フリーランスとなって難しいことの一つにスケジュール管理やタスク管理が挙げられます。これらは、会社員であれば、会社に合わせるところ、言わばベースがあるため、そこから逆算したり肉付けしたりすることでうまく回っていたのではないでしょうか。
フリーランスでは仕事の基準点はありません。基準となる仕事を取ってくるのも自分で、会議や中間報告もクライアントが求めなければありません。よって、これらを管理せずいくと、納期に間に合わなくなったり、依頼された仕事に対応できず機会損失となったり、収入面に直接響いてきます。また、あまり無理をし過ぎると体調を崩して、結果的にクライアントに迷惑をかけたり、収入に穴ができてしまったりすることもあります。
ここでは、フリーランスが生産性を高めるスケジュール管理とタスク管理について解説した上で、それに役立つツールも紹介していきます。
フリーランスにとってのスケジュール管理とタスク管理
スケジュール管理とタスク管理は連動しています。タスク管理はスケジュール管理の一部というような位置付けになるかと思います。スケジュール管理にタスク管理を組み込んで実際動いていくことになります。
しかし、特にフリーランスにとっては分けて考える必要があるものでもあります。特に在宅でできる仕事をしているフリーランスに当てはまりますが、タスク管理をしていかないと昼間できる仕事を夜に回すなど、不規則になっていくと昼夜逆転します。
スケジュール管理の方法ですが、まずは、決まった仕事と仕事を取るための営業や勉強時間、休日といった大枠を捉えて管理していきます。仕事の都合や家庭の事情などを考慮しながら埋めていくことになりますが、1か月先ぐらいまでを見越して埋めていくといいように思います。
タスク管理ですが、スケジュール管理の微細なものといった形になります。決まっている仕事を全てカレンダーに記載していき、それをこなすためにタスク管理をします。タスク管理の方法は様々なサイトで解説されていると思いますので、ここでは私がやっている方法を書いてみます。
ポイントを箇条書きします。
・カレンダーに納品日を含めたスケジュールを随時手書きする
・毎週金曜日にWindowsのSticky Notesを使って、上部に現状の仕事と納期のリストを箇条書きする。同時に、下部にカレンダーとにらめっこしながら翌週の毎日の仕事を書いていく
・仕事を詰めていく時には時間単位で仕事時間を積算する。
・優先順位はそのまま上位に書いていく。
・日をまたぐ仕事は内容をカッコ書きで簡単に書いておく。
・時間の幅が出てきそうなものは必ず月曜の一番下に書いておき、週の初めに感触だけ掴んでおく。それで月曜にもう一度その週のタスク管理を修正する。
・納品まで終わった仕事は消していく。
・仕事が終わったが納品していないものは「(納品前)」と後ろに付けて翌日の一番下に繰り越す。
<長所>
この方法はすごく簡単で、デスクトップで確認しながら進められることと、週の終わりと週の初めに仕事の整理をすることから、仕事が漏れるということはまずありません。電話で話しながら、その場で簡単に仕事の調整ができるのもメリットです。
<短所>
このタスク管理のやり方で問題なのは、後に残らないことです。どの仕事にどれだけ時間がかかったのかが残りません。次回の参考のため、一つ一つの仕事にかかった時間を把握しておく必要がある場合は、後述の管理ツールを使うなど、別な方法を採る必要があります。
タスク管理で気を付けることは、余裕の幅です。余裕が全く無いと、急な打ち合わせに対応できません。余った時間は勉強に充てればいいので多少は問題ないのですが、余裕がありすぎると不安になります。
そこで、毎日朝から夕方まで仕事をしていればきれいに終わっていくぐらいの仕事量を基準にしてはどうでしょうか。もし急な打ち合わせで計1日潰れたとしても、2~3日残業する感覚で仕事を予定通り進めることができます。
もちろん、それぞれの事情で仕事時間も決まってくると思いますので、あくまで仕事を毎日フルタイムでできるという前提での基準になります。
生産性を高めるコツ
上記のようなスケジュール管理、タスク管理は、フリーランスであれば全員がやっていることと思います。手書きのカレンダーと Sticky Notes という組み合わせで、便利ツールを使わない私の方法はかなり雑な方法だと思います。管理の方法は自分の仕事スタイルにあったものであれば、生産性にはあまり関係ないと思います。
生産性を高めるコツは、各種ツールを使いこなすことよりも、現状の自分のスキルと受注した仕事の内容を把握することに尽きると思います。「彼を知り己を知れば百戦殆うからず」という孫子の言葉がありますが、それを実践できるよう仕事の準備段階で内容を把握するよう努めることで、所要時間などが正確に掴めてタスク管理をすることができます。
管理の前提となる自分のスキルと仕事との正しい照合ができるよう、仕事を受注するときに必要な情報をリスト化するということも考えられます。
スケジュール管理とタスク管理に役立つツール
とにかくシンプルなタスク管理ツールです。タスクを簡単に足していくことができて、共有することもできます。また、スマホアプリとも連動しているので外出先でパソコンを開けずに確認することもできます。各種管理ツールにあまり慣れていない方は、まずはこれを試してみてはどうでしょうか。
『Jooto』
手軽さでいくと、上記の Wunderlist に劣るかもしれませんが、その分高機能です。タスクを看板のように管理でき、ドラッグ&ドロップで簡単に並び替え等ができます。また、ガントチャートで納期を管理することもできます。スマホアプリもあって連動しています。制限付きのプランですが、無料で使うことができます。
『Googleカレンダー』
スケジュール管理ツールとしては王道のツールです。共有することもできますし、スマホアプリもあります。タスク管理の便利さで言うと、上記ツールに劣るかもしれませんが、グループで手軽にスケジュール管理していくときなどは非常に便利です。
『Sticky Notes』
Windows 10 に最初から入っているアプリです。単なるデスクトップ上のメモツールですが、常駐させておいても邪魔にならないので、補助ツールとして使ってみてはいかがでしょうか。
まとめ
スケジュール管理、タスク管理はとても重要なものです。仕事を漏らさない、無駄な時間を減らす、効率を上げる、そういったことを実現していくためには、それぞれの仕事に合った方法を早く見つけ出して実践していく必要があります。
現状の管理方法に悩んでいる方は、上記のツール(特に Wunderlist か Jooto)を導入してみてはいかがでしょうか。
また、フリーランスになると、「休むと収入が無い」「断ったら次の仕事が無くなるのでは」といったプレッシャーから無理に仕事を引き受けてしまいがちです。体調や精神を整えてベストの仕事ができる状態を保つのも大事です。スケジュール帳にはしっかり「休日」と書き込んで休みも取りましょう。
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