昨年4月にフリーランスのライターとして開業した私は、現在フリーランス2年生。
昨年1年間を振り返ってみると、仕事をご依頼いただいたメディア数は約20社、書いた記事の本数は120本以上!
「明日には仕事がなくなるかもしれない」というフリーランスならではのプレッシャーを感じつつ、とにかく頂いた仕事に真摯に向き合うという気持ちで頑張ってきました。
会社員時代に比べ、フリーランスはしがらみがなく気楽で、メールのやり取りだけで仕事ができてしまうというメリットがあります。
しかし、顔の見えない付き合いにはデメリットもあります。
契約の時点で、クライアントの社風や担当者の性格などを見抜くことは困難です。
また、実際に仕事を開始した途端、会社員時代の常識では考えられないような事態が発生することもあるのです。
私もこの1年間で「二度と仕事を受けたくない」と思ってしまうような、2つの地雷案件に出会いました。
まだライター初心者だった私は、それが地雷案件であることにも気づかず、「私はライターに向いていないのだろうか」と悶々としながら、終わらない仕事と向き合っていました。
今回は、そんな私の失敗談とともに、私が出会った2つの地雷案件について書いてみたいと思います。
編集長が高圧的だった!
私がその案件に出会ったのは、クラウドソーシングサイトでのこと。
ライターが記事を書くための、骨組みを作る企画書作成という案件の募集でした。
仕事の概要は以下の通りです。
●報酬: 企画書1本につき100円(手数料・消費税別)
●想定される月間発注数: 100〜300本
企画書1本あたりの報酬は低いのですが、仕事に慣れれば効率よく働くことができるかと思い挑戦してみることにしました。
最初にトライアルとして5本の企画書作成を依頼されたので、マニュアルを読みながら取り組んでみました。
その結果、特に修正もなく継続依頼となりました。
私の方でも、5本の企画書をまとめるために費やした時間は1時間程度。
この調子なら、作業に費やした時間に対しての報酬も低すぎず、慣れればスピードアップできると感じ、継続依頼を引き受けることにしました。
しかし問題が起こったのは、継続案件の仕事を納品したときです。
当初、業務に関する連絡はクラウドソーシングサイト上で行うと言われていました。
しかし、担当者から「納品以外のやり取りはチャットワークでお願いできないか?」と方針変更の打診を受けたのです。
理由は、企画書のフィードバックについて編集長と直接やり取りをしてもらいたいというものでした。
特に断る理由がなかったため、編集長とチャットワークで繋がったのですが、その途端、怒涛のフィードバック攻撃が開始したのです。
トライアルの時は修正無しだったにもかかわらず、継続になった途端に何度も修正依頼が届くようになりました。
まるで不意打ちされたような気分でした。
私が一番辛かったのは、その編集長からの辛辣なメッセージでした。
私が書いた企画書の内容についてのコメントだけでなく、ライターとしての素質、仕事への向き合い方など、人格的な部分にダメ出しするようなメッセージを受け取った時はとても傷つきました。
そして伝え方も乱暴でした。
しかし、その時の私は、先方の期待に沿えない自分が情けないという気持ちもあったので、精神的に打ちのめされながらも何度も修正依頼に応えました。
最終的には、先方が作成した企画書のフォーマットに関して文句を言われる始末。
仕方なくフォーマットの修正もしましたが、本来その仕事は私の業務範囲外ですし、文句を言われる筋合いもありません。
このままでは編集長の言いなりの都合の良い雑用係になってしまうと、その時にようやく気がつきました。
結局その段階で依頼されていた業務を全て完了すると、次の継続案件はきっぱりとお断りしました。
●トライアルと本契約で仕事のスタイルがガラリと(悪い方に)変わった
●担当者(編集長)がまるで暴君のように高圧的だった
●単価に対しての仕事量が多すぎた
このような地雷案件を避けるためには?
