クリエイティブ系フリーランス必見!「文芸美術健康保険組合」とは?


クリエイティブ系フリーランス必見!「文芸美術健康保険組合」とは?

フリーランスで働かれている方の公的医療保険について考えてみたいと思います。

 

フリーランスの方の多くは、「国民健康保険」に加入しているのではないでしょうか。国民健康保険の保険料は、前年の収入で決まるため、収入が多くなると保険料が高額になってしまいます。保険料が高い!と思っている方、「国民健康保険組合」というものをご存知でしょうか?

 

国民健康保険組合とは、フリーランス(個人事業主)が加入できる公的医療保険の1つで、同業種で働いている人を組合員として構成しています。国民健康保険組合の保険料は一定の場合が多く、保険料を抑えられる可能性があります。

 

国民健康保険組合には、建設組合、医師・歯科医師・薬剤師組合などさまざまな業種の組合がありますが、今回は「文芸美術国民健康保険組合」をご紹介します。

 

 

 

 

1.文芸美術国民健康保険組合とは

 

国民健康保険は日本の社会保障制度の1つで、フリーランス(個人事業主)や無職の方など、他の公的医療保険に属さない人すべてが加入できるものです。

 

これに対して文芸美術国民健康保険組合は、デザイナー、イラストレーター、写真家などの文芸・美術に関する業種で働かれているフリーランス(個人事業主)が加入できるものです。

 

 

 

 

2.文芸美術国民健康保険組合の保険料

 

文芸美術国民健康保険の保険料について、具体的な金額を見てみましょう。

平成29年度の保険料

 

組合員 1人月額 19,600円

(医療分 16,000円 後期高齢者支援金分 3,600円)

家 族 1人月額 10,300円

(医療分 6,700円 後期高齢者支援金分 3,600円)

介護保険料

(満40歳から64歳までの被保険者)

1人月額  4,000円

 

『保険料』(文芸美術国民健康保険組合)

国民健康保険と比べてどちらが安いかは、住んでいる地域、その人の収入、家族構成などによって変わってきます。例えば、扶養家族がいなくて40歳未満の方だと、払っている国民健康保険料が年間202,800円より多い場合、文芸美術国民健康保険のほうが安いということになります。目安としては年間所得が200万円程度となります。収入が多ければ多いほど文芸美術国民健康保険のほうがお得になります。

 

実際にどちらの保険料のほうが安いかは、文芸美術国民健康保険組合の「保険料の比較」でシミュレーションしてみてください。国民健康保険については各自治体により違いますので、お住まいの自治体にお問合せください。

 

 

 

 

3.文芸美術国民健康保険組合への加入方法

 

国民健康保険の場合は自治体から国民健康保険の案内などがありますが、文芸美術国民健康保険組合の場合は加盟団体に加盟の申請をしなければなりません。加入資格は、

日本国内に住所を有し、文芸、美術及び著作活動に従事し、かつ、 組合加盟の各団体の会員である者とその家族。

 

『文美国保に加入するには』(文芸美術国民健康保険組合)

となっています。

 

自分の職業にあった加盟団体を選んで会員となることで、文芸美術国民健康保険組合に加入することができるようになります。団体によっては、仕事の斡旋やコンクールの案内なども行っている場合があります。ただし、団体へ加盟するためには加盟資格を満たす必要があり、入会金や会費を支払わなければなりません。自分の入りたい団体に問い合わせてみて、団体に加盟することのメリットとデメリットも考えましょう。

 

 

 

 

4.文芸美術国民健康保険組合へ加入するときに注意すること

 

(1)引越しや家族構成が変わったら見直そう

 

文芸美術国民健康保険組合へ加入する最大のメリットは、収入にかかわらず保険料が一定ということです。高収入であればあるほど、自治体の国民健康保険より文芸美術国民健康保険組合のほうが保険料が安くなります。しかし、国民健康保険は自治体、収入、家族構成によって変わってくるので、収入金額、お住まいの地域、家族構成によっては自治体の国民健康保険のほうが安くなる場合があります。

 

引越しをしたり、結婚や出産などにより家族構成が変わった場合には、保険料をシミュレーションし直して、再検討しましょう。

 

 

 

(2)加入資格に注意しよう

 

前項で紹介した文芸美術国民健康保険組合の加入資格「日本国内に住所を有し、文芸、美術及び著作活動に従事し、かつ、 組合加盟の各団体の会員である者」を満たしていても、個人事業主でなく法人の事業主や従業員である場合には法人で加入している社会保険に加入することになりますので、文芸美術国民健康保険組合に加入することはできません。

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5.文芸美術国民健康保険組合への加入手続き

 

文芸美術国民健康保険組合に加入するには、まず加盟団体への入会をします。その上で、所属している加盟団体の承認印が押された文芸美術国民健康保険組合への加入申込書と口座振替依頼書を提出します。

 

その他に、住民票や、「文芸、美術及び著作活動に従事」していることを証明できるものなどが必要です。

 

他の公的医療保険から文芸美術国民健康保険組合に切り替える場合には、文芸美術国民健康保険組合の加入手続きをしたあとに、今まで加入していた公的医療保険への届出が必要になります。

 

 

 

 

6.まとめ

 

文芸美術国民健康保険組合が国民健康保険と比べてお得かどうかはその人の状況によりますが、収入が高い方で国民健康保険の負担額が高いと感じている方は加入を検討してみても良いのではないでしょうか。

 

ただし、文芸美術国民健康保険組合に加入するには加盟団体の会員とならなければならず、会費の支払いなどが必要になります。文芸美術国民健康保険組合と加盟団体、両方のメリットとデメリットを合わせて検討するようにしましょう。

 

 


この記事を書いたのは

Cool Workers運営部
Cool Workers運営部ライター
フリーランスや副業などの“自由なはたらき方”、税金、働き方改革に関する情報を発信しています。Cool Workers運営部は、様々な働き方をしているメンバーで記事を作っています。