グンゼの成長から学ぶテレワークの必要性について

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グンゼ株式会社という社名を聞いて、まず何を思い浮かべるでしょうか。

 

恐らく多くの人、とりわけ30~40代以上の男性であれば、まずは真っ白なブリーフパンツを思い浮かべるかも知れません。

 

あの独特の前面デザインとともに、お風呂上がりの風景や身体測定前日に真新しいパンツを母親が出しておいてくれた風景は、多くのオッサン世代にとって生涯忘れがたい記憶だと思います。

 

 

 

そしてそのグンゼ、実は日本を代表する肌着メーカーと言うだけではありません。

 

日本における「産業革命」の元祖とも言える、とても興味深い会社なのです。

 

近代日本において、資本主義の先駆けになった会社と言ってもよいほどに多くの示唆を与えてくれる存在なのですが、今日はそんなグンゼの歴史から、一つの大胆な仮説を立て、検証してみたいと思います。

 

 

 

それは、「ビジネスマンは会社に通勤する必要が無い」というもの。

 

言い換えれば、世の中の仕事はそのほとんどが「テレワーク」で事足りる、という仮説です。

 

 

 

ではなぜ、グンゼの歴史からそのようなことが見えてくるのか。

 

以下、お話を進めてまいります。

 

 

黎明期の日本を支えたグンゼ

 

まずは、今回のお話の一方の主役であるグンゼの歴史について少し、触れたいと思います。

 

グンゼといえば、一部上場企業でもあり、東京や大阪の都心部に大きなビルを構える本社を想像する人も多いかも知れませんが、実は登記上の本社は今も京都府の田舎町、綾部市にあります。

 

京都駅から、電化されていない路線をディーゼル特急に揺られて1時間余り。

 

駅前にすらタクシーがいないような、本当になにもない田舎の駅から10分ほど歩くと、今は博物館(博物苑)になっているグンゼの本社に到着です。

 

その建物は、まるで歴史の教科書に出てくるような重厚な外観で、時代が21世紀であることを忘れさせるようなものになっていますが、無理もありません。

 

今ある建物の原型は100年以上前、1917年(大正6年)に作られたものであり、明治29年の創業以来の数々の収蔵品が展示されているからです。

 

 

 

元々グンゼは、郡是、すなわち国にとって良いことを為すことを国是というように、地元である何鹿郡(いかるがぐん=現綾部市)のために良い仕事をすることを目的に設立された会社でした。

 

そしてその名前の通り、元々は農家が閑散期に副業で実施していた養蚕業を支援するために繭を買い取り、生糸を製造することから事業を興します。

 

その特筆するべきところは、明治期の殖産興業の時代にはほとんどの産業が官製か、もしくはそれに近い財閥系であったにも関わらず、最初から株式会社であったというもの。

 

なおかつ、歴史の教科書でも学んだことを覚えている人も多いかも知れませんが、戦前の生糸と言えば日本にとって貴重な外貨を稼ぐ、今の時代の自動車のような存在です。

 

言ってみれば、原材料を高い技術で加工し、輸出をして外貨を稼ぐという日本の産業構造の原点の一つとも言って良いでしょう。

 

オジサンたちが身につけているブリーフパンツには、実は近代の日本そのものを支え続けた大きな歴史が織り込まれているのです。

 

 

 

 

近代産業の原型は製造業から始まった

 

ところで、小学校の頃に習った「産業構造」という単語を思い出してください。

 

産業は、第一次産業(農業、林業、水産業)から始まり、第二次産業(製造業、建設業など加工業)、第三次産業(サービス業)へと次第にその割合をシフトしていくという考え方です。

 

 

 

確かに、日本の産業構造の変化を実際に見ても、農業や水産業が主体であった江戸時代から始まり、製造業で外貨を稼ぐことができるようになった明治~大正時代、そして第三次産業が70%以上となる2017年へと、産業構造を変化させ続けてきました。

 

日本に限らず、世界各地の産業構造の変革も、速さや具体的な内容に差はあっても、原則的にはこの流れの中で発展を続けてきた歴史があります。

 

 

 

そしてその過程で、私達はマニュファクチュア(工場制手工業)と呼ばれる原始的な労働集約と生産性の向上を経験し、やがて工場制機械工業の産業革命の時代を迎えました。

 

言ってみれば私達人類は、第二次産業の時代に工場などの拠点に集まり、労働を集約することの効率を学習したと言っても良いでしょう。

 

 

 

その効果は絶大で、やがて作業の専門化とともにものづくりの生産性は飛躍的に向上し、分業化と専門化が20世紀のものづくりを支配することになります。

 

 

 

この過程は、グンゼが農家から繭を買い取り、生糸を作ることから事業を始め、やがてその生糸をただ売るだけではなく、製品づくりに進出した経営判断にも通じるものがあると言えそうです。

 

原料である繭を買い取り、地域の人を雇いながら人手を頼り生糸に換える過程は工場制手工業。

 

そしてそれら生糸をパンツ(製品)して売る産業に進出した過程は、工場制機械工業ということです。

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なぜ人は会社に通勤するようになったのか

 

