新しい働き方を考えている皆さんは、転職とフリーランスへの転身で悩んでいるのではないでしょうか。
28歳で現役ITコンサルタントをしている私も例外ではなく、この悩みにぶつかりました。
私の場合、年功序列制の評価に不満を抱き、転職するかフリーランスに転身することを考えました。
まだ家庭も持っていない状況であり、自分が正しく評価される働き方をしたいと考えたのです。
今回は、私が自身の経験から学んだ「転職とフリーランスで悩んだときに考えるべきこと」を紹介します。
悩んだ時にまず行ったことは「自己分析」
私が今後の方向性について悩んだとき、まず実践したのが「自己分析」です。
この「自己分析とはどうあるべきか」について、説明します。
現状の不満を分析する
手始めに、「現状の何に不満があるのか」について考えました。
ここを適切に分析できなければ、転職しようがフリーランスになろうが、再び同じような問題にぶつかると考えたからです。
私が不満に感じていたことは、「参画する案件と給与のバランスの悪さ」です。
ITコンサルタントですので、同年代のSEなどと比較すると、基本給などの収入は高水準でした。
ただ、私が所属していたのは、大手企業のITコンサルタント部門でした。
そこでは、コンサルタントとしてのスキルよりも「勤務年数」が収入に反映される傾向がありました。
「コンサルタント職」という本来実力が重視されるべき業界に所属しながら、年功序列制が採用されていることに不満があったのです。
つまり、私が根本的に悩んでいたのは、「自分のスキルが評価されないこと」ではなく、「年功序列制でしか収入が上がらない」という所属企業の体質でした。
この点を明確にしておかなければ、「転職」という道を選択したときに再び同じ悩みにぶつかる可能性があったわけですから、自己分析の果たした意味は大きいと思います。
自分はどうしたいのかを分析する
次に、「今後自分はどのようにしたいのか」「新しい道に進んだとして、果たして何をしたいのか」を分析しました。
私が仕事に悩みをもったのは20代の頃だったので、もちろんITコンサルタントに限らない働き方も視野に入れることができます。
例えば、専門性のある企業に転職し、その企業の中で情報システム部門の要として働くという道。
これは、幅広い企業に対するコンサルタントではなく、特定企業の中に在籍し、その企業のためにコンサルティングを行うというものです。
ただ、このような働き方では、自分自身の成長があまり見込めないと判断しました。
なぜなら、専門性の高い特定企業に入社してしまうと、知識の深度が増す一方で、偏りを避けられないからです。
したがって、この選択肢は採用せず、「幅広い企業に対してITコンサルティングをする働き方」を自分の主軸に据えようと決めました。
自分は何にコミットできるのかを分析する
自分の主軸が決まれば、次はそれを具体化する番です。
幅広い企業に対してITコンサルティングをする以上、どのような仕事にコミットできるのかを考えなければいけません。
その結果、製薬関連のITコンサルタントという選択肢に行きつきました。
これなら、誰にも負けないという矜持のもとに仕事ができる、と。
というのも、実は私がコンサルティングに携わってきた中で、最も経験を積んだのが「製薬関連のITコンサルティング」だったので、既に強みとなる深い知識を有していたからです。
製薬企業には法律に対応するためにさまざまなシステムが運用されているので、これらのシステム構築に対してコミットできると考えたのです。
この自己分析は結果として大きな意味がありました。
現在、私が製薬業界のITコンサルタントとして活動できているのは、ここでしっかりと自己分析ができたからです。
転職やフリーランスに関する情報収集
自己分析によって自分の主軸とすべきもの、今後の方向性を見出したあとは、徹底的な情報収集です。
転職に関する基本情報
転職も選択肢にあったので、まずは転職に関する基本的な情報を集めました。
まず、調べたのが、転職活動に必要な期間とタイミングについて。
私が仕事について悩んでいたのは7月頃で、果たしてこの時期に転職することがそもそも適切かを検討する必要があったのです。
すると、税金などの関係から、転職の時期としてはあまり良くないと判明しました。
