フリーランス1年目に突き付けられた「自由」「報酬」「孤独」「ビジネスマナー」の現実


フリーランス1年目に突き付けられた「自由」「報酬」「孤独」「ビジネスマナー」の現実

私はフリーランスになる前、とある企業のWeb制作部門でサラリーマンとして働いていました。ブラック企業と言われるほどひどい環境ではありませんでしたが、働いても働いても給料が全く上がらず、業務ではいつも同じような作業の繰り返しが何年も続きました。

 

担当している仕事のスピードは速くなりましたが、ずっとこのままここで働くのかと、ぼんやりとした不安を感じながら働いていました。

 

そんな私が、思い切って独立したのが2018年の4月のことです。未経験のWebライターとして開業し、半年が過ぎました。独立して思っていた通りだったこともあれば、想定外のことも経験しました。

 

そこで今回は、私がフリーランス1年目に実感した、「フリーランスの現実」について紹介します。

 

 

〔フリーランスの現実1〕自由が重い

 

フリーランスになって最初に感じたことは、何もかもが自由であるということです。

 

例えば仕事。

フリーランスだったら、自分でやりたい仕事は自分で選択できます。営業だって自分でやるわけですから、自分が取引をしたい会社や個人に対して営業をすればいいのです。

 

働く場所だって自由です。

私はWebライターなのでパソコンとインターネット回線があれば、どこでも自由に仕事ができます。自宅で仕事をしてもいいし、お気に入りのカフェでゆったりと仕事をすることもできます。

 

働く時間も自由です。

自分でしっかりとスケジュールが調整できるのであれば、明け方まで仕事をしてから寝て、昼過ぎに起きるという生活もできます。育児の隙間時間を利用して仕事をしているママさんフリーランスもいます。

 

さらに言うと、報酬だって自分で自由に決められます。

例えば記事一つに対して3,000円など、自分で報酬を決めてクライアントと交渉することができます。交渉の結果、思い通りの金額にならないかもしれませんが、その場合は交渉で決まった金額で受注するか、あるいはそのお仕事の受注を止めるか、どちらかを選択すれば良いのです。これも自由ですよね。

 

 

こんな風に最初は自由を満喫していたのですが、独立して3か月目くらいで少し不安を感じるようになりました。それは自分が自由にしてきた選択について、誰からも助言や意見が得られないからです。

 

フリーランスはとにかく自分の裁量が大きすぎて、自分で自由に選択したことが本当に良いのか悪いのかわからないのです。自分で下した選択に対して、後になってから「やっぱり別の方法が良かった」と後悔することも度々ありました。

 

「フリーランスの自由って重いな……」

 

これがフリーランスになって最初に感じた現実です。フリーランスにとっての自由は、良い面もあれば、不安になる一面もあることを実感しました。

 

 

 

 

〔フリーランスの現実2〕納品物によってのみ報酬が決まる

 

収入は仕事をしないと得られません。こんなことは当たり前ですよね。ところが独立してみて、サラリーマンとしての仕事と、フリーランスとしての仕事では報酬の決まり方で大きく違うと感じました。

 

 

私の前職であるWeb制作は、特殊な知識が必要なだけでなく、毎日のように新しい技術やツールが誕生する業界でもあります。そのためトレンドを追いかけて、流行りの技術や情報を吸収しながら仕事をする必要があります。

 

サラリーマンだったころは、仕事で必要な知識や技術を調べたり試したりする作業を、業務の時間にあてることができました。必要であれば技術書なども会社の経費で購入することもありました。

 

しかしフリーランスは、実際にクライアントに納品する成果物のみで報酬が決定されてしまいます。

 

 

Webライターの仕事で言えば、1記事3,000文字などの決まった仕事があり、報酬は実際に記事を書いて納品することによって支払われます。つまり記事を書くために要したリサーチの時間や、書籍などの参考書の購入費用は含まれていません。

 

技術職にとってスキルを磨く時間と、磨いたスキルで仕事をする時間は別物です。サラリーマンであれば、業務で必要なスキルアップに要する時間も仕事にカウントされますが、フリーランスは、最終的な納品物のみで報酬が決まってしまいます。

