あなたが上司に副業宣言をしたら、上司はどう思うでしょうか?
はっきりいって、上司は快く思いません。
管理職歴が長く、現に今も管理職である私が断言します。
ところがあなたはこう思うでしょう。
「そんなのおかしい!大企業の多くはすでに副業を解禁しはじめている、自社も解禁している、副業は法的に問題ない!」
いやいや、話はそんなに単純ではないのです。
本記事では、これから副業をしようと検討している方に向けて、実際に中間管理職である私が感じたことをベースに、部下から副業開始を打ち明けられた時の上司の「モヤモヤした気持ち」を解説します。
目次
いきなり本題:上司は部下の副業を快く思わない
働き方改革が浸透しつつあります。
それに従い、大企業では徐々に副業OKとなり、中小企業ですら副業を解禁しはじめています。
このような時代の流れの中でも、上司の心中には副業はダメ!という意識が強く残っています。
代表的な副業禁止理由はこんな感じです。
①本業への悪影響
体力的な問題、本業に集中できなくなるという意識の問題。
②本業の機材や情報を流用
本業で使う機材を副業でも使う。
例えば本業用PCを副業で使って壊してしまう、ウィルスに感染するなど。
その他機密情報を流用されるおそれがある。
③風評被害
「○○社の**さん、副業しているんだって!」「そうなの!?あの○○社って給料安いんだね〜。」のような噂が立つおそれがある。
実は、副業部下に対する上司のモヤモヤした気持ちはもっとリアルで複雑なのです。
あなたが上司に副業を報告すると、以降に解説するような目で見られ始めますのでご注意ください。
上司は休みの理由を疑い始める
あなたの連絡:体調不良で休みます
上司の心中:どうせ副業疲れだろ?
部下はロボットではないので、体調不良で休むことだってあるでしょう。
それは仕方がありません。
でも副業を申告してしまうと、それからの上司は「休み」に対して疑いの目をギラギラさせます。
部下のあなたは、無理に出社して周りに感染させてはいけない、一刻も早く治して復帰しなくてはいけない、そんな健気な気持ちでいっぱいです(多分)。
ところが上司は副業部下の休みの申し出とあれば、信じなければいけないと分かっていても、どうしても疑ってしまいます。
もし副業をしていない部下なら、上司はそんなことを一切思わないはずです。
快く「お大事に。仕事のことは気にするな。」と気の利いた一声でもかけることでしょう。
上司は、副業部下の休みの報告を信じられなくなってしまいます。
上司は定時後の予定を疑うようになる
あなたの連絡:私、定時で帰ります。
上司の心中:どうせ家に帰って副業だろ?
会社員は仕事が終われば帰っていいのです。
それは当然のこと。
ましてや部下がスケジュールを守っているのなら、なおのこと定時で帰って問題ありません。
でも……、上司の心にはモヤモヤした気分があります。
実は、上司は基本的にがんばる部下が大好きです。
普通に仕事ができているなら、もう一歩背伸びをして欲しいのです。
よって定時に仕事が終わったら、少し残って明日の準備をするとか、自分のスキルのために学習するといった建設的な行動を無意識に求めます。
これはもちろん、上司の理想像の押し付けです。
上司は定時後以降に、部下を拘束することはできません。
家に帰って何をするか詮索する権利もありません。
部下にも、定時後に何をするか報告する義務はありません。
定時後に時間外での学習を強要するなんて、今の時代では大問題です。
上司の若い頃には普通にあった光景ですが、「オレたちの若い頃はなあ!家に帰ってからも勉強してたんだぞ!」と息巻くわけにもいきません。
今が普通で昔が異常、そんなことは上司も十分承知のこと。
でも……、上司は「副業OKというのは理屈では分かっているけど、もうちょっと本業をがんばれよ」と、つい思ってしまうのです。
上司は副業より先にやってほしいことがある
あなたの連絡:本業がない休みなどは副業しています
上司の心中:それより勉強しろよ
突然ですが、職場におけるあなたの実力はどうですか?
もう誰もが認めるところで、上司の上司の上司くらいまであなたの名声が届いていますか?
すばらしい!副業していることに誰も文句は言わないでしょう。
むしろ「アイツなら副業だってやってのけるだろうな」と言われるでしょう。
ところが、あなたの実力が凡人かそれ以下(ヒドい言い方ですが)ならどうでしょうか?
ここ最近、上司から仕事中にこんな一言を聞いてしまったことはありませんか?
「この前も言っただろう!?」
もし聞いたことがあるなら、本業で実力不足なのに副業に力を注いでいると認識されます。
ええ、もちろん上司は業務外のことまで詮索する権利はありません。
業務外だからこそ副業をしたって許されるのです。
もっと分かりやすく、こんなたとえ話はいかがでしょうか。
実力がイマイチな(またヒドい言い方ですが)部下であるAさんとBさんがいました。
Aさん:副業をしていない。時間外で努力しているが報われない。
Bさん:副業をしている。
もうお分かりですね。
Aさんは一応の努力をしています。
一方、Bさんはまだその努力をしていません。
副業をしている時間を本業の勉強に費やせば、実力が伸びるかもしれません。
それが、前述した「それより勉強しろよ」につながるのです。
究極の上司の思い「なんかムカつく!」
これは本当に理不尽な思いです。
現役上司の中にはこんなこと思っていない!とお怒りになるかもしれません。
読んで不快に感じた上司の方がおられたら、申し訳ありません。
副業部下のあなたは、本業の時間中何をしていますか?
「仕事に決まっている」そう答えるでしょう。
上司は仕事以外、言い換えると仕事のための仕事である「間接業務」の比率がとても高いのです。
上司は所属部門の売上集計や部下の労務管理、会議……場合によっては、あなたの起こしたトラブルのおかげで多数の部署を行脚して謝ることもあります。
それだけならまだしも、経営層たちの熱い想いが暴走……ではなく親心的に昇華して、上司たちに「この研修を受けてこい!」というお達しが降りてくることもあります。
何の興味も湧かない本が配布され、感想文を提出期限付きで求められることもあります。
ただでさえ仕事+間接業務+その他諸々でもう大変です。
時間がいくらあっても足りません。
上司がそんな火の車状態である一方、副業部下は定時で家に帰るわ悠々自適に副業でスキルアップするわ、そして報酬を手にしてウハウハ(?)。
いいんです、部下のあなたは副業しても。
それが時代の流れで、かつ国が認めています。
でも、上司はあなたのために走り回り、会社の要請にも対応して大変なのです。
副業どころではありません。
なのにあなたはリア充真っ只中。
それらの思いが総合して「なんかムカつく!!」という思いになるのです。
もし副業で儲かったら、それとなく飲みに誘ってあげてください。
間違っても「副業で儲かったので」と言ってはいけません。逆効果です。
副業スタート時はほどほどに……
時代の流れは副業または複業を容認せよ、という雰囲気です。
部下が副業をするのは問題ないと理屈では分かっているけれど、上司はなんとなく認められない、そんな上司の心のモヤモヤを本記事では解説しました。
あなたが副業OKな会社にいたとしても、このように思われる可能性はゼロではありません。
慣れないうちは、本業に支障をきたさない程度の副業を選びましょう。
この記事を書いたのは
- 関西在住のプログラマー兼Webライターです。
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