フリーランスで働いていると、会社員時代には経験できなかったことを経験することができます。その中には良いこともありますが、悪いことももちろんあります。
というのも、フリーランスは会社員と違って「会社」というフィルターがなくなるために、地雷案件に出会う確率が必然的に高くなってしまうのです。
会社が守ってくれる会社員ではなく、自分の身は自分で守らないといけないフリーランスを選んだ以上、「地雷案件を見抜く」というのはもはやビジネススキルの一つ。
地雷案件を見抜く方法を、良くある事例と共にご紹介するので是非参考にしてみてください。
CASE1:24時間働きます系クライアント
私が某学校法人のクライアントを担当した時のことです。学校のリーフレット制作やPR動画制作の仕事を請け負いました。
体育会系な学校法人だったこともあってか、先方から早朝7時に電話が入ったり夜の12時近くに電話が入ったりと、急ぎの案件ではないにも関わらずこちらの都合を無視した仕事のやり取りが多々ありました。
また、学校行事はほぼ土日に行われるのですが、取材の必要もない行事についても、「うちの学校をもっと知ってほしいから」と半ば強制的に参加させられました。
最初のうちはできるだけクライアントの都合に合わせて進めていたものの、徐々に疲労と不満が溜まっていって私は爆発寸前に。
結局、スケジュールを全て引き直して、先方へのメールに「急ぎではないので、●●日までにお返事ください」と牽制することで先方からの時間外の電話攻撃を防ぎつつ、土日の取材については土日料金が別途掛かるように設定することで先方からの不必要な誘いを防ぐという方法で乗り切りました。
● Lesson1 ●
クライアント自身がブラックな働き方をしているということは良くあることです。
クライアント都合に引きづられないように、スケジュールとコストを調整するなどして自身が働きやすい環境を作りましょう。
フリーランスだからこそ、自分の意思と行動で「ワークライフ・バランス」を実現させましょう。
CASE2:単価を無視するクライアント
私はクラウドソーシングを活用していますが、クラウドソーシングで募集されているフリーランスの業務案件の中には割と高い確率で地雷案件が存在するなと実感しています。
特に顕著なのが、業界の単価を無視した以上に低すぎる報酬でフリーランスを募集している案件です。
ライティングが分かりやすいと思うのでライティングを一つの例としてご紹介します。
業界でのライティングの相場単価は、1文字1円と言われています。3,000文字の記事1本であれば報酬は3,000円が相場です。
そこに、例えば取材であったり調査が必要であったり、専門知識や企画が必要であったりすると、1文字1.5円というように単価が上がるというような仕組みに成っているのです。
ですが、地雷案件はこうした単価の相場を全く無視して、専門知識や企画が必要な内容にも関わらず、「3,000文字で200円の報酬」と非常に低い報酬でフリーランスを募集していたりするのです。
私は、案件ごとの単価の相場を調べて自分の単価や時給を設定し、それ以下では仕事を請けないようにすることで地雷案件を避けるようにしています。
● Lesson2 ●
「最低賃金」というものがあるのと同様に、フリーランスにも「最低報酬」というものはあるべきだと考えます。
単価の相場を調べて、それをあまりにも下回る案件の仕事は請けないという自分なりの報酬ルールを作って自分の身を守りましょう。フリーランスが「やりがい搾取」から自分の身を守れるのは自分だけです。
CASE3:気分屋クライアント
これはベンチャー企業や中小企業によく見られるケースなのですが、社長が気分屋であるクライアントは地雷案件の可能性が高いので要注意です。
私がとあるベンチャー企業の新サービス立ち上げのための事業計画書作成を請け負った時のことです。
投資家や金融機関向けに事業計画書を作成したいとのことで、初回の打ち合わせの中でコストとスケジュール、アウトプットイメージの話も出来てその場で発注を受けました。
その後、作業を始めようかなと思っていた頃、「新サービスの立ち上げをやめようと思う」という電話が社長から掛かってきたのです。
どうやら前日に前の会社の先輩と飲みに行って新サービスの話をしたところ、「成功するわけがない」と否定されてやる気を失ってしまったようです。
事業計画書の作成の発注をした後に、新サービス立ち上げについて悩むというのは正直ルール違反だと思いました。ですが、正論を言ったところで意志が弱い社長はまたグズグズと悩み始めるだろうと考え、「大丈夫ですよ」と数分間励まして、社長の気分が変わらないうちにと猛スピードで納品して事なきを得ました。
● Lesson3 ●
コンプライアンスのしっかりした企業であれば発注後に発注をひっくり返すような言動はありません。ですが中小企業やベンチャー企業で、特に社長が気分屋の場合は発注後に発注がひっくり返される事もあります。
クライアントの性格をしっかりと見抜いて、自分が社長をあるべき方向へ導くということも時には必要です。強かにクライアントをハンドリングしていきましょう。
CASE4:ただ働きさせるクライアント
基本的に、フリーランスが業務委託を受ける場合は、「ライティング」「企画とライティング」「企画、取材、ライティング」というように作業範囲をある程度クライアントと決めた上で案件の受発注が行われます。
私が地雷案件だなと思ったのは、某雑誌のタイアップ記事を書いた時のことです。
作業範囲は、取材とライティングだったのですが、クライアントの担当者が「仕事の丸投げ」をするタイプで、本来はその人の作業範囲であるはずの企画や写真のセレクトなども私に体良く押し付けてきました。
私も最初は、良いページを作りたいからという思いで本来の業務外である企画と写真のセレクト業務も行いました。そのため、本来の作業工数の2倍の時間をかけて業務を遂行することになり、時給換算するとかなり単価の低い案件になってしまいました。
結果的に良いページが作成できたので良かったとは思ったのですが、担当者の丸投げ仕事スタイルが更に悪化する気配を感じました。
そこで、打ち合わせの時にはっきりと「私の作業範囲は取材とライティングなので、それ以外については御社で対応頂きたいです」と伝えました。作業の役割分担についてきちんとお話することで、担当者の丸投げ仕事スタイルから自分の身を守ることに成功しました。
● Lesson4 ●
「フリーランス」に対して、自分の仕事を丸投げしてただ働きさせるクライアントは往々にしています。
作業を始める前、クライアントから追加依頼があった時など、適宜「作業範囲と役割分担」について議論することから逃げないようにしましょう。追加料金の発生の話も挟んで、「自分が動くとお金が発生する」ということをクライアントに知らしめることも大切です。
まとめ
以上、「24時間働きます系クライアント」「単価を無視するクライアント」「気分屋クライアント」「ただ働きさせるクライアント」と代表的な地雷案件とその対応策をご紹介してきました。
フリーランスが地雷案件を避けて快適に仕事をするには、「クライアントのいいなりにならない」ことが大切である一方、あまりにドライだったり喧嘩腰だったりしても仕事は上手く回りません。
クライアントと良い関係を築きつつ、ダメだという点にはNOと声を上げて一緒に解決作を探るという柔軟な姿勢こそが大切です。
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