自ら働き方改革を断行し憧れのフリーランスとなったが失敗してサラリーマンに戻ったある4人のリアルな実例とその末路


自ら働き方改革を断行し憧れのフリーランスとなったが失敗してサラリーマンに戻ったある4人のリアルな実例とその末路

ここ数年のビジネストレンドの一つが「働き方改革」。国も企業も個人も、ブラックな働き方を是正し、ワークライフバランスの実現を目指しています。

 

そんな中増えているのが、働き方改革を国や企業任せにするのではなく、自分で自分の働き方改革をするために会社を辞めてフリーランスになるというケース。

 

フリーランスは、「会社に縛られずに自由に働く」というポジティブなイメージがありますが、誰もが簡単に会社に縛られない自由な働き方を実現できるものではありません。

 

「働き方改革に失敗してサラリーマンに戻った人の4つの事例」をご紹介しますので、フリーランスの理想と現実を見てみましょう。

 

 

Case1:営業ができない。

 

私の会社員時代のクライアントであるTさんの話です。

 

海外の美大を出て新卒でデザイン会社に入社したTさんは、デザイン会社で15年近くキャリアを積み、社内外からもその実力が認められていました。

 

デザイン会社とは言っても深夜遅くまで働くとか薄給だとかいうことはなく、基本的には朝9時に出社して19時過ぎには退社するという恵まれた仕事環境でした。

 

お給料も同業他社と比べて高めなので、ずっと会社員でいる予定でしたが、中途入社してきた直属の上司とソリが合わず、半ば勢いで退社してフリーランスのデザイナーとなりました。

 

 

デザイナーとしての腕は確かなTさんですが、営業活動やお金の交渉などが苦手でした。

 

営業活動が苦手なのでなかなか新規の案件を取れない。

ホームページから問い合わせがあって商談になった新規のクライアントとお金の交渉がなかなか上手く行かない。

 

というようなことが続き、結局は別のデザイン会社に再就職することにしたそうです。

 

 

 

 

● Lesson1 ●

 

フリーランスは自分自身が営業となって仕事を回していく必要があります。

 

営業が苦手な人は、営業が得意な人とパートナーを組むとか、自身の営業スキルの向上のためにセミナーに通うなど、対策が必要です。

 

 

 

 

Case2:形から入ってしまう。

 

私の大学の先輩Sさんの話です。

 

有名私大を卒業後、大手商社に入社し海外赴任も経験した上で、満を持して退社しフリーランスとなったSさん。

 

Sさんは一見すると

 

「職業柄、英語でもできる」

「大学時代と商社時代に体育会系のバッググラウンドを活かして大活躍だった」

「知力も人間力もある」

「会社員時代と同じ業務内容でフリーランスデビュー」

 

というように、成功するための条件は十分に兼ね備えているかのように見えました。

 

そのため、本人もフリーランスになりたての頃から自信満々。まだ1期も迎えていない状態にも関わらず、千代田区の一等地にオフィスを構え、一流オフィス家具を設置し、秘書を雇い、立派なスーツや時計も購入。というように、「成功した社長」と同様の振る舞いをしていました。

 

 

ですが、その実態はというと、それらはすべて借入金から捻出したもので、新規の案件を1件も受注できていない状態だったのです。

 

Sさんの「見た目」のプロフィールから、商談は出来るものの、そこからの受注につなげることができず、結局Sさんは1年も経たないうちにフリーランスを辞めて、小さな専門商社へ再就職したそうです。

 

 

 

 

● Lesson2 ●

 

Sさんは、「起業とはこういうもの」と形から入りすぎたのが失敗の原因です。

 

フリーランスで成功するには、実情に合わない過度な見栄を張るのではなく、必要なものだけを揃えて小さくスタートし、ビジネスが大きくなっていったらその都度必要なものを揃えていくというように、身の丈にあったスタイルで仕事をこなすという現実的なスタンスが必要です。

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Case3:ノープランで動いてしまう。

 

私の学生時代からの友人Yさんの話です。

 

有名私立の中高大とエスカレーター式で順風満帆な人生を歩んできたYさん。父親が会社を経営していたため、経済的な問題に直面したことがなく、大学を卒業しても2、3年は海外放浪の旅に出たりとのんびりと過ごしていました。

