会社員からフリーランスになる場合、今まで当たり前であったことが当たり前でなくなったり、自分の力ですべてやらなくてはいけなくなったりします。
実際にフリーランスに移行する前に、会社員として働いているときにやっておいた方が良いことがあるのも事実です。
そんな、組織にいる間にやっておくべきだと思うことをまとめてみました。これから独立してフリーランスになる予定のある人は、会社員を辞める前に、ぜひこれを読んで準備してみてください。
1.仕事の受注先をある程度確保する
フリーランスになる前にまずやっておくべきは、顧客や取引先の目星をつけておくことです。
どんなにスキルがあっても、すぐに顧客がつくことはありません。組織に属しているうちに、顧客になってくれそうな人や取引先とは何かしらのつながりを持っておくべきです。
フリーランスになったら顧客になってくれるという約束をしてくれる人が何人もできてから会社員を辞める方が良いでしょう。
仕事を辞めてから顧客を見つければ良いという人もいますが、営業力がない人は全く顧客獲得ができない場合もあります。
また、仕事を受注してくれそうな人は複数人確保したいところです。
フリーランスで働いている人なら一度はこういった経験をしていると思うのですが、大きな案件を任せてくれる人がいてもその案件が急遽延期になったり中止となる場合も多くあります。それまでどれだけその案件の準備などに注力していたとしても、ポシャってしまうことは残念ながらあるのです。
そういったときのためにも、いくつかの仕事を別の取引先から受注できるようにしておくことを念頭に営業活動をしましょう。
2.各種手続きの一通りの把握
次にやっておきたいのは、会社員時代には会社がやっていてくれていたが、フリーランスになったら自分でやらなければならなくなることに精通することです。
例えば、会計処理や税務申告、社会保険事務、広告、営業、各種の手続きなどが挙げられます。
このような事務作業は独立するまで大した問題ではないと考える人が多いですが、予想以上に悩まされる人が多いものでもあります。
独立して、これらの知識がないと、思った以上に事務処理に時間を取られてしまい、業務運営に支障をきたすこともあるので、このような知識についても仕入れておくことが大切です。
フリーランスになると、「経費で落とす」機会が増えると思います。その際に領収書をきちんと捨てずに整理しておくことなどは、前もって知っておかなれば大きな損を被ります。事前に知っておくことは、自分自身にとっての危機回避でもあるのです。
また、例えば確定申告に関する諸々の処理については、各自治体が管理する商工会議所などで無料の講座が受けられる場合などもあります。専門家に直接教えてもられるチャンスですから、こういった機会を利用しない手はありません。
実際にフリーランスで活動している人から、これらに関する話を聞いておくのも役立ちます。事前に自分がやらなくてはいけないことを把握しておけば、実際に必要となったときに焦らずに済みます。
もちろん、仕事を辞めてからでも習得をすることはできますが、業務の運営で忙しくなってしまうと大変困るので、準備しておくことが大切なのです。
3.貯金
事業がすぐに上手くいくことは珍しいです。当面の間は赤字でも暮らせるようにしておかなければなりません。業務が軌道にのるまでには半年以上かかる場合もあるので、1年分位の生活費は貯めておくべきです。ここで注意したいのが、年金や健康保険料、税金などで支払う金額です。会社員時代にはあまり気にすることがないため忘れがちですが、しっかり加味した上で貯めておきましょう。
もちろん、この他に業務で必要となる経費もあるので、これらは別途、準備しておかなければなりません。
借金すれば良いと思うかも知れませんが、銀行などは簡単には貸してくれないので自分で準備することが大切です。
ただ、お金が貯まらないからフリーランスになれない、と自分のやる気を削ぐようなことにはならないようにしてほしいのです。どうしても貯金できないという人は、毎月自動的に口座から一定額が引き落とされる自動積立預金などを利用してみるのも良いかもしれません。
4.クレジットカード作成とローン契約
フリーランスになると社会的な肩書は「自営業」となり、会社雇用にはなりません。このため、新しくクレジットカードを作ったり、ローンの審査に通ることが難しくなります。
