副業をしたいと考えたとき、ふと浮かんでくるのはPC1台でできるお仕事です。
自宅やカフェなど、場所を選ばずに仕事ができることは、副業としてとても大事な要素ですよね。
でもインターネット上ではなく、オフラインでの仕事を副業にしている人も世の中にはたくさんいます。
そこで、今回はオフラインでの副業を初めた方のセミナーへ参加して、そこでうかがったお話をご紹介したいと思います。
副業セミナーの内容
セミナーでお話していただいた講師の方はこちら。
森井 良行(もりい よしゆき)
1979年生まれ。株式会社エレガントカジュアル代表取締役。一般社団法人服のコンサルタント協会代表理事。業界経験ゼロから服のコンサルタントとしての副業を通じ、経営者に転身。「エレカジ」(エレガントカジュアル)を提唱し年齢に応じたコーディネートを提案。ビジネスマンの買い物にマンツーマンで同行するサービスを4000人以上に提供。著書に『男の服選びがわかる本』(池田書店)、『毎朝、迷わない!ユニクロ&ツープライススーツの上手な使い方』(WAVE出版)などがある。
森井さんは、現在「服のコンサルタント」として1コマ2時間40,000円(税込)で洋服の買い物に同行するサービスを提供しています。
同行する中で、お客さんの悩みや心配などを聞き取り、服のコンサルを通じて不安のタネを除いていくことが主なお仕事。
服を購入するのはお客さん自身なので、森井さんはあくまでも購入までのアドバイスを送る立場ですが、このサービスがミドル世代の男性に大好評。
今ではさまざまなメディアで連載し、セミナーも多数開催されています。
ですが、森井さんは服飾関係の学校を卒業しているわけでもなければ、アパレル関係のお仕事経験があるわけでもないのです。
ただ「服が好き」という1点だけで、サービスをはじめて成功を収めています。
そんな森井さんは、どのような経緯で副業をはじめて、どのように拡大していったのでしょうか。
今回、講師の森井さんがBasis Point Lab.2ndでセミナーされると聞き、取材も兼ねて参加させていただきました。
副業をはじめるまで
森井さんは新卒で大手の英会話教室を運営する企業に入社。
入社当時から、会社のために全力を尽くそうとする熱心な会社員でした。
森井さんは、自身が配属された英会話スクールをより良くするために、お客様の声を集めたものを分析し、そこから導き出した改善策を会社に提案しました。
ですが、提案を受けた上司からは「その考えは、君の英会話教室ができたら実行してくれ。会社には会社のやり方がある。」と拒否されてしまいます。
このことがきっかけで、森井さんは2つのことに気付きました。
1つは「会社を良くしたいのではなく、自分の実績を作るために動いてしまった」こと。
そしてもう1つは「会社には会社の方針があって、個人が自己実現する場所ではない」ということです。
だからといって、すぐに本業の会社を辞めてしまうことは、せっかく採用してくれた会社に対して申し訳ないと思い、会社から引き止められるほどの実力をつけてから副業をはじめることを決意。
しかし、当時はまだ副業という考えがあまり普及していなかったこともあり、どこから手をつけていいかわからない状態でした。
本業でマネージャーとして働いていたある日のこと。
英会話スクールのお客さんであるコンサル会社の社長さんに熱心な対応をしていたところ、とても気に入られて一緒にご飯を食べに行くことになりました。
食事の場で、将来的に今の職業とは違うことに挑みたいことを打ち明けた森井さんに対して、コンサル会社の社長さんから1冊の本を読むことを勧められます。
それが「ユダヤ人大富豪の教え 幸せな金持ちになる17の秘訣(本田健、だいわ文庫)」。
すでに事業を成功させている社長が、自分の悩みに対して本を推薦してくれたことにとても感動した森井さんは、この本を何度も読み返しました。
5回ほど読み返した時、「好きなことには情熱がある、情熱があることは失敗しても何度もトライする、何度もトライすることで最後は必ず成功する」という旨の文章が目に入り、それが自分に対する答えだと気付きます。
その後、自分が好きなこと、情熱を注げることをひたすら探す森井さん。
過去の自分が好きだったことをひとつずつ再開してみるものの、そこまで本気で取り組めることが見つからず途方にくれていたところ、自室の壁にかけてある洋服を見て、あることを思い出しました。
「そういえば、高校生時代に「一般人向けのファッションコーディネートサービスをやれば絶対に成功する」って考えてた!」
すぐにインターネットで検索し、同様のサービスがまだ誰もやっていない事業だとわかった森井さんは、個人向けファッションコーディネートを自分の仕事にすることを決意。
自分がこの事業をやれば第一人者になれるということもあり、森井さんは副業に取り組みはじめました。
副業を本業にするまで
森井さんがファッションコーディネートサービスのホームページを作成してから1年が経過した頃、サイトは1日200PVほどありましたが仕事の依頼は年間通じて3件ほどでした。
そんな中、とあるナンパ塾の塾長を名乗る人からサイトに問い合わせが届きます。
問い合わせの内容は「塾生対象のセミナーを共同で開催して、ファッションについて講演してほしい」というものでした。
ナンパ塾という点に怪しさを感じながらも、1人で事業を進めることに限界を感じていた森井さんは、共同でセミナーを開催することを決意。
後日、打ち合わせをしたのち、塾生40名を対象に3時間のセミナーを開催したところ、受講した塾生のうち10人の生徒が、森井さんのファッションコーディネートサービスを受けたいと申し込みをしてくれたのです。
1年で3件しか来なかった仕事の依頼が、たった3時間のセミナーで10件も獲得できる。
事業を拡大させるには自分だけの力ではなく、他の人の力を借りるべきだと強く痛感しました。
その後、1回のセミナーで平均5人の新規顧客が見込めるまでに成長した森井さん。
ナンパ塾以外にも販路を開拓しようと考え、「結婚相談所」を運営する企業に手当たり次第営業をかけましたが、成果として実ることはありませんでした。
これをきっかけに、今やるべきことは法人とコラボすることではないと気付き、自分のことを世の中に広く伝えてくれる雑誌メディアへ営業をかけるよう方針を転換。
ツテをたどって雑誌の編集者が集まる交流会へ参加し、そこでの出会いから雑誌の取材申し込みが入るようになります。
徐々にメディアの規模が大きくなっていき、雑誌では「DIME」、WEBメディアでは「東洋経済オンライン」に掲載されるほど、知名度が高まっていきました。
この頃から、本業の英会話教室の会社を退職することを考えはじめた森井さん。
「本業と同じ金額の給料を、副業で3ヶ月連続で稼げるようになったら退職しよう」と決めていました。
しかし、当時森井さんが提供していたサービスは今よりもずっと価格を低く設定していたため、本業の空いた日をすべて副業にあてたとしても本業の給与額に絶対届かないことに気付きます。
このままでは、いつまでたっても本業を超えられないため、思い切ってサービスの単価を上昇させました。
結果として売上が落ちることはなく、本業以上の金額を3ヶ月連続で稼ぐことを達成。
服のコンサルタントを本業として活動していくこととなりました。
この記事を書いたのは
最新の投稿
- 2020年11月25日コラム日本の副業事情、アメリカと比較した考察 ―ギグエコノミーの視点から―
- 2020年10月28日はたらき方チェンジキャリアアップを考えているなら、まずは副業でチャレンジしてみるのがおすすめ
- 2020年10月22日はたらく知恵自由を維持するには努力が必須!フリーコンサルで長生きするための信頼関係
- 2020年10月21日はたらき方チェンジキャリアアップしたいならダブルワークが本当におすすめな理由