 

 

私は未経験でWebライターになったということもあり、実際に文章を書いている時間の何倍も勉強しているので、このことは本当に強く感じました。

フリーランス1年目に突き付けられた「自由」「報酬」「孤独」「ビジネスマナー」の現実-1_r

 

 

 

〔フリーランスの現実3〕孤独がキツイ

 

フリーランス同士でチームを組んで仕事をすることもあるようですが、独立したてのフリーランスの多くは、一人で仕事をしているものです。私も自宅に引きこもって記事を書く日々を送っています。

 

サラリーマンだったころは、後輩に仕事を教えたり、上司から押し付けられた無理難題に対して文句を言いながらこなしたり、何年もお付き合いのあった取引先から労いの言葉を頂きながら仕事をしていました。当時は、こんな環境が当たり前すぎて、何の感情も持つことはありませんでした。

 

そんな私も今はフリーランスです。サラリーマン時代はフリーランスになったら、自分の好きな仕事を好きなペースでできると思っていたし、実際にそうなりました。しかしサラリーマンとして人間関係にもまれながら仕事している人の日常をTwitterやブログで見かけると、昔の自分がフラッシュバックして、ちょっと寂しい感情に襲われることがあります。

 

 

インターネットやSNSでつながっているから一人じゃないと、よく言われます。しかし本名や顔も知らないような赤の他人との付き合いは味気ないものだと感じます。

 

なので私は、フリーランス向けのオフラインのイベントや勉強会があったら、なんとかスケジュールをつけて参加するようにしています。でもオフラインで会っても、結局その後のお付き合いはSNSだけになったりするんですよね。難しいところです。

 

 

 

 

〔フリーランスの現実4〕ビジネスマナーはかなり重要

 

ビジネスマナーの重要性は改めて紹介する必要もなさそうですが、あえて取り上げました。なぜならフリーランスの中には、ビジネスマナーが全くできていない人もいるからです。

 

フリーランスとして最低限必要なビジネスマナーは「連絡をしっかり」「納期を守る」の2つです。

 

 

クライアントとの連絡に関してよく言われるのが、即レスの重要性です。クライアントからすれば1年目のフリーランスなんて、簡単に代えがきく存在です。だから業務のメールや、仕事依頼のメッセージの返信が遅れてしまうと、別のフリーランスに仕事が奪われてしまうこともあります。

 

返事が必要なメールには1日以内に返信することを私は心掛けています。

 

 

納期に関しては、予め決めた日に納品することも重要ですが、どうしても納期の調整が必要になった時に、適切に相談できるコミュニケーションスキルも必要です。

 

Webライターの仕事をしていると、「一方的に納期延長の連絡が来た」とか「納期になっても記事の納品がない」のようなメディア担当者とWebライターのトラブルの話をよく聞きます。

 

 

つまりビジネスマナーは基本中の基本ですが、しっかりと守ることで、他のフリーランスと差別化するための要素になるということです。少しでも他のフリーランスより優位になるためにも基本はしっかり守りましょう。

 

 

 

 

まとめ

 

フリーランスが感じる現実は人によってそれぞれ異なるでしょう。サラリーマンだったころ、「フリーランスになったら自由になれる」と思っていました。そして実際にフリーランスになったら、想像以上に自由になり困惑してしまうほどでした。

 

サラリーマンのつらさを解消するために私が選んだのがフリーランスという生き方です。ですが、つらさから逃れるだけなら、他の方法もあると思います。

 

私は今でもサラリーマン時代の自分を懐かしく思う気持ちがあります。ですが、フリーランスになったことは後悔していません。

 

もしあなたがつらい思いをしながらサラリーマンをしているのであれば、こんな生き方もあると、心のどこかに留めておいて欲しいと思います。

 

 


この記事を書いたのは

Cool Workers運営部
Cool Workers運営部ライター
フリーランスや副業などの“自由なはたらき方”、税金、働き方改革に関する情報を発信しています。Cool Workers運営部は、様々な働き方をしているメンバーで記事を作っています。