2018年に経団連の方針で副業が解禁されて以来、巷では副業が声高に叫ばれるようになりました。
エン・ジャパン株式会社が実施した1万人超えのアンケート結果によると、副業経験者は、副業に対して、「新たな収入源の確保」「ビジネススキルの獲得」「人脈形成につながる」というようなメリットがあると感じているようです。[1]
いわば副業をして当たり前のような時代の中で、「自分も副業を始めてみたいけど、何から始めたら良いか分からない」「周りも副業しているから、自分もやってみたい」などと考えている人もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで、今回は私の実体験をもとに、副業の始め方、副業のメリット・デメリットを説明します。
副業を受注できるサイトについても紹介するので、ぜひご自身の副業の足がかりにしてくださいね。
副業を始める前にすること:スキルの棚卸し
「副業を受注するぞ!」と意気込んでいる方、まずは落ち着いてください。
闇雲に副業を始める前に、やっておくべきことがあります。
それは「スキルの棚卸し」です。
スキルの棚卸しとは、ご自身のキャリアを振り返って「自分には何ができるのか」「自分は何が得意なのか」を再認識する作業です。
これをしておけば、どのスキルが副業に役立つか、どんな副業ならスムーズに取り組めるかを把握できます。
せっかく今までいろいろなことを経験しているのですから、ぜひ副業をするときにも活かして、最大限成果を発揮しましょう。
「スキルの棚卸し」の方法
それでは、スキルの棚卸しの方法を具体的に見ていきます。
まずは「仕事」について考えてみましょう。
例えば、私はエンジニアとして仕事をしているので、ITに関する基礎知識やプログラミング技術をスキルとして挙げることができます。
このように、仕事におけるスキルは、普段の仕事を振り返れば、いくつか浮かんでくるはずです。
次に探すべきは、「趣味」です。
例えば、私の趣味は読書です。
本を読むときには、メモ書き程度ではありますが、感想を書き記すことが習慣です。
このような文章を書くことが好きなので、「文章を書くこと」も私のスキルにカウントできます。
「え?それぐらいでもスキルとしてカウントして良いの?」と思われた方もいらっしゃるかもしれません。
もちろん問題ありません。
今は「スキルの棚卸し」の真最中です。
むしろ、副業のきっかけ、チャンスの幅を広げるために、どんどんアイディアを出していきましょう。
この段階で、スキルのレベルは気にしなくても大丈夫ですよ。
クラウドソーシングサイトやエージェントサイトに登録する
スキルの棚卸しが無事に済んだら、いよいよ副業を見つけるためにサイトに登録しましょう。
副業サイトは、クラウドソーシングサイトとエージェントサイトに区分できます。
クラウドソーシングサイトとは?
クラウドソーシングサイトとは、クライアントとワーカーをサイト上で結びつけるプラットフォームのことです。
クライアントがサイト上に仕事を掲載し、やってみたいと希望するワーカーがこれに対して応募。
クライアントが了承すれば契約が成立するという形式でやり取りが進みます。
日本では2012年前後に登場してきたサービスであり、以下の2社が業界のリーディングカンパニーです。
①ランサーズ
②クラウドワークス
①ランサーズ
「ランサーズ」は、日本におけるクラウドソーシングビジネスのパイオニア企業です。
システムの仕様やデザインも使いやすく、多くの案件が掲載されています。
案件規模もさまざまなので、初心者のワーカーでも利用しやすいのではないでしょうか。
②クラウドワークス
「クラウドワークス」は、企業実績こそ浅いものの、業界における存在感は日本を代表すると言っても過言ではありません。
ランサーズと同様、クライアント及びワーカーの両者にとって利用しやすい環境が整備されています。
副業エージェントサイトとは?
