な問題となっています。しかも、このような害獣を駆除する人手も足りない状況にあります。
そこで、猟師として活動する人を増やすべく、自治体はさまざまな取り組みを行っています。全くの未経験からでも狩猟免許を取って狩猟者になれるようサポートをしていたり、狩猟免許を取得して間もない初心者の育成を目指している自治体もみかけます。
狩猟というと、男性のイメージが強いかもしれませんが、女性で猟師を目指す人も増えているそう。狩猟をした後、シカの皮で財布を作って販売したり、自身が営むカフェで仕留めた獣の肉を加工して提供している人もいます。
〔働き方の例 2〕林業
林業に従事する人の人口もここ10年ほどで増加しているようです。林業は朝早く仕事を開始して、夕方前には終わるタイムスケジュールであることが多く、家族団らんや自分の時間を持つハードルも低いのが特徴です。フリーランスの仕事をしながらでも、比較的続けやすいのではないでしょうか。
地域によって差はありますが、林業に1日従事した場合の報酬は約1万円前後と言われており、収入面でも暮らしを支えてくれそうです。
また、珍しい木を必要としている人や企業へ流木を売る”流木ビジネス”も近年注目されており、チャレンジしてみる価値がありそうです。
事業の継承
地方の過疎化によって、後継者不足も深刻化しています。技術や農地、施設などを次の代へ継がせたい人が、全国にはかなりの数で存在するのです。その後継者として、事業を引き継ぐ形で仕事を得ることもできます。
例えば農場を継承する場合は、現経営者から経営管理や技術のノウハウを教えてもらい、両者の合意があれば農場の経営を引き継ぐことができます。後継者になるということで責任はありますが、その土地に根付きたいと考えている人にとっては良い選択ではないでしょうか。
伝統工芸などの職人として働いてみたい人には、研修生として奨学金がもらえる自治体もあります。
地域おこし協力隊
耳にしたことがある人も多いであろう「地域おこし協力隊」。各自治体が移住者に対して仕事を委嘱する仕組みになっており、応募して採用されれば提示された内容や条件に沿った活動をしながら移住先で暮らすことになります。期間はだいたい1〜3年以内の場合が多いので、ひとまず田舎暮らしをしてみたい人などはいいかもしれません。
各自治体によって、社会保険に加入できるところ、家賃を負担してくれるところ、助成金をもらえるところなど福利厚生は様々。「まちおこし」という目的はどこの自治体も共通していますが、活動内容も異なります。SNSを利用した広報・宣伝活動であったり、働き手がいない地域の農業や林業などを活動内容としている自治体もあります。自分の得意分野がある場合は、それを生かした仕事をすることも可能です。
【参考情報:関連サイト】
起業
起業に関する支援も多く見られます。新しい事業は地方の活性化に直接繋がりますし、やりがいもありますよね。起業する際にかかった経費の半分以上を負担してくれるところも多く、自分でビジネスをやりたいと思っている人は、支援のある自治体で始めてみるのも良いかもしれません。
地域の便利屋さんになってみる
求人情報としては表立って出てこないけれど、必要とされている仕事は実はたくさんあります。地域の便利屋さんのようなポジションとして働いてみると、予想以上に需要があるかもしれません。農家の収穫や、雪の多い地域の除雪作業などの季節によって発生する仕事や、宿泊施設の手伝い、広い庭の草刈りなど、永続的ではないけれどその時々で発生する仕事たち。特に若い世代が少ない地域では、労働力を必要としている人が多くいるようです。
このような仕事を紹介したり、インターンプログラムとして取り入れている団体もあるので、検討してみるのも良いかもしれません。
【参考情報:関連サイト】
まとめ
このように、地方では予想以上に労働力が必要とされています。「移住はしたいけれど、仕事があるか心配」という声も多いと聞きますが、フリーランスとして自分の仕事を持っていれば、今回紹介したような仕事と掛け合わせながら暮らしていくことで、収入面はある程度安定するのではないでしょうか。さらに、地域の人たちとのコミュニケーションも図ることができますし、地域に貢献している意識も生まれそうです。
こう考えてみると、フリーランスと田舎暮らしはとても相性が良く、会社員として働いている人よりもハードルは低いように感じます。
空き家バンクのような制度もうまく利用すれば、都会ではできないようなのびのびとした暮らしをすることができそうです。完全に移住すると意気込まなくても、数年単位で試しに移り住んでみるというのも良いかもしれません。
フリーランスならではの働き方で、夢の田舎暮らしを実現させてみてはいかがでしょうか。
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