フリーランスをしていると、急に仕事の依頼が来て、受注するかどうかの返答を急かされることがあります。
普段なら冷静に判断ができるところを、ついその場の勢いで返答をしてしまい、後から大変な思いをすることも。
そうしたトラブルを防ぐためにも、急な案件でも冷静な対応をするために気をつけておきたいポイント5つをご紹介します。
納期はいつか?
急な仕事の依頼は、納期までさほど時間がないことが多いです。そのため受託するかどうか、返答を急かされることもあります。
そんなときに焦らず返答できるようにするためにも、スケジュールの空き状況は把握しておきたいところです。そのスケジュール、皆さんはどんなときでも確認できる状態にしているでしょうか?
最近では、スマホアプリでスケジュール管理ができ、PCと同期ができることもあり、紙の手帳を使わないという方も多くなりました。ですが、どこでも自分の状況を把握できるように、できれば2週間先までのスケジュールはスマホやPCがなくても確認できるようにしておきたいところです。
スケジュール帳にはいろいろなタイプが販売されていますが、空き状況が一目でわかりやすいのは、バーチカルタイプです。時間ごとに一日のスケジュールを面で捉えることができますから、慌てていてもその仕事を受けるのに十分な時間が確保できるかどうかが視覚的に判断しやすいので、非常に便利です。
最近は、100円均一ショップでも実用力のあるスケジュール帳が販売されています。スケジュールの主な管理はクラウドでしているという方も、スケジュール帳を1冊持っておくと便利かもしれませんね。
スキル・技量とのバランスはどうか?
急な依頼がきたら、その内容がどんなものか必ず確認するようにしましょう。そのうえで、自分の経験と照らし合わせ、受けるかどうかを判断すると、失敗することはないはずです。
特に短い納期の案件であるほど、苦手なジャンル、不得手なジャンル、知見がないジャンルを受けるのは注意したいところです。短い納期の案件の場合は、得意なジャンル、好きなジャンル、知見のあるジャンル以外はお断りするようにして、自分のさらなるスキルアップに繋がるもの、自信を持って自分の名前を残せるものを選ぶようにしましょう。そして、開拓しようとしている分野があるのであれば、今後少しでも関われるように、クライアントへ相談しましょう。
急な案件と言っても、尋ねれば依頼内容のある程度の詳細は教えてくれるはずです。急いでいるからと依頼内容の詳細を教えてもらえないようでしたら、フリーランサーと信頼関係を築く意思が依頼側にないと判断しても良いほどです。良いクライアントは、フリーランサーにしっかりと対応してもらうためにも意思の相違がないよう努めてくれるもの。
概要で判断が難しい場合は、「もう少し詳しく教えていただけますか?」とこちら側から依頼者へ尋ねましょう。
一方で、すぐ答えが欲しいと言われることも少なくないはず。そうであっても、お互いにとって良い仕事をするために、まずは依頼内容が自分のスキルで対応できるものなのか、判断できる材料をもらうようにしましょう。
報酬はいくらか?
普段なら、この案件ならいくら、この単価以下は受けないといったラインを設け、必要に応じて交渉をしていることでしょう。急に仕事を持ち掛けられ、さらに返答を急かされると、後回しにしがちなのが報酬面の交渉です。
ここをきちんとしておかないと、後々になって報酬が作業に見合わなかった、報酬が回収できなかったということにもなりかねません。
また、報酬や単価は、後になるほど交渉しづらいものになります。最初の段階できちんと交渉できるように、急な案件の場合の対応マニュアルを作っておいても良いかもしれません。
報酬に関連する部分で言えば、急な案件の場合、契約書の作成が後回しになることもあります。本来なら契約を交わしてから作業に入りたいものですが、急ぎだと契約書の用意が間に合わないこともあり、作業を先に進めることもあります。
報酬を受け取り損ねることがないように、暫定でもいいので契約書を交わすようにしましょう。もしもクライアント側ですぐに契約書が用意できないようであれば、こちらから暫定的な契約書を用意するのもいいですね。契約書のフォーマットを作っておくと、すぐに対応ができるのでおすすめです。
この他には、手付金として報酬のいくらかを入金してもらうという方法もあります。手付金の入金が必要となれば、クライアント側もきちんと対応しなければと思ってくれるはずです。
自分と相手にとって損失がないか?
急な案件で受託するかどうするかを決めるときに、見落としたくないのがお互いにとって損失が発生する業務にならないか?ということです。
納期が短い、スケジュールのわりに業務量が多い、未経験分野であるため作業負荷が大きいなど損失へ繋がる要因は、いろいろと考えられます。フリーランスにとって一つ一つの仕事のクオリティは、次の仕事へ繋がる大切なものです。
そのクオリティが下がるようなことになれば、フリーランスだけでなくクライアントにとっても無駄な作業が増えてしまい、お互いにとって良い仕事にはなりません。それだけでなく、クオリティの低い仕事をすれば、フリーランスへの評価も下がってしまい、次の仕事へ繋げられなくなることも十分にあります。
そうならないためにも、お互いにとってその業務のメリットがどこにあるのかを考えて受注するようにしたいものです。
気が焦っていると、ついその意識が薄れがちになります。ですが、こうした問題は後になって大きいトラブルへ繋がることも少なくありません。仕事の依頼が来てから返答するまでのフローチャートを作っておくと、気が焦っていてもちゃんとした判断ができるはずです。
この仕事を断ったら次がないと思っていないか?
心構えの問題ですが、多くのフリーランスは「この仕事を断ると、次がないかもしれない」と、断ることを極端に怖がる人も少なくありません。しかし、そうやってどんな仕事でも受けていると、キャパシティを超えてしまい、本当にやりたい仕事ができなくなるなど、本末転倒な事態に陥ってしまうこともあります。
会社員のように毎月の収入が約束されている立場でないフリーランスにとって、仕事を失うことは生活に直接影響を与えます。そのため、仕事を断ることへの恐怖心が出てしまうのは当然のことです。
ですが、それで自分が体調を崩したり、仕事のクオリティが下がったりしてしまうようであれば、いずれ仕事を失う羽目になります。長期的に見て、フリーランスとして仕事をしていこうと思うのであれば、時には仕事を断ることも必要です。
むしろ、フリーランスだからこそ「断る」というスキルも上げていく必要があるのです。
誠実にお断りを入れれば、それだけでクライアントとの関係が悪化することはありません。逆に、自分の技量を超えるような仕事を受ける方が双方にとって悪いことと捉え、お断りするほうが誠実な対応なのだと意識を変えていきましょう。
上手な断り方については、
『フリーランス必見!“次の仕事につなげる”ための上手な断り方』
メールでの断り方については、
を参考になさってください。
まとめ
どんな場合であっても、仕事を依頼してもらえるのは本当にありがたいことですよね。
日本人は自己主張の苦手な人が多いですが、フリーランスで成功するためには、時に自己主張も必要です。フリーランスとしての自分の評価を落とさず、クライアントとも長く良い関係を続けるため、必要に応じて誠実に「断る」という形で自己主張をしてみてはいかがでしょうか。
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