クレジットカードはライフスタイルによっては必ず準備しなくてはならない、というものではありませんが、今の時代はクレジットカードによってポイントを貯めたり、様々な代金を支払うことができるなど、生活必需品となりつつある側面もあります。
また、日本は現金払いの文化がありますが、海外にはカード払いが一般的である国も多くあります。とある国を旅行した際、空港以外で日本円から現地通貨に替える場所が見つからず苦労した経験があります。海外旅行などに行く際は、クレジットカードをひとつは持って行くことをおすすめします。
そういった時のためにも、クレジットカードは作っておいて損はありません。年会費や入会費がかからないものもたくさんありますので、フリーランスになる前に作っておくと良いでしょう。
ローン契約は、種類や金額の大きさなどにもよりますが、フリーランスは実績がないとなかなかローン審査に通らないという話をよく聞きます。住宅ローンや車のローン、教育ローンなど、一括では払えないもので検討しているものがあれば、会社に属しているうちに契約してしまいましょう。
ローンを組むと、在籍確認の連絡が会社に来るという経験をしたことがある人も多いのではないでしょうか。会社に所属しているという確認を取りたいのは、毎月決まった額の給料を得ているという確認を取りたいということです。フリーランスの場合はこういった確認を取ることは難しいですよね。ですからお金を貸す方もためらってしまうのです。
ローンを組んで買いたいものがある人は、会社員を辞める前に購入するか、もしくはフリーランスとして実績を積んでからか、どちらかの選択をしておきましょう。
5.引っ越し
引っ越しを検討していて、それが賃貸であるなら、会社員のうちに引っ越しておいた方が良いかもしれません。
すべての物件が当てはまるわけではありませんが、部屋を借りる際には入居審査というものがあります。大家さんなどの家を貸す人が、借りる人が本当に部屋を貸すのに値する人なのか見定めるということです。
大家さんがまず考えるのが、「きちんと家賃を毎月払ってくれるかどうか」ということです。フリーランスというとまだまだイメージとして不安定さがつきまとうのか、却下される可能性が会社員や公務員などより高くなってしまう傾向にあります。家を購入するほどハードルは高くはないものの、借りる場合でもある程度の審査があることは事前に頭に入れておきましょう。
もし今の部屋に不満がある場合は、早めに引っ越しの決断をした方が賢明です。
6.フリーランスの集まりなどに顔を出す
フリーランスになる前に、すでにその世界で仕事をしている人に話を聞いてみるのも得るものが大きいと思います。苦労した話を聞ければ、自分でも気をつけようと思えますし、楽しい話を聞くことができればモチベーションに繋がります。
近い将来、そこで出会った人と一緒に仕事をすることになるかもしれません。フリーランスこそ、人との繋がりが何より大事だったりします。
フリーランスで仕事をしている人は、快く人に仕事を与えたり、自分が抱えている仕事をシェアしてくれる人が多いように感じます。それは自分自身が同じように誰かから仕事を紹介してもらったり、一人でできることの限界を誰よりも知っているからかもしれません。
会社だと仕事に関してはライバル目線で同僚を見てしまうことも多いかもしれませんが、フリーランスはそういった意識は会社員よりも少なく感じます。仕事を探していると伝えれば、きっと力になってくれる人が現れるはずです。
探してみると、この手のイベントや集まりは結構見つかります。参加できそうなものがあったら、ぜひ積極的に顔を出してみましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
意外と会社員のうちにやっておくべきことはたくさんあります。一つひとつ自分のペースで処理し、フリーランスになる準備を整えましょう。
この記事を書いたのは
最新の投稿
- 2024年10月28日社員研修研修とは?意味や目的から具体的な進め方まで徹底解説
- 2020年11月25日コラム日本の副業事情、アメリカと比較した考察 ―ギグエコノミーの視点から―
- 2020年10月28日はたらき方チェンジキャリアアップを考えているなら、まずは副業でチャレンジしてみるのがおすすめ
- 2020年10月22日はたらく知恵自由を維持するには努力が必須!フリーコンサルで長生きするための信頼関係