個人の限界を超えよう!フリーランスがチームで活動する5つのメリット
働き方改革による収入の低下[1]と副業解禁の流れから、週末起業的にフリーランスと会社員を兼業する人が今後増えてくることは十分予想できます。
クラウドソーシングサービスを含め、顧客獲得の争奪戦が繰り広げられるようになるでしょう。
このような流れに個の力で対応するには限度がありますが、チームになることで個人の限界を超えることが容易になります。
それは、フリーランスがチーム活動をするメリットにも繋がっているのです。
自分の得意分野に打ち込める
最も大きなメリットに「自分の得意な仕事だけに専念できる」という点があります。
個人で活動をしていれば、本作業と並行して経理・労務・営業などの業務を行わなければなりません。
苦手な作業は外注すればいいという考え方もありますが、売り上げと外注費が見合わなければ、外注することさえ難しいものです。
ところが、チームを組むことで、仕事のほとんどの時間を本作業に費やすことができるようになります。
まだチーム活動をしていなかった頃、私も営業・経理などの周辺業務から本作業までの全てを一人でこなしていました。
ですが、チーム活動を始めてからは、自分がやるべきことをスケジュール通りにするだけで、それ以外の業務にさほど時間を使う必要がなくなったのです。
営業活動をしなくても仕事を受注できる
チームには必ずリーダーになる「ディレクター」がいます。
チーム活動では、ディレクターがプロジェクトの窓口や業務の進行管理を行い、チームメンバーの選出も行います。
選出は、ディレクターの人脈や、参加したメンバーの知人・友人、インターネットで募集をかけて応募してきた人のなかから、プロジェクトの内容に合致する人が選ばれます。
私の場合、知人がディレクター業をしており、頻繁にタッグを組んで仕事を受注していることもあって、プロジェクトの企画が上がった段階で彼女から直接打診されています。
おかげで、ここ半年以上、私はほとんど営業活動をしていません。
何度も声をかけてもらえる理由を尋ねると、プロジェクトへの貢献度の高さがあるとのことでした。
具体的には、求められる結果へのコミット力や提案力などから安心して仕事を任せられるということです。
こうした安心感こそが、次の案件で再び声をかけてもらえる理由なのだろうと考えています。
横のつながりが増える
チームで活動すると、自然と横のつながりが生まれます。
これは、プロジェクトを共に成し遂げることによって、互いの人間性を知るからでしょう。
互いに知らない者同士であれば、プロジェクトの進行度に応じて、相手が信用に値するかどうかを判断します。
スムーズな進行とプロジェクトの達成に貢献すれば、この人とならプロジェクトを成功に導けるという信頼感が持てます。
しかも、進行に伴って互いのスキルへの理解度も深まります。
これらのことから、他のプロジェクトや案件があったときに「まず、この人に相談してみよう」と考えるようになるのです。
私も何度かチームでプロジェクトを経験しましたが、そのたびに横のつながりが増えているのを実感しています。
プロジェクト終了後、チームは解体されてしまうのですが、その後も交流が続いているからです。
こうしたつき合いがあると、別件で「○○ができる人を探している」といった情報を得たときに、最初にお互いを推薦するという流れが生まれます。
これまでにイラストレーターやWEBデザイナー、DTPなどを請け負うCGデザイナー、営業代行など多業種の方とチームメンバーになってきました。
ライターはこれらの業種との相性も良いので、有難いことにいろいろな業務でお声がけをいただいています。
結果、知り合いが増えるに従い、自ら営業活動をせずとも仕事を得られる機会が増えてきたのです。
能力強化できる
チーム活動になると、必然的に関わる人が増え、想定外のことが起こる確率が高まります。
一般的に想定外の事態はあまり好まれるものではありませんが、判断力や決断力が付くのは意外とこうしたイレギュラーに対峙したときなのです。
ちょうど今、私は本稿執筆と並行して、チームで不動産関係のカタログ制作を行っているところです。
