「自分の今のデスクワークでは、スキルをつけられない」
「専門職じゃないから、キャリアアップの道が目指せない」
となんとなく思っていませんか?
「手に職がある人は、スキルアップもキャリアアップも目指しやすそうだなあ…」と指をくわえている人もいるでしょう。
「手に職」というと固い職人のような仕事をイメージしがちですが、今は特定の専門職だけがスキルを語る時代ではなくなってきています。
たとえ現在の職業がデスクワークであってもスキルを身につけることは可能ですし、自分のスキルを高めることはキャリアアップにもつながります。
準社員や非正規雇用の人は、正社員雇用を狙うチャンスも生まれくるでしょう。
この記事では、
・会社員がキャリアアップするために役立つスキル
・スキルを伸ばすための具体的な方法
について解説していきます。
ぜひ今いちど、ステップアップのために自分の伸ばせるスキルを認識して、社会人特有の勉強分野を深めていきましょう。
目次
会社で使えるスキルを整理しよう
まず、会社で役立つスキルを大局的に観察してみましょう。
自分に求められているスキルを俯瞰して確認することで、ステップアップへの最短距離を進むことが可能になります。
厚生労働省の調査による「労働者に求める能力」とは
厚生労働省は令和元年度の「能力開発基本調査」にて、企業の発展にとって重要と考える労働者の能力・スキルをまとめました。
調査によると、求められるスキルは「チームワーク」以外にも、正社員は「マネジメント能力・リーダーシップ」、正社員以外は「定型的な事務・業務を効率的にこなすスキル」が高い数値を示しています。[1]
つまり、「定型的な事務・業務を効率的にこなすスキル」「マネジメント能力・リーダーシップ」が習得できれば、会社が手放したくない人材となり、ステップアップが期待できるということです。
自分のスキルを見直す指標になりそうですね。
「カッツ・モデル」から読み取れる「マネジメントに必要な能力」とは
1950年代にアメリカの経営学者であるロバート・カッツが提唱した「カッツ・モデル」は、現代でも多くの社会人の羅針盤となっています。
カッツは、マネジメント層に必要なビジネススキルを「テクニカル・スキル」「ヒューマン・スキル」「コンセプチュアル・スキル」の3つに分類しました。
テクニカル・スキル |
業務遂行能力のこと。業務のプロセス、テクニックなどを理解し、それに熟達するスキル。 |
---|---|
ヒューマン・スキル |
対人関係能力のこと。グループの一員として人間関係を円滑に構築し、手際よく仕事ができるスキル。 |
コンセプチュアル・スキル |
概念化能力のこと。物事を抽象化して考え、企業を総合的にとらえられるスキル。 |
正社員などへのキャリアアップは、自分の業務だけでなく周り人の進行状態を見守るという「マネジメント」の要素が加わることになります。
マネジメントの最初の段階(ロワーマネジメント)として必要になるのが、テクニカル・スキルです。
つまり、テクニカル・スキルを高めることが、最初のキャリアアップの扉へとつながっていくのです。
自分の伸ばせるテクニカル・スキルを見極めよう
厚生労働省の調査やカッツ・モデルから読み解くと、キャリアアップのためには、自分の業務遂行能力を高めることが大切だとわかりました。
自分の業務遂行能力を伸ばすためには、どんな点に着目したらよいのか考えていきましょう。
スキルアップ方法 その1:デスクワークの分野
まずはなんといってもMicrosoftのOffice操作です。
仕事で必要になる書類のほとんどは、Officeで作成されてているのではないでしょうか。
Officeはかなり奥が深く、マクロ機能を使いこなす等で様々な使い方ができることから、スキルの一つといえます。
また近年では、GoogleスプレッドシートやGoogleドキュメントを使用して、オンライン共有する会社も目立ちます。
GoogleソフトもMicrosoftと同じく、活用法を「知っているか・知らないか」で作業効率は大きく変わります。
その他にも、メール送信ひとつとっても、ショートカットや単語登録で時短や効率化を図ることは可能です。
「大それたことでなくても、意外と業務遂行能力を上げることは簡単だ」と感じられるのではないでしょうか。
自社で使用するツールの活用テクニックを習得することで、デスクワークでも十分にスキルを向上できます。
初心にかえり、「この仕事はもっと時短できないか?」「普段行っているプロセスは本当に効率的か?」と疑ってみることで、伸びしろを見つけることができるでしょう。
スキルアップ方法 その2:エンジニアの分野
今どきの専門職といえば真っ先に思い浮かぶのが「エンジニア」。システムを扱う上で必要になってくるのがIT技術となります。
世の中のシステムを影から支えるエンジニアはまさに現代版の職人といえるでしょう。
しかし、もはやエンジニアのIT知識は、専門職だけに求められるものではなくなってきています。
オンライン化が急速に進み、これからはどんな分野でも、ネットワークやシステムの構成の知識が必須になっていくでしょう。
クラウド・コンサル・AIなどの専門的な技術やノウハウを身につけてITプロフェショナルとなれば、今就いている業界に縛られずに、気軽に転職することも可能になります。
ITのノウハウは日々タイムリーに更新されていくものなので、可能であれば専門のスクールを活用するのがおすすめです。
また、スクールは自分で専門書籍を読んで独学するのとは異なり、体系化・洗練化された学習方法で効率的に学ぶことができます。
知識の取りこぼしや非効率な時間を削減することが期待でき、社会人として賢い勉強方法となるでしょう。
スキルを認めてもらって正社員にステップアップ!
現代の多くの仕事は、学歴はさほど関係ありません。
社会人になってしまえば、学生時代の行いよりも「どういった技術が扱えるか」「どういったプロジェクトをこなしてきたか」が重要になっていきます。
学歴主義の数十年前よりもダイレクトにスキルで勝負することができるため、スキルアップは会社に認めてもらう最短の手段といえます。
ここまで読んでいただいた方は十分理解いただけたかと思いますが、スキルを身につけることで、身につける前よりも、正社員になれる可能性は格段に上がります。
最後に:スキルアップのチャンスを活かせるかは自分次第
社会人には、業務遂行能力が必要不可欠。社会人として求められる人になるには、以下のスキルを習得する必要があります。
・デスクワークなどの日常的に使うスキル
・エンジニア分野の将来的に必要性が高まるITスキル
まずは動き出してみて、自分の習得しやすい分野を深めていくのもおすすめです。
学習方法は本だけに限らず、スクールやインターネットなど多岐に渡ります。
そのため、スキルを習得することは以前より簡単になりました。
スキルアップやキャリアアップのチャンスはいたる所に転がっています。
思いたったが吉日なので、市場に取り残されないように、自分のために早めに学習を始めてあげましょう!
<参考・参照サイト>
[1] 「最新(参考1)調査結果の概要(企業・事業所・個人結合ver)」[PDF](厚生労働省、令和2年5月26日、p.5)
[2] 「管理職に求められる「マネジメント」、管理職が執るべき行動の在り方について」[PDF](内閣官房、p.3)
[3] 「マネジメント育成におけるカッツ・モデル:問題解決・未然防止」(一般財団法人 日本科学技術連盟、2020年8月31日参照)
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