【激闘】フリーコンサル VS 会社員 –メリット・デメリット–


【激闘】フリーコンサル VS 会社員 –メリット・デメリット–

クラウドソーシングが浸透してきた現在では、コンサルタントもフリーランスとして活躍できる場面が増えています。

 

その結果、必然的にフリーコンサルへの転職を検討する方の数も増加傾向にあります。

 

私自身も広告代理店のコンサル職からの独立経験があるため、「実際のところ、独立の前後で生活がどう変わったの?」と聞かれることも少なくありません。

 

そこで本記事では、「コンサルティングファームに勤める会社員」と「フリーランスのコンサルタント」の両方を経験した立場から、それぞれの働き方のメリット・デメリットを比較します。

 

私の実体験を参考に、ぜひあなたに合った働き方を考えてみてください。

 

 

フリーコンサル VS 会社員【収入面】

 

収入の多寡はコンサルタントの能力や案件によって大きく異なります。

 

したがって、フリーコンサルと会社員のどちらが良いか、白黒つけるのは難しいでしょう。

 

ただし、「フリーコンサルの方がマージンを引かれにくい」という構造的な事実は確たるものとして存在します。

 

というのも、会社員であれば、クライアントが支払った金額のうち数十パーセントが会社の取り分、残りが会社員であるコンサルタントの分です。

 

他方で、フリーコンサルの場合は、クライアントからの直接依頼されて仕事をするわけですから、そもそも会社の取り分という概念が存在しません。

 

したがって、クライアントが相場より多少安い単価で依頼をしたとしても、フリーランスの取り分の方が会社員よりも多いというのはそう珍しいことではありません。

 

 

 

これらを踏まえると、良好な関係を築くことができる場合には、直接依頼はクライアントとフリーランスの双方にとって利点がある取引方法と考えられます。

 

ただし、フリーコンサルはボーナスがないことに加え、案件が途切れた期間の収入が0になるリスクもあります。

 

このようなフリーランスに関するネガティブポイントを考慮すると、少なくとも収入面での安定性については、会社員に軍配が上がると評価できます。

 

 

 

まとめると、以下のようになります。

 

【会社員】

安定は確約されるが、階級によって給与上限あり。

 

【フリーコンサル】

安定性は乏しいが、収入は青天井。

 

 

 

 

フリーコンサル VS 会社員【ライフワークバランス】

 

次に、仕事と私生活の両立、いわゆる「ライフワークバランス」について見ていきましょう。

 

会社員のメリットとして、案件をチーム単位で担当している場合が多いので、プロジェクトの責任が分散されるという点が挙げられます。

 

例えば、会社員時代、やむを得ない用事が入った際に、会議への出席を同僚が代わりにつとめてくれたりもしました。

 

他方で、フリーコンサルの場合、プロジェクトの成否を個人で引き受けなければなりません。簡単にアポを欠席するわけにはいきませんし、失敗すればもう依頼が来なくなるかもしれません。その精神的な重圧は、多少なりとも私生活に影響を及ぼすでしょう。

 

 

 

しかし、だからといって会社員が万能というわけではありません。

 

なぜなら、会社員はプロジェクト以外の業務も発生するため、多忙になりやすい傾向にあるからです。

 

例えば、人事評価の時期に提出しなければいけない部下の育成評価のレポート等のように、プロジェクト外のタスクもこなさなければいけません。

 

これに対して、基本的にフリーコンサルとして働く場合は、すべての業務がプロジェクトに関連するものです。

 

したがって、プロジェクトへの集中、という意味では、フリーコンサルの方が効率性を高められると評価できるでしょう。

 

実際、私について言えば、フリーコンサルになってからの方が稼働時間あたりの収入はアップしています。

 

ただし、フリーランスには空いた時間に人脈作りをしなければいけなかったり、スキルアップのための学習を個人で模索しなければならないという側面があります。

 

私の例では、スタートアップの立ち上げ初期の方々と個人投資家が集う企画に毎週参加し、そのどちらに対しても、顔と名前を覚えてもらえるように約1年間働きかけました。

 

おかげで、その時に出会った方々からの依頼も何度か経験しています。

 

 

 

ちなみに、人脈作りのような「資産形成」は、会社員時代や独立後の初期に行っておくことでその後の負担を減らすことができます。

 

フリーコンサルになろうか迷っている方は、独立を見据えて早めに準備をしておくことが大切です。

 

