残業時間とうつ病の関係は?


残業時間とうつ病の関係は?

会社員として働いている方の中には、残業時間が多くて仕事が嫌になり、フリーランスになりたいと考えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 

また、会社員として働いていて特に不満はないという方の中にも、原因はわからないけど、やる気が起きない、体のあちこちが不調だという方もいらっしゃると思います。やる気が起きない、体調不良の原因はもしかしたら、残業時間の多さが原因かもしれません。

 

残業時間が多すぎてうつ病になってしまう場合もあるのです。残業時間が多いと感じる方は、一度、残業時間について見直してみるとよいでしょう。

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1.残業時間は法律で決まっている

 

日本では、がんばってたくさん働くことが良いとされ、長時間労働で残業時間が多いことに文句をいうと、職場に居づらくなるという傾向があります。

 

先日、大手広告代理店の女性社員が、過酷な労働時間などが原因で自殺するという事件が起こってしまいました。

 

残業時間の長さだけが原因ではないかもしれませんが、残業時間の長さとうつ病は因果関係があります。

 

法律では労働者を守るために、過労死ラインとして80時間の時間外労働という目安が設けられています。この時間は、長時間の労働と健康障害の因果関係をわかりやすくし、過労死と思われる死亡が発生したときに、過労死かどうかの判定の目安となるものです。

 

 

 

 

2.残業時間が多いとうつ病になりやすい理由

 

残業時間がどれくらいまでなら良いか、というのは人それぞれかもしれませんが、残業時間が月80時間を超えるような働き方は、なかなかつらいものがあります。繁忙期や月末などで残業時間が多くなってしまうことはあっても、普段は定時で仕事を終わることができる、というのであれば、それほど苦痛ではないかもしれません。

 

しかし、毎日、長時間残業が続き、その状態がいつ終わるかもわからないという状態では、心身ともに疲れてしまって、病気になって当然ですよね。

 

特にうつ病は、まじめな性格な人がなりやすいと言われています。仕事をまじめにこなさなければならない、手を抜くことができない、上司に言われたことを鵜呑みにして言われたとおりに仕事をしなければならない、期待された仕事はがんばってしまう、という性格の人に、うつ病になりやすい傾向があるようです。

 

しかし、いくらうつ病になりやすい性格であっても、決められた時間はしっかりと仕事をし、仕事以外の時間はしっかり休むことができる状態であれば、うつ病を発症しづらいのではないのでしょうか。

 

 

 

 

3.うつ病の症状

 

残業時間が多く、体調不良で、やる気も出ないという方でも、自分がうつ病かどうかはわからないものです。うつ病は、心と身体の両方に症状があらわれます。症状が悪化すると、過労死や自殺といった事態にもなってしまう病気ですので、早めの対処が大切です。

 

 

 

(1)心の症状

 

うつ病でよくある症状は、抑うつ気分や意欲の低下です。

 

理由もないのに悲しい気持ちになってしまう、集中力が低下して仕事の能率があがらない、人の話を聞いていても理解することができないといった症状がある場合には要注意です。うつ病がひどくなると、今まで興味があった世の中の出来事や趣味などにも興味が持てなくなってしまいます。不安感が強くなるといった症状の出る方もいます。

 

 

 

(2)身体の症状

 

うつ病で体の症状があらわれるときには、不定愁訴とよばれるように、さまざまな症状があらわれます。

 

一番あらわれやすい症状としては、睡眠障害です。夜、なかなか眠ることができなかったり、夜中に何度も目を覚ましてしまうといった症状があり、その症状が長く続くようであれば、うつ病を発症しかかっているかもしれません。

 

また、食欲が異常になくなったり、ストレスから過食になる人もいます。いつもだるい、胃腸の調子が悪いなどの症状があらわれる場合もあります。

 

 

 

(3)うつ病かもしれないと思ったら

 

うつ病かもしれないと思ったら、まずは医療機関で受診をすることをおすすめします。

 

