フリーランスとして仕事をはじめようとして、クラウドソーシングサイトへ登録するときや、仕事の問い合わせを受けるときに「ポートフォリオ」という言葉を聞くことがあると思います。
フリーランスのクリエイターに必要とされる「ポートフォリオ」とはどんなものなのか、どのように作成していけばよいのかを解説していきます。
1.フリーランスクリエイターにとってのポートフォリオとは
(1)さまざまなポートフォリオの意味
ポートフォリオとは、もともとは書類を運ぶケースを意味しますが、さまざまな意味で使われています。投資をしている人であれば投資の組み合わせという意味で使われていますし、教育業界であれば生徒たちの個人評価ツールという意味で使われています。
では、フリーランスクリエイターにとってはどのような意味で使われているのでしょうか。
もともとクリエイターが転職をするときに、いくつかの過去の作品をファイリングしたものなどを採用担当者に見せるという慣習がありましたが、それが発展したものがポートフォリオということができます。フリーランスという働き方が認知されている業界では、ポートフォリオの提出も常識になってきています。
(2)フリーランスクリエイターにとってのポートフォリオ
フリーランスクリエイターにとってポートフォリオは、自分のかかわった作品やその作成に使った期間、スキル、どのようなコンセプトでその作品を作成したのかという思い入れをアピールする重要なツールとなります。
面接時などは紙媒体でのポートフォリオも提出されますが、フリーランスがWeb上で自己PRをするためのポートフォリオは、Web上で自分のサイトを持ちその中でポートフォリオをまとめています。
フリーランスクリエイターとして、どのような形で仕事の依頼を受けていこうと思っているのかにもよりますが、Web上で発注を受けるような方法をとっている場合にはWeb上で自分のポートフォリオを事前に用意しておくことが、仕事の依頼を受けるチャンスを増やしていくことにつながりますので、ポートフォリオに作成には力を入れていきたいですね。
(3)ポートフォリオの公開をするとよい職種
ポートフォリオはどのような作品を作成することができるのかといった情報を公開するために最適のツールといえます。
・CGデザイナー
・イラストレーター
・コピーライター
・ゲームクリエイター
・ゲームデザイナー
・Webライター
といったクリエイティブな活動に関係するフリーランスは、仕事受注時に過去の作品を見せてくださいといった要望を受けることが多いので、ポートフォリオを公開しておくと便利だといえます。
2.ポートフォリオ作成の準備
(1)ポートフォリオ作成の目的
ポートフォリオを作成する前に、ポートフォリオはどのような目的で作られるのかを考えてみましょう。クリエイターの採用担当者がどのようなことが知りたくてポートフォリオを見るのか、を考えることが大切です。
ポートフォリオを作成する目的は、まずどのような作品を作ることができて、そのような経験やスキルを持っているのかを知ってもらうために作成します。そのときには、どのような意図をもってその作品を作ったのかの情報があるとPRに役立ちます。
さらに、作品だけではなく仕事への取り組み方や自分の強みなどをPRするために、仕事の制作プロセスなどを公開します。作品だけではなく自分がどのような人物かということを評価してもらうための情報になります。
採用担当者にとっては、一緒に仕事をしていきやすい人物かどうかの情報も大切なので、ポートフォリオで仕事をとろう、と思っている方はこのような付加情報にも力をいれてポートフォリオを作成しましょう。
(2)Webページを準備する
自分の過去の作品やそのほかの情報を組み合わせたポートフォリオを公開するためには、自分のWebページが必要になります。実際に会う面接を行う場合や郵送の場合は紙媒体のポートフォリオが必要なこともあります。
Web上でのポートフォリオはサイトでのPR、紙媒体でのポートフォリオは自分のパンフレットでのPRと考えれば、イメージがつきやすいのではないでしょうか。
できれば自分のドメインを取得してサイトを公開できると良いと思いますが、レンタルサーバーやレンタルホームページなどで公開しても特に問題はありません。
3.ポートフォリオ作成時の注意点
(1)どのようなポートフォリオが望ましいか
ポートフォリオは、できれば履歴書のように仕事の応募ごとに最適化した情報を掲載することが望ましいといえます。
しかし、フリーランスクリエイターとしていくつも仕事を受注していく場合には、ポートフォリオの作成に時間がかかってしまって実際の仕事ができないということになってしまっては、本末転倒となってしまいます。
受注する仕事のパターンにあわせていくつかのポートフォリオを準備したり、作品と自己の経歴を別々にして組み合わせることによって作品を紹介することができるように工夫することが考えられます。それも大変であるというときには、自分の受注したい仕事のどんなパターンにも対応できるように事前に工夫して、ポートフォリオを作成すると良いでしょう。
(2)ポートフォリオに掲載すべき情報
フリーランスクリエイターのポートフォリオには、最低限、次の情報を掲載しておくようにしましょう。
・過去の作品の画像など
過去に自分の作成した作品の画像を、スクリーンショットなどでキャプチャをして紹介するようにします。
このときに気を付けなければならないのが著作権です。自分が過去にかかわった作品の著作権はクライアント側にあることが一般的ですので、事前に許可を得ておきましょう。許可をとることができないような場合には、ポートフォリオ用の自分の作品を新たに作成して、画像を掲載するのもひとつの方法です。
実際に掲載サイトがある場合には、URLのリンクをはっておくのもよいでしょう。URLは変更されることや削除されることもあるので、リンク切れに注意をしておく必要があります。
・制作過程
どのくらいの期間で制作したのか、制作するために使ったソフトやスキル、その作品を作成したスキル以外にも使うことができるスキルがあればそのスキルを書いておくと、PRにつながります。チームで作品を作成している場合には、自分の役割についても書いておくとよいでしょう。
・コンセプト
その作品への思い入れや作品を作るときにはどのようなことに力を入れるのかを書いておくと、採用担当者が仕事を依頼したい人物かどうかの判断材料になります。
4.まとめ
フリーランスのクリエイターにとっては、仕事に応募して仕事を受注できるかどうかは、仕事を続けていく上でとても大切なことです。ポートフォリオはそのための重要なツールとなります。
特にWeb上で仕事を受注する場合には、採用担当者の判断材料としてはポートフォリオが主なものとなってきます。このことを念頭において、ポートフォリオを作る場合には内容だけではなく、構成デザインなどにもこだわり作成していきましょう。
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