副業エージェントサイトとは、クライアントとワーカーの間をエージェントが取りもつことによって仕事の発注受注が進められます。
クライアントとワーカーがインターネット上で仕事をやり取りする点はクラウドソーシングサイトと同様です。
しかし、このエージェントの介在が最大の相違点です。
エージェントは、クライアントとワーカーそれぞれに対して、要望などをヒアリングします。
どのような人材が欲しいのか、あるいは、どんな仕事に挑戦したいのか、という具合です。
両者のニーズがマッチすると認められた場合に、エージェントが双方を結びつけます。
ここでは、以下の4つについて簡単に紹介します。
①シューマツワーカー
②プロの副業
③クラウドテック
④副業ポータル
①シューマツワーカー
「シューマツワーカー」は2016年設立のエージェントサイトで、スタートアップ企業を中心に副業案件を取り揃えています。
したがって、事業の立ち上げやシステムの初期構築から携わりたい人にはおすすめです。
②プロの副業
「プロの副業」は、2008年に設立された副業エージェントサイトです。
Webマーケター、Webディレクターと言った、Web系職種の案件が豊富に扱われています。
週1日から、土日のみ稼働可、というように、ライフスタイルに合わせた柔軟な働き方が可能です。
③クラウドテック
「クラウドテック」は、クラウドワークスの運営企業が提供する副業エージェントサイトです。
エージェントとの面談から最短3日で案件に参画できるというスピード感が大きな魅力の1つです。
また、案件終了後にはフィードバックバックに応じてくれるなど、しっかりとしたサポート体制も整っています。
④副業ポータル
「副業ポータル」は、営業・エンジニア・マーケティング・採用をメインとしている副業エージェントサイトです。
今まさに成長中のベンチャー企業を中心に、勢いのある会社がクライアントとして名を連ねています。
腕試しやスキルアップをしたい方におすすめです。
クラウドソーシングサイトと副業エージェントサイトの共通点・相違点
両者ともインターネットを介して、仕事の受発注を行っている点は同じです。
両者の大きな違いは、「不特定多数のワーカーが応募できるか否か」です。
クラウドソーシングサイトでは1つの仕事に対して不特定多数のワーカーが応募できますが、エージェントサイトにおいてはエージェントが応募可否のコントロールを行います。
どちらにも登録すれば、積極的に案件の受注を狙えます。
この2種類のサイトに登録した後は、副業の募集内容と自身のスキルを比較してみましょう。
例えば、私の場合は、「ITに対する基礎知識」「プログラミング」「ライティング」をスキルとしてあげました。
このスキルと関連するような募集案件を見つけることができれば、仕事の受注に繋がるはずです。
プログラム作成案件やITの基礎知識の解説、IT業界の展望に関するライティングがこれに当たります。
副業を行う上での注意点
ここからは、副業を行う上での注意点を説明します。
1点目は、会社の許可です。
2018年を起点として副業が解禁されつつありますが、それでも副業禁止の会社は少なくありません。
副業禁止の会社に就業している場合は、勝手に副業を始めてはいけません。
必ず副業開始の許可を得るようにしてください。
なぜなら、副業での所得が一定額以上になると、税金が発生するからです。
会社では、従業員の所得関係の書類を取り扱っているので、副業での収入はいずれ会社に露見します。
もちろん、すぐに厳しい処分がくだされるとは限りませんが、少なくとも副業禁止の規定には抵触するわけです。
社内規則を破った従業員の査定等に悪影響を及ぼすことは間違いありません。
2点目は確定申告についてです。
副業での収入が年間20万円を超えると、確定申告が必要となります。
確定申告は準備や手続きが多く、慣れない人にとって手間がかかります。
ただ、副業人口の増加にともない、確定申告の方法を解説したサイトも増えてきています。
確定申告に使えるアプリやソフトもあるので、ぜひご活用ください。
副業を行うメリット・デメリット
副業を行うメリット・デメリットを紹介します。それぞれ確認していきましょう。
メリット①:収入が増える
副業をすれば、自ずと収入は増えます。
普段の給料に加え、自由に使えるお金が1万円増えたらどうでしょうか?
欲しい物を買ったり、貯金に回したりできます。
メリット②:リスクヘッジができる
2020年に入ってから、一層先行きの見えない世の中になってきました。
今働いている企業が大きくても、倒産する可能性もゼロではなくなりました。
そのような場合でも会社以外での収入源があれば、収入に対する不安も少しは減ることでしょう。
メリット③:独立する準備になる
今は企業に雇われているが、将来はいずれ独立したいという方に、副業はうってつけです。
副業をするときには、すべての仕事を自分で行わなければいけません。
案件を獲得から始まり、業務の完遂、アフターフォローも自分一人で行う必要があります。
書類関係の事務仕事も発生するので、まさにプチ独立を体験することができます。
副業を始める前に、独立後いくら稼げるのかといった目安を立てることができます。
デメリット:休みが減る
基本的に、副業は、本業以外の時間で行うものです
当然、休める時間が減ります。
平日は本業で忙しいのに、週末も働くことになるので、心身のリフレッシュをはかりづらいでしょう。
ただ、趣味と実益を兼ね備えた副業の場合であれば楽しみながら副業ができるので、このデメリットを回避できます。
最後に
いかがでしょうか。
今回は副業の始め方について、紹介しました。
2018年に副業が解禁されて以来、副業は一般的な労働になりつつあります。
特にネットの発達した現代では、雇い手と働き手がスムーズに結びつく土壌が整っています。
今後も副業は私たちに浸透していくことでしょう。
この記事を通じて、あなたの新しい副業ライフの足がかかりにしていただければと思います。
<参考・参照サイト>
[1] 「1万人が回答!「副業」実態調査―『エン転職』ユーザーアンケート―」(エン・ジャパン(en-japan)、2019/08/22)
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