終身雇用の構造が崩壊し、「個人の時代」が叫ばれている昨今、パラレルキャリアの形成は人々にとってますます重要になってきています。
そこで今回は、パラレルキャリアの形成方法として週末起業を取り上げ、そのための資金調達の方法について具体的にご紹介します。
週末起業は現在の仕事に加えて無理なく続けられる低リスクな働き方です。
ぜひこの記事を参考に、週末起業を考えてみてください。
目次
なぜパラレルキャリアの形成が必要なのか
パラレルキャリアとは、「本業とは異なる第二の活動」のことを指し、自分とは異なる業種の方と人脈を築いたり、将来のためにスキルを身に着けたりと、さまざまな活動が想定されます。
私も数年間、組織で雇用されていましたが、残業ばかりで家族との時間が全く持てない上司や職場以外では誰とも話す人がいないと語った同僚などを見て、一つの組織に依存することへのリスクを強く感じました。
パラレルキャリアの形成は、人脈や労働時間の分散などを生み出し、将来的な生活のリスクを減少させてくれることが期待できます。
副業としての週末起業と資金調達の方法
週末起業のメリット・デメリット
週末起業のメリットは、
●本業以外に収益が得られること
●事業が軌道に乗れば本格的に事業化できること
●比較的容易に事業からの撤退が可能であること
などが挙げられます。
私は会社員時代、人事担当として働きながらライターとしても活動し、その後独立しました。週末起業は現在の仕事を辞めずに新たなことに挑戦できるため、リスクを最小限に抑えられます。
反対に、デメリットは、
●本業との両立が難しいこと
が挙げられます。
私も本業が繁忙期になると残業や休日出勤が増え、週末起業との両立が難しくなってしまったという経験があります。
副業とはいえ、取引先との納期は厳守です。
本業の繁忙期を考慮せずにスケジュールを組んでしまうと、非常に苦しい思いをします。
週末起業をする際の資金調達先
週末起業は基本的に、大規模に起業することを想定したものではありません。
そのため、資金調達を考えた時に最もリスクが少なく現実的な方法は、自らの貯蓄から調達することです。
私もレンタルオフィスや取材用カメラなどの機材を揃えるためにある程度資金が必要でしたが、すべて本業で得た収入から捻出しました。
その他の調達方法として、クラウドファンディングや補助金・助成金の活用を検討しましょう。
●クラウドファンディング
クラウドファンディングとは、サイトを運営している代行会社を経由して自らが行いたい事業の内容を掲載してもらい、資金を調達する方法です。
まず代行会社の担当者とプロジェクトの内容についてやりとりを行います。
多くの会社ではプロジェクトシートを用いて、事業内容や目標調達金額、リターンの設定などの確認を行います。
担当者と複数回にわたって修正や確認をくり返した後、最終稿がサイトに掲載され、クラウドファンディングが開始されます。
調達資金の1~2割程度を代行会社に支払うことになるので、目標調達資金は代行会社への支払い分を加味したものにする必要があります。
私の知人はこの方法で、過疎化の進む田舎で、人々が互いの安否を確認し合えるセーフティーネットを構築するという社会的意義を打ち出すことで、古民家カフェの改築プロジェクトを見事に成功させました。
●助成金・補助金
返済の必要がない資金調達として、国や地方自治体からの助成金や補助金を活用する方法があります。
私は公務員時代に個人事業者向けの補助金を取り扱っていた経験があります。
助成金や補助金は制度が複雑で、周知が不十分である場合が多く、後から窓口で「そんな制度があったなら利用すればよかった」と言われることが多々ありました。
週末起業であれば「創業補助金」が活用できる場合があり、人件費や設備費などに対し一定額の補助がなされます。
申請方法は、事業者が事務局に対し申請を行うだけです。申請書は、事務局のサイトから様式の電子データでダウンロードできます。
このような制度は知らなければただ損をするだけなので、事業に関連するものはなるべく把握しておきましょう。
パラレルキャリアの達成を通して見えるもの
週末起業を行うことでパラレルキャリアの形成が達成されれば、3つの自由が獲得できます。
①経済的自由の獲得
週末起業の収入が加わることで生活レベルが向上するだけでなく、資産形成や副業自体への再投資を行えます。
今後の選択肢が増え、経済的な自由度が向上します。
②精神的自由の獲得
今日、会社員という立場は必ずしも安泰とは言えなくなっています。
週末起業は、経済的な依存先を複数に分散させることで、上司からのストレスや解雇に対する不安など、精神的に束縛された状態から抜け出すきっかけとなります。
③時間的自由の獲得
週末起業は開始時こそ多忙になりがちですが、事業が軌道に乗れば本業化、独立なども視野に入るものです。
また、本業の労働時間を減らしたり、転職するなどの選択肢を与えてくれます。これにより、時間を効率的に使うことができるようになり、時間的な自由を獲得できます。
おわりに
週末起業を行うことで収入の増加が見込めるだけではなく、新たな人脈の形成や精神的な安定など、さまざまなリターンを得られる可能性があります。
また、資金も、クラウドファンディングなどにより少ないリスクで調達できるため、週末起業を志す人にとってはとても良い時代となりました。
仕事を複数持つことは、見通しの立たない今後の経済状況において、自分を守るための最良の方法です。
資金調達のハードルが低くなった今、パラレルキャリア形成への後押しはますます強くなっています。激動の時代だからこそ、まずは週末起業という小さなチャレンジから始めてみませんか。
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