フリーランスの通訳者を目指そう!翻訳者とは異なる働き方とは?
フリーランスという形態で働く人も多い通訳の仕事。高い語学力はもちろんのこと、ただ語学ができるだけではなく、専門知識や瞬時に正確かつ的確な言葉を選ぶなど、様々な能力が必要とされます。
2020年の東京オリンピックに向けて、通訳の需要も増えているようです。見渡してみても、日本国内で海外の人をよく見かけるようになりましたよね。そんなグローバル化に伴い、さらに増えていくであろう通訳の仕事について考えてみましょう。
目次
通訳者とは
通訳者とは、状況に応じて、特定の言語を異なる言語に変換することを職業とする人のことを指します。著名な外国人が来日した時、記者会見で斜め後ろに座って話をしている人も通訳者ですし、英語のニュースを聞いていて副音声にした時に他の言語で内容が聞こえてくるのも通訳者が仕事をしているおかげです。
通訳の種類
「通訳」と一口に言っても、いくつかの種類があります。
同時通訳
その名の通り、話し手の言葉を聞き、ほぼ同時に通訳する方法です。同時通訳は通訳の種類の中でも、格段に高いスキルが必要となってきます。話し手が言葉を発したすぐ後にその言葉を変換し、自分も発しなくてはいけないので、「聞く」と「話す」を同時に行う必要があるからです。
CNNやBBCなどの外国のニュース番組を副音声をつけて聞いてみると、同時通訳をしている様子がわかります。このような「放送通訳」や、国際会議、講演会や展示会、社内会議などで同時通訳が必要とされます。
逐次通訳
逐次(ちくじ)通訳とは、話し手が言葉を区切って話した後に通訳する方法です。同時通訳に比べ、所要時間が増えますが、その分正確な通訳ができるので、専門性を必要とする会議や商談などに利用されることが多いのが特徴です。
ウィスパリング
同時通訳と同じように、ほぼ同時に通訳をします。ただし、通訳者は聞き手の耳元でささやくように通訳をする、というのが特徴です。通訳者の周りにいる人のみの通訳となるので、1〜2名の会議や商談、インタビュー対応などで利用されます。
アテンド通訳
「アテンド」という名前からもわかるように、通訳を必要としている人の送迎や買い付けなどに同行し、行く先々で通訳を行うことを指します。
通訳者と翻訳者との違いは
翻訳者も、ある言語を他の言語に変換するという点で通訳者と共通する部分も多い職業です。
通訳は、口頭で話した内容を、口頭で他の言語で表現するものです。一方で翻訳とは、ある言語で書かれている文章を、他の言語の文章に書き換えるものです。通訳が「話し言葉」であるのに対して、翻訳は「書き言葉」と言えるでしょう。
大きな違いとして、翻訳の場合は「同時」であることが求められないことが挙げられます。しかしそれゆえ、細かいニュアンスを伝えることや正確な表現を求められる厳しさも併せ持ちます。
翻訳者についてお興味のある方は
『フリーランスの翻訳者は稼げるの?その仕事内容とは?』
も読んでみてください。
通訳者に求められる能力
通訳の仕事と言えば、語学力が必須であることは自明の理ですが、語学力だけあれば良いかというとそれだけでは不十分と言えるでしょう。
まず、語学力という意味では同じですが、日本で通訳の仕事をする場合は、高い日本語能力も求められます。話し手の要点を掴んで、さらに他者に伝えるためには、変換先の語学の運用能力も必須だからです。
また、同時にコミュニケーション能力も必須と言えるでしょう。
さらに言語が異なる人と共に働くには、異文化に対する知識や理解も必要です。
相手に対する配慮ができることなど、大きく括って高度なコミュニケーションが必要とされる職業なのです。
通訳者が働く場所や報酬
通訳者は、言語の橋渡しをすることが仕事ですので、国際会議、講演会、社内会議、商談、展示会、製品発表会、セミナー、インタビュー対応など、様々なシーンで必要とされます。
気になる報酬についてですが、実績やスキルによって幅がありますし、企業に属しているのか、フリーランスとして働いているのかによっても違いがあります。さらに、専門分野を持つ通訳者は優遇されるため、比較的高給となる傾向もあるようです。
一般的には、企業に勤める通訳者の場合で、年収400万円〜1000万円ほど。フリーランスの場合だと、時給2,000円〜4,000円程度、年収にして300万円〜600万円程度が相場のようです。もちろん、もっと稼いでいる人もいるでしょう。
通訳者になるための勉強方法や独立方法
通訳を職業としている人の多くが、通訳の養成学校などで学んでいます。もともと語学が堪能であっても、それだけでは通訳者としては不十分であることが多いのです。特に同時通訳などの高度な通訳は、方法などを学ぶ必要があります。
通訳者として働く多くの人々は、大学を卒業してすぐや、社会人として働きながら、もしくはいったん仕事を辞めて、このような学校で学んでいます。
学校を卒業してからは、エージェントに登録して仕事を紹介してもらうか、もしくは企業に所属しながら通訳者として働くかのどちらかに分かれるようです。
もともと前職などの業界の知識があれば、特定の業界の通訳の仕事を紹介してもらいやすく、独立もしやすいようです。例えば、医療系の専門用語が理解できる通訳者は、ニーズもありますし希少価値もあります。
また、もともと学んでいる人口が少ない言語の通訳者は重宝されるようです。英語はひとまず習得しておく必要がありますが、それに加えて母国語以外に何か話せると武器になるでしょう。
フリーランスの通訳者として働くメリット・デメリット
メリット
フリーランスの通訳者として働くメリットについて考えてみましょう。
まず、他の職業と同じく、会社に縛られずに働けるのは大きなメリットですよね。
他には基本的に仕事が単発になってくるので、様々な現場に赴いて、刺激を受けられることも良い側面です。毎回異なる人と会って仕事をすることが好きな人には、とても楽しい働き方になるはずです。
また、自分のスキルや人脈次第では、年収1000万以上も夢ではありません。全て自分の能力、責任にかかっているからこそ得られるものも大きいということですね。
デメリット
フリーランスの通訳者として働くデメリットについても考えてみます。
駆け出しの頃などは特に、安定した収入が得られないかもしれない不安が挙げられます。これは通訳者に限らず様々な業界のフリーランスという働き方に言えることだと思います。人脈や貯金を前もってある程度得てからフリーランスになることで解消することができるでしょう。
また、毎回異なる現場へ行き、初めて会う人と仕事をすることにどうしても慣れないという人もいるようです。そういった人は気疲れしてしまって、かえって効率が悪くなってしまう結果に。特に、コミュニケーション能力も問われる職業ですので、フリーランスとして働くにも向き不向きがあるようです。
まとめ
通訳の仕事は、他のフリーランス同様メリット・デメリットがありますが、フリーランスで活躍している人が比較的多い職業です。特にこれから需要も増えていくと思われます。
将来、通訳者として働きたい人や、すでに働いているけれど独立するか迷っている人は、フリーランスの通訳者として独立することを目標にしてみるのも良いかもしれませんね。
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