これらのことからわかる事実は、現代の私達に通じるビジネス習慣とは、実はここ100年程度でできた底の浅いものに過ぎない、ということです。

 

端的にいうと、会社に通勤し仕事をすることはとても効率が良いという、100年前に生まれた価値観の時代に、今も私達は生きていると言い換えてもよいでしょう。

 

 

 

それも無理からぬ話しです。

 

私達人類は、1990年代を待つまでインターネットや携帯電話が当たり前に存在する時代を経験しませんでした。

 

そしてそれ以前は、会社や工場など一ヶ所に多くの人が集まることで生産性の飛躍的な向上を学習する時代を100年以上に渡り経験しているのです。

 

 

 

であれば、常識的な経営者であれば業種を問わず、

 

「人を採用したら、まず会社に出勤させよう。なぜなら効率がいいから。」

 

という、勝手に普遍的と思いこんでいるイコール式を発動してしまうでしょう。

 

 

 

しかしいうまでもなく、これは事実ではありません。

 

産業の発展を経過から見ても明らかですが、人が一ヶ所に集まり効率を追求する形は、第二次産業が中心の時代に生まれたものです。

 

 

 

さらに、情報通信手段の貧困な時代であれば、価値の創造はものづくりの延長にしかありませんでした。

 

そのことも相まって、第三次産業の付加価値が第二次産業をリードする現代にあっても、凡人経営者は未だに、その価値観をひきずり続けているのです。

 

 

 

そして業種を問わず、社員を採用しては毎日、無意味な通勤を強制していると言っても過言ではありません。

 

控えめに言っても、今の日本では全就労者の1/3程度を、必要に応じて会社に出勤する勤務形態、すなわちテレワークに変えても、きっとGDPは維持できるでしょう。

 

いやそれどころか、それに伴うテレワークの新たな需要が生まれ、また政府が躍起になって推進する「余暇・休日の増加」も増大する結果、ますますGDPが成長する可能性も生まれそうです。

 

 

 

 

大事なことは、冷静に合理的に考えてみること

 

では、いわゆる「ホワイトカラー」として仕事をする人が会社に通勤し、毎日同僚や上司、部下と顔を合わせることのメリットは無いのか。

 

もちろんそんなことはないので、いろいろと挙げてみたいと思います。

 

1.顔を見てコミュニケーションをすることで、お互いに安心感がある

 

2.会うことによって、人としての信頼を醸成しやすい

 

3.意思疎通が円滑になる

 

4.リアルタイムで仕事のホウレンソウ(報告・連絡・相談)ができる

 

5.何かあった時に、すぐにディスカッションをしてブレスト(ブレーンストーミング)ができる

 

ざっと思いつく限りでこんなところでしょうか。

 

 

 

一方で、この要素を逆から見てみると、

 

1.Webカメラを使えば、相手の表情を見ながらコミュニケーションを取ることは難しいことではない

 

2.ネット恋愛は極端な例としても、信頼と会う回数に比例の関係はない

 

3.対面では意思疎通に付随する時間がどうしても増えてしまい、お互いに時間を浪費する

 

4.対面ではお互いに仕事の手が止まるロスが生まれるが、Web会議ならタイムラグはそれ程生じない

 

5.むしろWeb会議のほうが、話者の主張を最後まで聞くことを要求される分、ブレストが成立しやすい

 

というメリットとデメリットがありそうです。

 

 

 

結局のところ今の労働習慣は、労働を集約することに明らかなメリットがある製造業を始めとした第二次産業の時代に生まれた古い慣行である、という仮説は大きな社会実験をして見る価値がありそうです。

 

あなた自身が経営者であれビジネスマンであれ、我が事として考えたとしても、

 

「必要な時に、必要に応じてオフィスに出勤するだけで良い」というテレワークを前提とした働き方には、メリットこそ感じてもデメリットは、ほとんど感じないのではないでしょうか。

 

 

 

日本では、ICT(Information and Communication Technology)技術はかつて、IT(Information Technology)と呼ばれる時代が長く続いてきました。

 

欧米では早くから、ITとはすなわちICTであるという認識が根付いていたこととは対照的です。

 

製造業がメインの時代に生まれた価値観が、サービス業がGDPの7割を占める今の日本においてどこまで有効に機能するのか。

 

今の時代を生きる新しい世代の経営者は、本気でテレワークの導入を考える必要があるのではないでしょうか。

 

 

 

なお余談ですが、グンゼ株式会社は原料を製造する事業から加工業に移行したあと、1987年には創業の原点であった蚕糸業から既に、完全に撤退しています。

 

 

 

日本の製造業は、これほどにも合理的であり、したたかな強さを見せて成長し、生き残ってきました。

 

このようなDNAのバトンを今度は、今を生きる第三次産業の経営者がしっかりと受け継ぎ、いろいろな価値観を取捨選択していかなければならないのではないでしょうか。

 

 

 

まずは、役職員のテレワークからです。

 

ぜひ、トライアルしてみてください。

 

 




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