【Cool Workerなヒトビト】Vol.22 本業と副業、そして一児のパパとして
今回のインタビューは、イキイキと働き、ご家族との時間も大切になさっている服部祐介さん。本業と副業の両立、子育て中のパパとしての思いを伺った。
-現在のお仕事について教えてください。
本業として、株式会社ミニマル・テクノロジーズにinsidesalesチームのリーダーとして勤務しています。副業として、2016年に立ち上げた、重症心身障害児者・肢体不自由児者・医療的ケア児者に特化した物語サポートマガジン「KILINOKA(キリノカ)」の代表をしています。KILINOKAは「障害なんて自分とは関係ない」と思っている人にとっても、より身近に感じてもらえるような物語マガジンにすることで、障害を「知る」きっかけをたくさんつくれるよう活動しています。
平日の日中はミニマル・テクノロジーズでの業務をし、平日の夜や休日にKILINOKAの活動をしています。
-副業をはじめたきっかけを教えてください。
副業のKILINOKAを立ち上げたきっかけは、自分の経験として弟が生まれつき入院していたことと、母子家庭で育ったことが原点です。ご家族や団体の方と話をさせていただくと、皆がさまざまな課題に対して誠実に行動しているということがいろいろな人に会えば会うほどひしひしと伝わってきました。そこから学んだことの大切さをこのまま自分の中だけにとどめてはいけないと感じました。
KILINOKAは、今のミニマル・テクノロジーズで働く前に立ち上げました。
障害児者の中でも、重度の肢体不自由と重度の知的障害とが重複した状態の重症心身障害児者については、世間一般的には情報が少なく、制度も整っていません。需要が少ないためにビジネスとしてのサービスも少ない現状にあります。
-KILINOKAはどのようなメンバーで構成されているのでしょうか?
コアメンバーは5人で、メンバーはそれぞれ他に仕事を持っています。また、大学院生やボランティアさんなどもKILINOKAの活動を手伝ってくれています。記事については自分でインタビューをして自分で書いています。
-気になる副業の収入について教えてください。
妻との話し合いで、投資する資金を決めました。メンバーの協力のもと、コストを抑える工夫をしながら、その資金の範囲内で業務をしています。本業のほかに副業をしているとはいえ、今のところは収入が極端にアップしているわけではありません。
将来的には、KILINOKAの価値に対して何らかの対価を得ていきたいと思っています。例えば、KILINOKAで発信している物語を本という形で情報を販売するとか、イベントを開催するとか。
-本業と副業の両立で大変なことはありますか。
本業と副業の両立、そして子供がいるので子育てがあり、スケジュールが落ち着くまでの調整に苦労しました。
本業のミニマル・テクノロジーズでの面接では、子育てとKILINOKAの仕事をすることを条件として提示しました。上司とのコミュニュケーションの中でKILINOKAの活動を理解してもらっています。
子育てについては、妻との話し合いを大切にしています。妻と交換日記のようなものをしていて、口では言いにくいような、お互いの要求や思いを伝えあっています。また、妻も仕事をしているので、家事を分担しています。平日に仕事で夜遅くなって自分の家事分担を妻に交代してもらうこともありますが、そんな時は、土日に自分の家事分担を増やすなどの工夫をして調整しています。実際の家事分担については、「TimeTree」というカレンダー共有アプリが役に立っています。
-本業と副業を両立させるために便利なツールが他にあれば教えてください。
本業ではテレワークの割合も多いので、電話アプリの「AGEphone Business」、コミュニュケーションツールとして「slack」、 KILINOKAではプロジェクト開発ツールとして「GitHub」を使っています。
ミニマル・テクノロジーズの業務では電話でアプローチをすることも多いので、家にいても会社の電話番号で発信できるAGEphone Businessは大変便利です。
-本業と副業の位置付けについて教えてください。
KILINOKAは、重症心身障害児者・肢体不自由児者・医療的ケア児者のことを世界に知ってもらうためにも活動をしています。一方、本業であるミニマル・テクノロジーズでの業務は、「技術と広い視野で、国境のない世界を作る」をミッションとしています。どちらも、情報に国境を作らないという点で共通していて、仕事ではあるけど自分のやりたいことですので仕事という感覚がありません。
ミニマル・テクノロジーズは、「WOVN.io(ウォーブンドットアイオー)」という、最短5分でWEBサイトを多言語化できるサービスを運営しています。このWOVN.ioを使って、将来的にKILINOKAで発信しているご家族の物語を世界に知ってもらうことがあるかもしれません。今は本業をやめて副業に特化するということは考えていません。
-将来の目標について教えてください。
自分自身の目標としても、国境のない世界を作りたいという思いがあります。
KILINOKAの目標は、重症心身障害児者・肢体不自由児者・医療的ケア児者含めすべての家族・子供たちが安心して暮らせる社会にするということです。今の段階としては、目標を達成するためには大企業や役所等と仕事をしていく必要があり、法人だと有利なことも多いので、必須条件としてKILINOKAの法人化をしたいと思っています。
本業のミニマル・テクノロジーズでの仕事では、世界中のWebサイトの言語の壁を本質的になくしていきたいです。東京オリンピックが近づいていることもあり、多言語化の需要は増えてきています。WEBサイトを多言語化した先には、気持ちや経験などの思いも共有できると考えています。多言語化することで、いろいろな考え方を尊重しあうこともできます。
-Cool Workersの読者のみなさんに伝えたいことはありますか?
まず一番に思うことは、やはりKILINOKAを広めて欲しいということです。重症心身障害児者・肢体不自由児者・医療的ケア児者のことを知って持ってもらい、一部の人たちだけの情報でなく、国内外関係なく、世界の常識として広めていきたいと思っています。
-最後に、お気に入りの仕事場は!?
もちろん、Basis Pointです(笑)。
服部さん、どうもありがとうございました!
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