うつ病の治療は、薬物療法とカウンセリング療法があります。うつ病の治療は、精神科や心療内科といった科への受診となりますが、軽いうつ病の場合は内科でも薬を処方してくれます。カウンセリングも受けたい場合には、精神科か心療内科を受診するとよいでしょう。

 

うつ病で病院を受診することに抵抗がある方もいると思いますが、うつ病は、誰でもかかる心の風邪ともいえる病気です。早めの治療で悪化を防ぐこともできますので、心配な場合にはまずは医者に相談することをおすすめします。また、薬を飲むことに抵抗がある方もいると思いますが、脳内物質の状態が改善することでうつ病の症状が改善し、心と身体の状態がよくなることで原因となる現実に対処できる力もできてきます。

 

自分がうつ病かもしれないと思ったときに気をつけなければならないことは、同じ症状のうつ病の人のサイトや情報を読みあさることです。うつ病かもしれないという気持ちが強くなることで症状が悪化することもありますので、気をつけてください。

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4.うつ病にならないために

 

(1)残業時間を減らす

 

残業時間の多さで、心身が不調の場合、まずは心身を休めることが大切です。そのためには残業時間を減らすことが大切ですが、それができれば、うつ病かもしれないと悩む事態にはなっていませんよね。

 

まずは客観的に自分の残業時間を見直してみましょう。過労死ラインの残業時間は80時間という目安になっていますが、45時間を超えると危険水準だといわれています。残業時間が多くて悩んでいる場合には、労働基準監督署に相談するのもひとつの方法です。残業時間が月に45時間を超えることが続くようでしたら、労働基準監督署に相談することを検討してみてください。

 

 

 

(2)会社を変える、働き方を変える

 

転職したり会社を退職するといった人生の岐路となるような決定は、うつ病の症状がひどいときには避けるようにし、心身の状態が落ち着いているときにするようにしましょう。

 

このままではうつ病になってしまうといった場合や、うつ病の治療が落ち着いて心身の状態がよいときには、自分の働いている会社や働き方を見直すのも良い方法です。残業時間が多い環境は会社の方針によるところが大きく、自分1人の力では変えることができませんが、転職やフリーランスとして独立するという環境変化は自分の力で作り出すことができます。

 

もしかしたら、今の仕事が自分にあっていなくて、残業がより苦痛になっているのかもしれません。

 

 

 

 

5.残業時間の多さでフリーランスになるときに気をつけること

 

フリーランスのメリットは、労働時間を自分で調整できることです。ただし、フリーランスになったからといって残業時間が減るとは限りません。多くの場合は、フリーランスは自分が働いた分が収入に直結するので、収入を確保するために、労働時間はサラリーマンよりも多くなりがちです。

 

サラリーマンの場合は、朝、決まった時間に出社して、定時を超えたら残業というケースがほとんどですが、フリーランスの場合は時間が決まっていない分、不規則な生活になりがちです。不規則な生活も、うつ病になりやすい原因だといわれています。

 

 

また、嫌な仕事をしていて残業が多いから心身の調子が悪くなるのだと思っている場合にも、フリーランスになっても好きな仕事だけをしていればいというわけではないことを頭におく必要があります。興味がもてる好きな仕事は、たしかに長時間の労働でも楽しくしていくことができるかもしれません。

 

しかし、フリーランスは営業、本業、事務などすべての業務をひとりでこなさなければならず、時には気のあわないクライアントとコミュニュケーションをとらなければならないこともあります。

 

 

自分のやりたいことがあり、今の会社の環境ではやりたいことができず、残業も多く疲れてしまっている、というときには、まずは心身の状態をよくすることを最優先し、心身が元気な状態で、今後どうしていくかを決定するべきです。心身が元気な状態で、今の環境をよく見直し、転職や独立が自分にとって最善の方法だと思ったときには、一度きりの人生ですので、自分の思ったように転職や独立してフリーランスとして生きるのもよいと思います。

 

 


この記事を書いたのは

Cool Workers運営部
Cool Workers運営部ライター
フリーランスや副業などの“自由なはたらき方”、税金、働き方改革に関する情報を発信しています。Cool Workers運営部は、様々な働き方をしているメンバーで記事を作っています。