 

 

フリーコンサル VS 会社員【業務内容】

 

次に、対象となる業務内容にどのような違いがあるのかを見ていきましょう。

 

プロジェクトを成功させるという点では、会社員であってもフリーコンサルであっても行うべき仕事は大きくは変わりません

 

実態としては、「会社員時代に身につけた思考法や問題解決のプロセスを生かして、新規の案件に取り組む」という流れのため、会社員時代に基礎の能力が身についていることが必須要件になります。

 

会社員とフリーコンサルで大きく異なる点は、営業や経理などの上流・下流の仕事を含むかどうかです。

 

会社員であれば、営業専門の人員がクライアントとの条件交渉などを済ませているので、コンサルタントの仕事はプロジェクト内の一定の範囲に収まります。もちろん、経理もほとんどする必要がありません。

 

他方、フリーコンサルの場合、営業活動から出入金の管理まで自分で行わなければいけません。その際の条件交渉・必要なデータの準備などは、初めて経験する際には苦労することもあるでしょう。

 

現在ではフリーコンサル向けの求人なども出ているので、業務フローは分かりやすくなってきています。それでもビジネスの全体像を把握し、それに関連する知識を身につけることは必須です。

 

 

 

さらに、現場での見られ方も会社員とフリーコンサルで変わる場合があります

 

会社員の場合、社名や役職名が後ろ盾となりますが、フリーコンサルの場合は自分の行動だけで評価されます。

 

そのため、フリーコンサルはプロジェクトの成否だけでなく、「周囲の人から信頼を勝ち得ることができたか」「仕事をしやすいと思ってもらえたか」などの事情も、次回以降の依頼が来るかどうかを左右する要因になることに注意が必要です。

 

以前、私は、地方の自営業者が合同で開くイベントのアウトリーチの依頼を受けたことがあります。会社員時代のような硬い資料を提出してもクライアントの表情は全く明るくなりませんでしたが、現地に赴き、依頼者の声にじっくりと耳を傾けることで徐々に信頼を獲得することができました。

 

 

 

 

フリーコンサル VS 会社員【福利厚生】

 

福利厚生に関しては、会社員の方が大きな恩恵を受けられると言えます。

 

会社員であれば、社会保険や公的年金に加え、有給や夏季休暇、学習支援などに手厚いフォローが期待できるからです。

 

他方で、フリーランスとなると社会保険料の負担額が大きくなりますし、業務に関連する備品や書籍を自費で調達しなければいけません。確定申告などの税務処理の手間も増えます。

 

ただし、個人事業主の場合、会社員に比べると控除の枠が広いので、各種制度を活用すれば税制上のメリットが得られることもあります。

 

 

 

私は会社員時代、税制の知識がほとんどありませんでしたが、独立を機にファイナンシャルプランナーの資格を取得しました。

 

必要に迫られての行動でしたが、おかげで法律や制度面に関する理解が深まり、業務でも私生活でも役に立っています。

 

新しいスキルを身につけたいというモチベーションがある方は、独立を検討してみても良いかもしれません。

 

 

 

最後に

 

フリーランスとして働くコンサルタントにも、会社員として働くコンサルタントにも、さまざまな利点・欠点があることを見てきました。

 

もちろん、どちらが良いかは個人の価値観によるのですが、少なくとも私にとって、結婚後はフリーコンサルとしての働き方を気に入っています。

 

なぜなら、フリーランスであれば先々の予定や業務量を自分の裁量で調整できるので、時間の自由度が高く、家族の予定に柔軟に対応できるからです。

 

さらに言えば、仕事量に応じて収入が増えるので、家計を豊かにできる実感をより得やすいからでもあります。

 

 

 

もちろん、このように感じられるようになった背景には、会社員時代に会社の福利厚生の助けがある中でさまざまなスキルを身につけた上で独立したという経緯があるからです。

 

つまり、会社員としての働き方を否定するつもりなど無く、むしろ大変感謝しています。

 

皆さんも、それぞれの価値観やライフステージに合わせて、会社員とフリーコンサルのどちらが自分に合っているかを考えてみてください。

 

 


この記事を書いたのは

Cool Workers運営部
Cool Workers運営部ライター
フリーランスや副業などの“自由なはたらき方”、税金、働き方改革に関する情報を発信しています。Cool Workers運営部は、様々な働き方をしているメンバーで記事を作っています。