サラリーマンはつらいよ。でもフリーランスはもっとつらいかも?転身前に知っておきたいフリーランスの厳しい現実
ここ最近、Twitterで「フリーランス上げ」や「サラリーマン下げ」がちょっとした話題になっています。また企業に就職せずにフリーランスとして生計を立てる「新卒フリーランス」という言葉もちょっとしたブームに。
そういったツイートが拡散される一方で「それは違うのでは?」という反論ツイートも盛り上がっています。
働き方改革がついにTwitterにまで侵食しているのかと客観的に見ている私も、この春からライターとして開業した駆け出しフリーランサー。個人的にはフリーランスという働き方が、今の私のライフステージにはぴったりだと感じている一方で、フリーランスならではの厳しい現実もたくさん目の当たりにしてきました。
サラリーマンにもフリーランスにも「つらい!大変!」と感じる点はあります。
もしあなたが今「サラリーマンがつらいから、フリーランスになって自由を謳歌したい!」と考えているのであれば、ちょっと待って!
会社を辞める前にぜひ知っていただきたいフリーランスの厳しい現実について、現役フリーランスが解説します。
Twitter上でのフリーランス論争
まずはTwitterで話題になっているフリーランス論争についてご紹介。数あるツイートの中でもインパクトの大きいツイートを取り上げてみます。
フリーランス上げのツイート
プロブロガーとして度々Twitterを炎上させつつも人気を集めるインフルエンサーのイケダハヤトさん。
彼のこのツイートに反応して、フリーランス論争が激化したと言っても過言ではないかもしれません。過激な主張で100回以上リツイートされています。
【サラリーマンがオワコンな理由】
・若い世代の給料が絶望的に低い
・ワークスタイルが不自由
・部署や勤務地を選べない
・上司や同僚を選べない
・クソ上司に当たったら終了
・やる気ない社員がいる
・未だに電話とメール中心
・通勤必須フリーランスはもっと自由だよ〜。
— イケハヤ@ブログ年商1.5億円 (@IHayato) 2018年8月27日
次は、WordPressの人気テーマ「JIN」を制作発売しているアフィリエイターのひつじさん。
「超個人的な意見」としつつも、三つの自由を前面に出した迫力のあるツイートで、リツイート20回以上。収入より自由という価値観が共感を呼んでいるようです。
月収30万円のフリーランス >>> 自由に生きたい壁 >>> 極力働きたくない壁 >>> 場所に縛られたくない壁 >>> 月収100万円のサラリーマン
……
この三重壁が壊されることは一生なさそう
※ 超個人的な意見です
— ひつじ♂ (@hituji_1234) 2018年8月11日
反論ツイート
Rakiaさんは大学在学中からWebライターとしての経験を重ね、大学卒業後もフリーランスとして働き続ける「新卒フリーランス」。
そんな現役フリーランスが語る「一般的なフリーランス」の気持ちとは?
【書きました】
最近「フリーランス上げ」「会社員下げ」と謎のフリーランスヨイショが流行っているので、一般的なフリーランスがどんな気持ちで働いているのか書きました。
フリーランスは企業のみなさんの協力なしでは成り立ちません。
読んでいただけるとうれしいです!
https://t.co/AnuJLf7QsC— Rakia@ブロガー (@Rakia51541776) 2018年10月2日
自称「フリーランスのように働く会社員」だという小太りフリーランス会社員さん。
会社員、フリーランス、パラレルワーカーという三つの働き方を全て経験した小太りフリーランス会社員さんの結論は、誰にとっても絶対的に正しい働き方はないという事。フリーランス論争ではなく、自分にとって最適な働き方を追求しようという主張です。
ネットを見てると、会社員ディスしてフリーランス上げする意見が多い。
フリーランス生活が楽しくて充実しているなら「わざわざ会社員ディスしてくてもいいのでは?」と思う。
ぼくは会社員ですが、フリーランス時代よりストレスと不安がなく幸せです。
— 小太り💻フリーランス会社員 (@kobutoriniki) 2018年4月27日
フリーランスの三つの自由を検証!フリーランスは本当に自由で最高なのか?
フリーランスの一番のメリットとして誰もがイメージするのは、なんといってもその自由さ。
前項のイケダハヤトさんのツイートにもある通り、働く時間、勤務場所、仕事の種類、同僚、上司、ワークスタイル、コミュニケーション手段など、フリーランスはあらゆる面において自由だと言えます。
しかし自由だからと言って必ずしもそれらを楽に実現できるというわけではありません。
勤務時間、勤務場所、仕事内容という三つの観点から、フリーランスの自由の裏側にある現実について解説します。
オンとオフの切り替えが難しい!実はサラリーマン以上に長時間労働している人も!?
フリーランスは勤務時間が自由で楽そう?
いえいえ、そんなことはありません。
フリーランスだからと休んでばかりいては仕事になりません。フリーランスが食いつないでいくためには、まずは途切れることなく仕事を受注する事が必須です。
中には「いつか仕事がなくなってしまうのでは?」という不安から休む暇なく働き続けてしまうフリーランスも意外と多いのです。残業という意識のないまま、夜遅くまで作業を続けていたり、休みの日も結局仕事をしてしまったりという声をよく聞きます。
私はこの夏、フリーランスになったのだから長期の夏休みを取ろう!と張り切って実家に1週間程度滞在しました。去年まで会社勤めをしていた時は、なかなか長期の休暇を取る事ができなかったので、子供たちにとっては嬉しい特別な夏休み。
しかし、私自身は仕事が気になって仕方がなく、結局親に子供たちを任せて実家でパソコンを開いてしまいました。
結果、休んだような休んでいないような中途半端な夏休みなってしまいました。
社内インフラが恋しい!自宅オフィスはないものだらけ
在宅勤務が羨ましい?