フリーランスはクライアントに対して、どうしても下手(したて)になってしまいがちです。
仕事をもらう立場なので、仕事を依頼してくれる相手には強く言えないというところがあるからです。
しかし、業務委託契約とは本来互いに対等なもの。
どちらか一方が必要以上に高圧的にふるまうことは、相手のモチベーションに悪い影響を与えてしまいます。
フリーランスだからといって、相手からの要望を全て受けず、フェアな関係を心がけることは大切ですね。
マニュアルが細かすぎた!
ライターの仕事を受ける際に、業務開始時にマニュアルを渡されることがあります。
業務の効率化や表記の統一のためのものなので、マニュアル自体に問題はありません。
しかし、その量や内容が度を越えていると、ライターにとって負担になってしまいます。
こちらの体験談は、そんな細かすぎるマニュアルを渡された時のエピソードです。
「専属ライター募集」「月20万円以上も十分可能」というキャッチコピーにひかれて応募してみたこちらの案件。
こちらもクラウドソーシングサイトで見つけた仕事で、条件は以下の通りでした。
●報酬:3,300文字で1,650円
●1ヶ月につき20記事以上
●画像選定あり
まずはトライアルとして3本を依頼され、チャットワークにてコミュニケーションを開始。
その時、クラウドソーシングでの仮払いが実際の対価よりも少ない金額に設定されていたのが気になったのですが、「システム上の都合」という説明があったのであまり深く考えずに業務をスタートしました。
スタートしてまず驚いたのはマニュアルの多さ。
19ページもあるマニュアルと、23ページもある記事作成ルールに目を通しているうちに、あっという間に数日が経過してしまいました。
しかも、マニュアル内容はとても細かいのです。
実際の業務では、毎回マニュアルと照らし合わせながらライティングを進めていく必要があり、書く作業よりもルールを守るための確認作業に時間を取られてしまいました。
さらに私が疲弊してしまったのは、チャットワークでの連絡方法やメール本文にもルールが指定されていたこと。
ルールを1ヶ所でも間違えてしまうと、指摘が入り、事務連絡であっても修正の必要があります。
ここまでガチガチにマニュアル化された環境では「書く」ことに集中できないと思い、トライアル案件を完了したところで、継続依頼はお受けしないことをクライアントに伝えました。
その時クライアントから聞かされたのは「マニュアルにある通り、最低振込金額に達していないので、支払いはできない」という返事。
そして、クラウドソーシングサイトでの仮払い処理をキャンセルするように言われたのです。
つまり、私がトライアルとして書いた分の報酬は受け取れないという意味です。
クラウドソーシングサイトにも相談しましたが、クライアントと直接交渉するように言われ、結局満足のいく報酬を受け取ることはできませんでした。
●マニュアルの量が膨大で細かく、読むのに時間がかかってしまう
●記事の内容だけでなく、コミュニケーション手段にも細かい規則があり柔軟性に欠けていた
●最低金額に到達しないと報酬が支払われない仕組みになっていた
このような地雷案件を避けるためには?
この案件で疲弊してから、私は新しいクライアントと仕事を始める際には必ず「マニュアルが細かく決められている案件は苦手です。
構成も内容もある程度自分にお任せいただける仕事の方が得意です」と伝え、より具体的に仕事の流れを確認するようになりました。
また、クラウドソーシングサイトを使う場合は、必ず仮払い内容をしっかり確認してから着手するよう徹底。
企業との直接取引の際は、面倒であっても契約書を締結しています。
「フリーランスなら自分の身は自分で守る」という意識が必要です。
まとめ
フリーランスとして働いていると、顔の見えない付き合いだからこそ出会ってしまう恐ろしい地雷案件もあります。
今回は、私が出会った地雷案件とそれらを避ける方法をご紹介しましたが、実際はやってみないとわからないことも多いでしょう。
しかし、失敗は成功のもと。
こういった経験を積み重ねるうちに、段々と自分を守る術が身についていきますよ。
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