好きな写真で食べていきたい!とフリーランスのカメラマンになったのに、なかなか収入が上がらない、仕事が増えないという人は多いようです。
自分で撮影した写真で収入を得ていくには、営業は必須。その方法は、被写体によって違います。
稼げるフリーランスのカメラマンの営業方法とはどんなものか。営業に必要な準備から被写体別の営業方法について、ご紹介します。
【準備①】ポートフォリオは最低1,000枚以上を用意する
ポートフォリオというのは、自分が撮影した写真や何かしらの媒体で使われた写真をファイリングしたもの。カメラマンをはじめとしたクリエイターにとって、自分の実績を見せるためには必要不可欠な営業道具の一つです。
『【フリーランスクリエイターの必須アイテム】ポートフォリオとは?』
も読んでみてください。
フリーランスのカメラマンがポートフォリオで見せたいものは、自分の撮影スキルやセンス。実績がほとんどない駆け出しのフリーカメラマンであっても、どんな写真が撮れるのかを見せられるポートフォリオは、自分を売り込むためにも必須です。
使用する枚数は、最低でも1,000枚。撮影を重ねるたび、ポートフォリオに追加していきましょう。
用意する写真は、レタッチ(写真の修正加工)していない素のものと、レタッチしたものの2種類を。対比して見せられるようにしておくと、レタッチの技術も見せることができます。
フリーカメラマンを起用する企業や事業者の多くは、レタッチを含めた撮影依頼することが多いもの。レタッチにも技術とセンスが要求されます。ポートフォリオはそうしたことも踏まえた内容で用意しておくのがベストです。
流行りを含め、さまざまな構図やシチュエーションで撮影された写真を用意しておくのもポイントです。
人物写真の場合
動きのない写真と動きのある写真を用意します。
いろいろなシチュエーションでいろいろな表情を、引きやアップなどのさまざまなバリエーションを交えて用意しておきましょう。
風景写真の場合
動きのあるものを静的に、動きのあるものなら更に躍動感を感じられるようにと、さまざまなパターンで準備を。風景の一部として動植物を使う場合も同様です。
アイテム写真の場合
必要であればモデルを起用したり、フレームに映る部分をコーディネイトしたりと工夫しましょう。
どう撮影すれば、そのアイテムの魅力が伝わるのかを考え、さまざまなパターン、シチュエーションで撮影したものを用意します。
【準備②】SNSをポートフォリオ代わりに用意する
ポートフォリオを常に持ち歩くことは難しいもの。ですが、仕事に繋がる出会いはどこに転がっているかわかりません。チャンスを逃さないためにも、SNSをポートフォリオの補助として用意しておきましょう。
SNSに写真投稿し、タグを使って検索にも対応できるようにしておきます。並行して、ブログサイトを開設し、そこに掲載していくのもいいですね。
ブログサイトを開設する場合は、無料のブログサービスを使わず、面倒であっても自分でサーバーなどを用意して独自サイトを用意することをおすすめします。無料ブログだと一方的に閉鎖に追い込まれるリスクがありますが、独自ブログならその心配はありませんし、営業の窓口としても利用しやすいというメリットもあります。
掲載写真には名前や屋号の印字を
SNSやブログを用意したら、ポートフォリオ同様に常に更新していきます。
写真には、無断転載や不正利用を避けるためにも、必ずクレジットを付けておきましょう。無断使用されてしまった写真は、二度と商用として利用することができなくなります。写真の中央に大きく撮影者の名前や屋号名を入れて対策を。
名刺にURLやIDの印刷を
ブログやSNSを開設したら、名刺にURLやIDを加えておきましょう。
これで、ポートフォリオを見せられなかったとしても、いつでも写真を見てもらうことが可能です。
フリーランスの名刺について詳しくは
『フリーランスは名刺にこだわろう!』
の記事を参考にしてください。
【営業方法】人物が被写体の場合
ファッション系雑誌を扱っている出版社や広告関連企業、最近ではWEBマガジンで人物写真を撮るカメラマンに、フリーカメラマンを起用している運営会社もあります。
そうした雑誌社や広告会社が相手の場合、直接ポートフォリオを持ち込み、売り込む方法が一般的です。門前払いされることも多いので、飛び込みで行く場合「最初は断られるのが当たり前」くらいの覚悟は持っておきましょう。
WEBマガジンの場合は、運営者にメール等でアポイントを取ってからポートフォリオを持って行きます。事前に写真を送ってほしいと言われることもありますが、この場合はクレジット入りの写真を送り、クレジットなしの写真は会った時に見せるようにしましょう。
他には、無料や定額で写真をダウンロードできるWEBサイトに、契約カメラマンとして登録する方法もあります。
【営業方法】風景が被写体の場合
雑誌社や広告関連企業、WEBサイト以外では、自治体の観光関連事業、マイナーなところでは不動産関係といったものもあります。
不動産関係では、物件の周辺地域の環境をWEBサイトにアップするために使われることが多いようです。この場合、母体企業と契約するパターンと、フランチャイズの各店舗の管理責任者と契約するパターンがあります。
不動産物件の場合は、定期的に需要があるため、収入源の一つとして持っておくといいかもしれません。
【営業方法】アイテムが被写体の場合
出版社や広告関連企業以外だと、飲食関係や小売業者、卸問屋、WEBショップなどが、フリーカメラマンに依頼して商材撮影しています。
こうしたところでは、表立ってカメラマンを探すことはあまりなく、業界の横繋がりで紹介を受け、同じカメラマンがいろいろな商材撮影をしているパターンが多いようです。
経営母体によっては、専属や業務委託など契約パターンがありますから、まずは事業者にアポイントを取って、ポートフォリオを見せるようにしましょう。
ポートフォリオが溜まったらフォトエージェンシーと交渉しよう
TVでも目にするアマナイメージズやアフロといったフォトエージェンシーには、世界規模でカメラマンが在籍しています。ですが、そのほとんどがフリーランスのカメラマンです。
ポートフォリオが1万点を超えたら、ぜひフォトエージェンシーへの売り込みにチャレンジしてみましょう。
その際、必ずポートフォリオの提出が求められます。用意しておく写真点数は、多いに越したことはありません。エージェンシー在籍のカメラマンに伺ったところ、100万点以上のポートフォリオを提示する人もいたそうです。
実績よりもスキルを重視してくれる傾向があるフォトエージェンシーでは、さまざまなバリエーションの写真を枚数勝負で提示すると、契約されやすいようです。
また、年齢も定年などがありませんから、何歳でも契約できるのが夢があっていいですね。
(前出のカメラマン曰く、契約カメラマンで最高齢は80代だそうです)
最後に
余程の売れっ子カメラマンでない限り、じっと待っているだけでは仕事は増えることはありません。カメラマンは、とても人口密度が高い職種。自分からどんどん飛び込んで、仕事を獲得していくことができなければ、他のカメラマンに仕事が奪われていく一方です。
その中で、高収入を得ているカメラマンは、ごく一部。そこに食い込んでいきたければ、常にアンテナを張り、チャンスをものにしていくことが大切です。
この記事を書いたのは
- 【フリーライター/作家/電子書籍編集者】家事が苦手のママライター。いつもどうやって手を抜こうか考えています(笑)一番の趣味は、カメラと散歩と海外小説。相棒のEOS Kissを片手に、あちこちを飛び回っています。
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