確かに家事をしながら仕事ができたり、通勤にかける時間やストレスを省くことができたりと在宅勤務のメリットは大きいです。
しかしフリーランスになって会社がいかに恵まれた環境なのかということも実感しています。
会社員が何気なく受けている恩恵の一つに社内インフラがあります。パソコンやプリンターなどの機材、コピー用紙や付箋などの備品、そしてウイルスソフトや会計ソフトなどのITインフラ等です。
それらを全て自宅で揃えるには手間もお金もかかります。在宅勤務にはメリットもありますが、こういったインフラ機能については断然会社員の立場が優位だと言えるでしょう。
例えば、会議資料を印刷する作業。
何十枚もの資料を自宅のインクジェットプリンターでコピーするのはかなりの時間がかかります。そしてインクもすぐなくなってしまいます。コンビニなどのコピー機を使えば、それなりの金額になります。
会社員なら、自分のデスクからコピーボタンを押しておけば、直後には無料で(実際は無料ではないのですが)綺麗なコピーが仕上がっていますよね。
本業以外が地味に大変!経理に総務に営業に
フリーランスは好きな仕事ばかり出来て良い?
そういう場面もあります。私はライターをしていますが、自分が心から「書きたい」と思えるメディアだけとお仕事が出来ているというのは有難い環境だなと実感しています。
しかし、本業では仕事を選ぶことができても、本業以外の部分では「やりたくない」と思う作業もやらなければいけない場合がたくさんあります。
フリーランスは自分自身で経理、総務、営業などのすべての役割をこなさなければいけません。
特に経理は日々の細かい記帳作業の積み重ねが大切。少しでもサボると年度末の確定申告がとんでもなく大変になってしまいます。
こういった地味に大変な作業をこなしてこそ、やりたい仕事に集中できるというのがフリーランスの現実です。
それでも私がフリーランスを辞めない理由
ここまでフリーランスは自由にも不自由にもなり得るという事を書いてきました。しかし冒頭にも書いた通り私自身は今現在フリーランスという働き方に満足しています。
フリーランスの厳しい現実を踏まえた上で、私がフリーランスを辞めない理由をまとめてみました。
働き方を自分の人生に合わせられる柔軟さ
毎日決められた時間に決められた場所にいなければいけないという、会社員にとって当たり前のことが、ライフイベントによってある日突然難しくなってしまう場合があるのです。
私の場合、それは出産と病気でした。他にも介護やパートナーの転勤など、様々な理由があると思います。
子供が熱を出したり自分が体調を崩すたびに「すみません、今日は休ませてください」と朝電話を入れる申し訳なさ。
働き方の不自由さのために同僚の仕事を増やしてしまう歯がゆさ。
決められた時間内に必要最低限の仕事が終わるように、新しい仕事には一切チャレンジしなくなってしまった自分自身への物足りなさ。
それらの積み重ねがじわじわとストレスになっていました。
フリーランスになった今、会社員の頃に感じていたようなストレスはほとんどなくなりました。
そしてこれから先の人生を考えた時にも、その時々の自分のライフスタイルに合わせた働き方が出来るだろうという楽観的な展望を持つことが出来ているのは、私が感じるフリーランスの大きなメリットです。
自分の人生を生きているという実感
子供が生まれてから、私の生活は二人の子供たちを軸にして動くようになりました。朝起きる時間も夜寝る時間も、休日にどこに遊びに行くかも、全て子供たち次第。
私の人生は私だけのものではなくなり、家族のものになりました。
しかし、フリーランスとして働いている時間だけは、自分で自分の人生を生きているという実感を取り戻す事ができます。
自由の裏側にはもちろん面倒な事もたくさんあるのですが、それでも自分が主導権を握ることができる時間を持っているというのは嬉しいものです。
自分が好きな事や自分がやりたい事に素直にチャレンジできていると、気持ちが前向きになり、仕事中だけでなく、それ以外の時間にも良い影響を与えてくれています。
大切な人の近くにいられるという安心感
万が一、地震などの自然災害が起こってしまった場合、子供たちが通う保育園の近くで働いているというのは大きな安心感があります。災害だけでなく、子供の突然の体調不良にもすぐに対応できます。
また、将来子供が小学校に上がった時には、自宅で子供の帰宅を見守る事ができる安心感もあるでしょう。
日常的に大切な人の側にいるという感覚は、フリーランスならではの強み。これは子育て中の人だけでなく、親などの介護をされている方の場合も同じだと思います。
まとめ
自由を謳歌していると思われがちなフリーランスという働き方。確かに、インターネット上の偏った情報ばかりを鵜呑みにしていると、そのような現実離れしたイメージを持ってしまう可能性もあるでしょう。
しかし、実際のフリーランスの日常は、地道にコツコツと仕事を積み重ねていく毎日。誰もがたくさん休んだり旅行に行ったりできるわけではありません。
働きすぎてしまったり、仕事環境に不自由を感じたり、また慣れない経理業務に慌てふためいたりと、フリーランスも結構つらいのです。
それでもライフステージに合わせた働き方でストレスをためずに仕事を続ける事ができるフリーランス生活は良いものです。
この記事を読んで「大変そうだけど、自分にはフリーランスがあっているかも」と感じたあなた、ぜひ一緒にフリーランス生活を謳歌しようではありませんか!
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