全員がフリーランスで、個人の業務を抱えながら作業をしており、なかには別の仕事をしながら副業でフリーランス活動をしている人もいます。
いろいろな立場の人がいるため、時にはスケジュールに遅れが生じることもあります。
こうしたとき、ただ待つだけなのか、状況を打破する策を打ち出せるかで育つ能力が異なります。
協調性が大切とはいっても、時と場合によります。
指示を待つだけが協調性ではありません。
求められる納品物をつくるという目的を達成するために、必要であれば担当業務の範囲を越えてでも、意見することも大切でしょう。
また、周りの進捗状況を見ながら、できることを都度相談しながら進めていくことで判断力や想像力、行動する際の決断力など、個人活動では身につきづらい能力も強化できます。
このほかにも、チーム活動で大勢とコミュニケーションを取るため、伝達能力も高まります。
テレワークだったり、活動場所が異なると、やり取りの中心はSlackやチャットワークといったチャットツールになりがちです。
文字によるコミュニケーションは、対面コミュニケーションとは違い、齟齬がないよう明確かつ明瞭に伝えなければなりません。
複数人でツールを使っていると、作業が進むにつれて、1つのスレッドのなかにさまざまな情報が錯綜することもしばしばです。
こうした場合には、次のことに留意しています。
・主語が長くなっても指示語を極力使わない
・1:1でメンバーと会話をする際も、作業に関する話題は全てオープンな場でやり取りする
・メンションを付けて、誰に対する発信なのかをわかるようにする
・こまめに進捗報告をして、作業の目処を明確に伝える
どれも当たり前のことですが、個人活動に慣れすぎてしまうと、ついつい自分のペースだけで作業をしてしまいがちです。
チーム活動は、見方を変えれば協働です。
協調性を持って作業することが必要なのです。
経験値が増える
チーム活動は、個人で仕事をするほどの気楽さがない反面、個人では得づらい経験ができます。
たとえば、私は不動産関係について建築や設計に関する知見はあっても、売買についての知見がありません。
そんな私が個人で不動産売買に関する仕事を受注しようとしても、なかなか難しいものです。
ところがチーム活動であれば、互いの人脈から未経験の仕事をすることが可能です。
経験の幅が増えれば、その分だけ今後の活動に必ずプラスになるはずです。
以前、きものに関するカタログ制作に参加したことがありますが、その当時もきものに関する知識はほとんどありませんでした。
しかし、カタログを作ったという実績が残ります。
その後、不動産売買のカタログ制作受注では、ディレクターとともに商談に赴いた際、クライアントからカタログ制作への実績を問われる場面がありました。
きもののカタログ制作実績があることを伝えると、無事案件受注に繋がり、チーム活動による経験値に感謝したものです。
最後に
個人活動の多いフリーランスですが、個々人で対応できる仕事には限界があります。
今後、組織にとらわれない働き方をする人がさらに増えていくことを考えれば、フリーランス一人ひとりが差別化を図ることは、現状よりも益々難しいものとなるでしょう。
その結果、顧客の争奪戦が繰り広げられ、状況は熾烈化すると予想できます。
そうした現実を目前に迎えてから、動き出しても遅いのです。
未来の状況を見据え、他人よりも良いポジションで潮流に乗るには、スキルに応じたチームに参加し、自身のパフォーマンスを最大に発揮する環境を早い段階で手に入れておくことではないでしょうか。
<参考・参照サイト>
[1] 「9時強制退社で消えた月4〜5万円。生活はどう変わる?GDPへの影響は?」(BUSINESS INSIDER JAPAN)
この記事を書いたのは
- 【フリーライター/作家/電子書籍編集者】家事が苦手のママライター。いつもどうやって手を抜こうか考えています(笑)一番の趣味は、カメラと散歩と海外小説。相棒のEOS Kissを片手に、あちこちを飛び回っています。
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