また、ある程度転職活動が落ち着いている時期のせいか、そもそもの求人数が少なく、結果として転職活動期間が長引く可能性があることも分かりました。
これらを踏まえると、仮に転職活動をするならば、11月頃から年明けの時期をターゲットとするべきだという結論に至りました。
実際、私はこの年度内に転職活動をしましたが、多くの求人に対してアプローチすることができました。
フリーランスの基本情報
次に、フリーランスの在り方、働き方についても調査をしました。
真っ先に気になったのが、予想していた通り「収入の不安定さ」です。
同時に、この欠点を克服するための方策として、フリーランス向けのエージェントを活用できることも知りました。
これを上手く活用すれば、想定していたよりも多くの案件を受注できる可能性があります。
また、社員でありながらフルコミットのフリーランスのように働けるコンサルティング会社もあり、選択肢によっては完全に収入がなくなることはないと把握できました。
実際、現在はこの仕組みを採用しているコンサルティング会社で働いています。
成果に基づく給与が支払われるという点においてはフリーランスのような働き方とも言えますが、他方、全く仕事が無くとも基本給を貰えるという意味においては会社員のようなスタイルとも言えます。
転職かフリーランスか、悩む中で考えたこと
転職とフリーランス、この二択で悩んだとき、私が何を悩み、何を重視したのかを説明します。
安定した収入を得たいかどうか
まず、最も悩んだのが、「自分は安定した収入を得たいのか」という点です。
当初、会社員として働いていれば収入は安定し、フリーランスになると安定しない、と認識していました。
収入は生活に直結する部分ですので、情報収集も含め、特に時間をかけて考えた部分です。
さまざまな観点から考えましたが、最終的には、「安定性をやや犠牲にしたとしても高い収入を得ること」「自分のやりたいことを実現すること」を重要視しました。
もちろん、収入の安定性を完全に捨てたわけではありません。
転職でもフリーランスでも、全く収入がなくなることはないような働き方をしようと考え至りました。
自分はどのような仕事にコミットしたいか
次に、自分はどのような仕事にコミットしたいのかを悩みました。
製薬企業に対するITコンサルタントといえども、その内容は実にさまざまです。
小規模なシステム対応をしている人もいれば、法律を守るために必須となる大規模なシステム対応をしている人もいます。
私の場合、すでに獲得した知識を活かせる、大規模なシステム構築にコミットしたいと考えました。
自分がもっている知識を活用できるうえに、やりがいも感じられるからです。
と、ここで一つの問題が生じます。
それは、フリーランスになってしまうと、大規模な案件と出会いにくくなるということです。
法規制なども関連する大規模案件は、必然的に大企業が案件を受注する業界の構図があり、これを個人レベルでひっくり返すことはできません。
したがって、可能な限り大規模な案件に参画するために、大手からの案件を受注できる「企業家フリーランス」としての働き方をしようと決めました。
最後に
私は22歳で企業のコンサルティング部門に就職し、26歳の段階で転職してフリーランスのように働くことを選択しました。
完全にフリーランスになる道もありましたが、会社員でありながらフリーランスのように働けるコンサルティング会社があり、縁もあってそこへの転職となりました。
現在の働き方ですが、案件がない期間はほとんど収入がなく、家庭をもつにはいまだ不安が残ります。
そのため、いろいろなライフイベントなど、私を取り巻く環境が変化すると、再びそれに応じる形で働き方について悩むかもしれません。
ただ、人それぞれ置かれている状況は異なります。
これはあくまでも20代後半の一人のコンサルタントの悩みでしかありません。
あなた自身、いろいろな状況の中で、多様な悩みを抱え、それらに対して、忍耐、満足、妥協を繰り返しているはずです。
そして、抱えていらっしゃる悩みを克服したいと願うときに、今回の私の経験談が少しでもお役に立てば嬉しく思います。
この記事を書いたのは
- ITコンサルタント。製薬法規制対応・会計・製造・流通・品質管理・人材管理など企業の主要システムを対象としたシステム導入支援をしています。
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