 

日本に帰ってきてから、大学の同期がやりがいを感じて仕事に邁進している様子を目の当たりにし、「これではいけない」と一念発起してフリーランスで飲食店のプロデュース業を始めました。

 

 

幸い、Yさんの周りには美食家や飲食店のオーナーなども多く、周りの人の協力もあって都内港区の一等地にオープンするイタリアンのお店のプロデュース業を任されました。

 

Yさん自身、食べ歩きが趣味なのでその趣味を存分に活かしてシェフを選び、一緒にワインを選び、メニューの開発をし、というように着々とオープン準備を進めていました。

 

無事にお店もオープンし、オープン当初はYさんの知り合いを中心にお客も入っていたのですが、半年も経たないうちに客足が途絶え、資金繰りが悪化してこれ以上損失が出ないようにオーナーは店の撤退を決断。

 

1件目の案件を成功に導けなかったYさんは次の仕事が入ってこずに、結局は知り合いの伝手で派遣会社の営業に就職することになったそうです。

 

 

 

 

● Lesson3 ●

 

Yさんの失敗の原因は、行き当たりばったりで動いてしまったこと。学生時代のノリを引きずったままノープランでフリーランスになったことです。「趣味の延長」のような仕事っぷりでフリーランスで生きていくのは難しいです。

 

フリーランスで成功するためには「自分の腕一本で食べていける」というスキルとそれを活かすための戦略が必須です。

 

 

 

 

Case4:自分を律することができない。

 

私の大学時代の友人であるNさんの話です。

 

有名私大の文学部を卒業し、中堅の出版社に入社したNさん。総務として10年勤めた後、リストラが契機となってフリーランスになりました。

 

出版社の花形部署と言えば編集なのですが、編集経験もなくずっと総務勤務だったため、これと言った自分の売りがないことは十分理解していたNさん。転職活動をしてもどこも雇ってくれないだろうと始める前から転職活動を悲観して、大学時代の友人がフリーランスで働いていたのを真似して自分もフリーランスになったそうです。

 

 

Nさんは、フリーランスの業務として、スタートアップ企業や中小企業などの「総務代行」を始めました。

 

基本は在宅で、「請求書を作って」と言われたらエクセルを作成して送ったり、備品を発注してと言われたらアスクルで備品を発注したりと、業務内容は難しいものではなかったため、最初のうちはNさんは順調に仕事をこなし会社員時代と同額の金額を稼げていたそうです。

 

もともとコツコツと業務をこなすのは得意なNさんですが、少しだけ意思が弱いところがありました。

 

前日飲みすぎて辛い日は仕事をサボったり、大学時代の友人が仕事で成功したという話を聞いた次の日は気分が乗らなくて仕事をサボったり。

 

どんどん勤務態度が悪くなり仕事にも影響が出た結果、クライアントから総務代行の契約を打ち切られ、今は派遣社員として勤務しているそうです。

 

 

 

 

● Lesson4 ●

 

フリーランスは在宅勤務のパターンが多いもの。会社と違って自宅は、テレビや雑誌などの誘惑もあるし、周りの目がないために仕事をサボってしまうこともできてしまいます。

 

フリーランスは働き方が自由だからこそ、自分をコントロールする力、自分で自身を律する能力が必要です。

 

 

 

 

まとめ

 

働き方改革に失敗してサラリーマンに戻った人の4つの事例を見てきました。

 

「営業ができない」

「形から入ってしまう」

「ノープランで動いてしまう」

「自分を律することができない」

 

という4つの事例は、フリーランスで失敗する代表例です。

 

これからフリーランスになろうとする人も、今現在フリーランスとして働いている人も、失敗事例を学びの機会に変えて、フリーランスとして成功するためのヒントにしてください。

 

 

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この記事を書いたのは

Cool Workers運営部
Cool Workers運営部ライター
フリーランスや副業などの“自由なはたらき方”、税金、働き方改革に関する情報を発信しています。Cool Workers運営部は、様々な働き方をしているメンバーで記事を作っています。