フリーランスや副業者として仕事をしていて引っ越しをしたときには、税務署や役所などに届出書を提出しなければ、いざ確定申告や保険支払いのときに住所を変更していなかったために、手続きがスムーズにいかないことがあります。また、必要なお知らせが届かなくて支払いを忘れてしまったという事態にもなりかねません。
住所が変わったときには、しっかりと住所変更の手続きをするようにしましょう。
今回は、フリーランス・副業者が住所変更をしたときにしなければならない手続きをまとめました。
目次
税務関係の手続き
フリーランスや副業で個人事業主として開業届を出している場合、開業届を出した税務署で確定申告の手続きをします。自宅を納税地として届け出ている場合は、引っ越しをすると納税地の異動届が必要になります。
自宅とは別の事務所などを納税地として届け出ている場合には、その事務所の住所に変更がなければ住所変更をする必要はありません。ただし、納税地としている事務所などを引っ越した場合には、納税地の異動届が必要になります。
所得税・消費税の納税地の異動に関する届出書
「所得税・消費税の納税地の異動に関する届出書」に必要事項を記入した上で、税務署に持参するか、電子申告を利用している場合にはパソコン上で提出します。
ここで気をつけなければならないことは、この「所得税・消費税の納税地の異動に関する届出書」は、異動前、つまり引っ越しをする前の管轄税務署に届出書を提出しなければならないということです。少し前までは、異動前と異動後の両方の税務署に異動届を提出しなければなりませんでしたが、法改正によって異動前の税務署のみに提出すればよくなりました。
引っ越しをしてしまってからだと、引っ越し後の管轄税務署に提出をしてしまうという間違いをする場合があります。引っ越し前の管轄税務署に異動届を提出しなければ、税務手続きをスムーズに進めることができなくなってしまうので注意しましょう。
給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書
スタッフを雇っていて給与の支払いをしている場合には、給与支払事務所等の開設届を提出していると思います。この場合には、「給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書」を提出する必要があります。提出先は、引っ越しをする前の管轄税務署です。
振替納税の手続き
税務署への税金の支払いを、自動で金融機関から引き落とされるようにできる振替納税という制度があります。引っ越しで管轄税務署が変更になった場合には、振替納税の手続きをもう一度しておかなければなりません。この手続きをしないと、税金を支払うときに現金で支払いにいくことになります。
社会保険の住所変更手続き
フリーランスで個人事業主をしている方の多くは、国民健康保険と国民年金に加入していると思います。国民健康保険や国民年金は、引っ越しをして市役所で住民票の移動をする手続きをするときに案内があると思います。何も手続きをしなくても請求がくることもありますが、支払手続きをスムーズに進めるためには住所変更の手続きをしておくことをおすすめします。
フリーランス、または業務委託として働く副業者の場合、職種によっては国民健康保険以外の健康保険に加入している場合もあります。その場合には、自分の加入している健康保険の住所変更手続きをするようにしましょう。
金融機関の住所変更手続き
フリーランスや副業で個人事業をしている場合、いくつかの金融機関を利用していることが多いですね。利用している全ての金融機関で住所変更の手続きをするようにしましょう。
インターネットを利用して金融機関を利用できる手続きをしている場合には、住所変更をインターネット上でできる場合があります。最寄りの支店などでも住所変更の手続きをすることができます。利用している金融機関をリストにして、住所変更のし忘れがないようにすることが大切です。
市役所での住所変更手続き
引っ越しをしたら、まず市役所で引っ越しをして住所が変更されたことを届け出る必要があります。同じ市町村内に引っ越しをしたのであれば、転居届を提出するだけですので手続きは簡単です。
違う市町村へ引っ越しをする場合には、引っ越し前の市役所に転出届を提出します。転出届を提出すると転出証明書を受け取ることができます。引っ越し後に引っ越し先の市役所に、転出証明書と転入届を提出します。このときに、本人確認書類等が必要となりますので、事前に市役所に問い合わせて必要書類を確認するとよいでしょう。
引っ越しでばたばたしていると、引っ越し前の市役所で転出証明書をもらうことを忘れてしまう場合があります。引っ越してから引っ越し前の市役所に出向くのは大変ですので、引っ越し前に忘れずに手続きをするようにしましょう。
免許証の住所変更、車の登録変更
フリーランスや副業者には仕事で車を使っている人も多いと思います。車で仕事を使っていなくてもプライベートで使う車を持っている場合には、車の登録をしている住所変更が必要になります。この変更をしないと自動車税の納付書が届かないため、納付が遅れるリスクがあります。自動車税を滞納すると延滞金が発生しますし、車検を通せません。
免許証についても忘れずに住所変更をするようにしましょう。身分証明書として免許証は頻繁に利用しますよね。免許証の住所変更をしていないと、いざ身分証明書が必要になったときに免許証を身分証明書として使えなくなってしまいますので気をつけましょう。
郵便局での手続き
引っ越し前の郵便局に、引っ越し後の住所を届出て、郵便物を引っ越し後の住所に転送してもらえるよう手続きをしておくと、しばらくの間は引っ越し前の住所に届いた郵便物も引っ越し後の住所に届けてもらえるので安心です。
もし、住所変更をし忘れていたり引っ越しのお知らせを忘れていた場合にも、郵便物が転送されてくることで気づけることもあります。
この記事を書いたのは
最新の投稿
- 2020年11月25日コラム日本の副業事情、アメリカと比較した考察 ―ギグエコノミーの視点から―
- 2020年10月28日はたらき方チェンジキャリアアップを考えているなら、まずは副業でチャレンジしてみるのがおすすめ
- 2020年10月22日はたらく知恵自由を維持するには努力が必須!フリーコンサルで長生きするための信頼関係
- 2020年10月21日はたらき方チェンジキャリアアップしたいならダブルワークが本当におすすめな理由